遠山霜月まつり

霜月神楽シーズン二回目は遠山。奥三河の花祭と遠山霜月まつりはそれぞれ十ヶ所以上で行われているので、まだ全部訪ねることは出来ていない。
今回は初めての程野で、ここは旧上村にあり上町タイプと呼ばれているもののひとつ。

今回はレンタカーで東京からシンガー/カメラマンのSNさんと一緒。神楽にとても興味を持ってくれて同行することになったのだ。
遠山へ行くとなるとやはり和田の丸西屋さんで蕎麦を食べたい。到着が夕方になりそうだったので談合坂PAから電話して、間に合うようだったら食べさせて欲しいとお願いする。
4時を過ぎてしまったが、なんとか蕎麦を食べることが出来た。今まで使っていた遠山の「日本のチロル」と呼ばれる高地斜面の集落で取れた蕎麦が、メディアで「おいしい」と紹介されてから、地元なのに手に入らなくなったそうだ。でも、今回食した中立の蕎麦もどうしてどうして、おいしい。縁の深いおかみさんは「水がいいからだに」と謙遜するが、やはりご主人の腕もいいし、人柄も味に反映されるのだな。

天ぷらや焼き豆腐など、サイドメニューもおいしかった。今回天ぷらに使われたリンゴは王林だそうで、いつもと違った食感、味でおいしかった。

SNさん大満足で、そば粉を分けてもらっていた。彼女はパン作りもプロ並みでそばのパンも作るのだそうだ。フランスの小麦が取れない田舎ではよく食べられるそうで、日本と同じじゃん。ご主人はパン作りもけっこうやったそうだがそばのパンは作ったことがないということで、送ってもらうのを楽しみにしていた。

こういう縁を感じる人の出会う場面に立ち会うのは嬉しい。
僕とおかみさんの縁も話したら長くなる縁があるんだけど。

もう、始まってからだいぶ経ってしまったが程野の正八幡に到着。でもまだ湯立の演目である。名古屋からIさんも来ていて、やはり同じ頃着いたらしい。彼も車なので「御神酒は早いうちに飲まなきゃね」と乾杯。

神社は意外と広く天井が高い。煙たさも少なく湯立の歌を楽しむ。遠山の湯立の神歌はいいなあ。まだ面が出る前なので人も少なかったので快適である。受付で祝儀袋の書き方を尋ねたら「湯銭(ゆぜに)」でいいよ、と。これは初めての表現だ。湯立神楽への奉納だから「湯銭」。東京だと銭湯代みたいだけど、ストレートでシンプルでなんかいい感じ。

0時頃から3時頃まで車で仮眠。「よーっせっ、よーっせっ」という声で目を覚まして外へ出たら、川でこのあとの「四面(よおもて)という舞をする若者が禊ぎをしていた。真冬なのにパンツ一丁である。照明もあり見物人も多く、彼らがはやし立てていたのだ。昔は全裸だったらしいが、これだけ見られたらパンツ履くな(笑)

やっと面が出てきて、人も増え、神社の中は大混雑。「四面」は素手で湯をはねたあとに客に向かって後ろ向きにジャンプをするのだが、これを一緒に騒ぐために10代、20代の若者が増えて大騒ぎ。女子も多い。今まで見た「四面」の中で一番の盛り上がりだ。全部の地区を見たわけではないので、これ以上のものもあるのかもしれないが。
いやあ、楽しかった。
ここは太鼓が力強くて、響きよりもパワー、という感じだが、独特のなまりがあっていい。


6時過ぎに終了し、急いで東京に戻る。途中PAで少し寝たりしてなんとか11時までに車を返せた。高速料金を9時までの「通勤割引き」や100km未満の「平日割引き」を駆使して節約するために、時計とにらめっこで走っていたのだ。

そしてSNさんと別れ多摩美に行って授業。早めに着いたので芸術人類学研究所で一時間ほどウトウトしながら休めたのでなんとかこなせた。でも出席を取るのを忘れ、学生に「先生、出席とって」と言われてしまった。

この夜はさすがに酒を飲まないでも爆睡できた。

まだ眠たいのでなぐり書き。書き直すかもです。