神楽と呪術

図書館からリクエストしていた別冊太陽『呪術の世界』が入ったとメールが来たので借りてきた。
ざっと見たところ、内容は呪術についての入門書からちょっと掘り下げたかんじで、ほとんどがカラーページできれいなビジュアルが多い別冊太陽らしいもので充実している。
コンテンツは有名な歴史上の人物や、寺社、事件などにからめた「メジャーな」ものがほとんどでオールスターの世界なかんじかな。
 だから若い人に手に取ってもらいたいものだが、さて。
僕から見るとマイナーだけど歴史の長い祝福芸的な大道芸とかを呪術として紹介してもらいたかったが、庶民と呪術の関係は「日常のおまじない」レベルにとどめている。神楽の文字も二つくらいしか見られなかったので「芸能」とは切り離したかったのかなと考える。芸能は呪術だったんだけどややこしくなるからスッキリさせたかったのかな。
この本が出たことは僕にとっては気になることだった。
実は近々出る予定のぼくの新刊のテーマは「神楽は呪術のソーシャルネットワークである」というもので、庶民というか村人というか常民というか、下々の人たちが何百年も祭りで共有してきた呪術の世界としての神楽を見てみようというもの。
研究者になるには遅すぎる40代半ばから、25年ほど全国の神楽を見て歩いて、多種で多様で多層でいろいろありすぎる不思議な民俗芸能としての神楽の姿から共通する何かを探り、「最初から最後までずっとお呪いやってるじゃん」という感想から「呪術」と「ソーシャル・ネットワーク=交流」という面から解釈してみようという、おそらく前例のないものになった。
某人文系出版社から「学問的でない」ということで断られたこともあったので、応援団として集めてきた神楽情報のリミックスのひとつというかんじかな。
これには前著の『新・神楽と出会う本』について産経新聞に書いてくれた赤坂憲雄氏の書評に「民俗芸能ですらないのかもしれない」というフレーズがあり、これにも触発された。
別冊太陽の内容が神楽に触れなかったのでバッティングはしなかったけど、少しは触れてくれたら良かったかな。
神楽は「呪術の平和利用」とも言えるかもしれない。

久しぶりにライブハウスで歌いました

8月11日、三軒茶屋グレープフルーツ・ムーンでのライブ。
サックスプレイヤーの森英記さん主催の【SUMMER NERVES 2024】で、神楽ビデオジョッキーとミニライブをやらせてもらいました。
VJではお客さんから速攻の質問とかもらってリアル感覚で嬉しかったし、ライブでも久しぶりに歌わせてもらって気持ちよかったです。
自分で作りたくて、歌いたくて作った曲なので気持ちいいのは当たり前なんですが。
今回は久しぶりにちゃんと音響さんがいるライブで記録の音が良かったからYoutubeに一曲アップしました。
 この曲は宮崎の中之又神楽の解説ソングなんですが、中之又に限らずすべての神楽に共通することを歌ったので、歌うビデオジョッキー。作詞家さんには絶対に書けない、いわゆる歌詞としての価値はないかな😅
その歌詞には専門用語や固有名詞が多いので、ビデオにカラオケみたいなテロップを付けているんだけど、セッティングの都合で僕の「明るい額」に歌詞が写ったりして😆
 
実はこの曲のベースはもともと「隠岐田植え歌」のために作ったんだけど、今は歌ってくれる人がいなくなりました。
でもふと思いついて中之又のお囃子と合わせてみたらピッチも速さもほぼ同じ。「なんだこのためだったのか」と思った次第です。
そんなわけで僕の音楽は、神楽の神様とかご先祖さまとかの見えないお導きのおかげさまなんですね。
ミュージシャンとしてなかなか思ったように売れないことには悶々とする時期もあったけど、これがぼくの役目と思えば今はこれで満足です。
中之又神楽については来月くらいいいお知らせができると思います。

https://studio.youtube.com/video/j1KxqanXlVQ/edit?o=U

アメリカで出た『気舞』の二枚組LPを直売します。

8月30日にアメリカでリリースされたぼくの二枚組LPレコード『気舞』が手元に届きました。
向こうではすぐにソウルドアウトになったという透明ピンクのディスクも入っていました。

新品のレコードを手にするのは実に久しぶり。
ソロのCDは出していたけどレコードは初めてなのでちょっと感動。しかもインディーズとはいえアメリカデビューです。

 
驚いたのは僕の知っているアメリカ盤より丁寧な包装だということ。かつてディスクは
白い紙袋に入っていたけど、今日届いたのは白い紙袋の内側に日本盤みたいなポリ袋が付いている。
そして二枚組だったので心配だったレコードを入れるビニール袋にも入ってた。

レーベルの告知ページはここだけど、今はメンテナンス中のようで見られず。
すみませんが後ほど確認してください。

https://store.nghtrhthms.com/product/toshimi-mikami-quimai-2lp

 
そして手元に送られてきた中からピンクを10部とブラック15部を直売します。
送料込みで6300円ということにしました。

購入希望の方は     

までメールください。ピンクはすでに5部予約来ているので早いもの勝ちですね。
よろしくお願いします。

www.youtube.com

 

 

#アンビエント #アナログレコード #LP

本日アメリカで『気舞』のレコードがリリースされました。

待つこと1年半、私がかつて作ったCD『気舞』がアメリカのインディーズレーベルによって2枚組のLPレコードとしてリリースされました。
小さなレーベルなのでプレス数は300と少ないですが、そのうちの100は透明ピンクのディスクで、すでにソウルドアウトになっていました。
海外、とくにアメリカはカラーレコードが大人気なんですね。
日本国内では販売されませんが、少し送られてくるので手売りをする予定です。
レーベルが作った告知ページはこちらです。

store.nghtrhthms.com

国内でもぜひレコードやCDでの再発が出来ればと願っています。

これが100セット限定の透明ピンクレコード。

どんな音かはYouTubeにレーベルのサンプルチャンネルがあります。
ぜひいい音で聴きたくなってくれますように。
こんなコメントがすでに書き込まれています。
The long anticipated vinyl release day is here. Thank you for making the effort to press this masterpiece @nghtrhthms so we can also cherish it in physical form.

Toshimi Mikami (三上敏視) - Organic Music #1: Chi-Dance (気舞) (1996) [Full Album] - YouTube




私のCD『気舞』がアメリカで二枚組LPレコードになります

1996年に自主制作して2008年にインディーズから再発されたCD『気舞』がアメリカのNght Rhythmsから2枚組LPレコードとしてリリースされることになりました。
レーベルの告知ページはこちらです。

解説のテキストをAIで翻訳してみたものが以下です。

Night Rhythms は、三上敏視のとらえどころのない 90 年代のアンビエントの傑作「Quimai」(「Chi Dance」)の初のアナログ盤リリースを誇りを持って発表します。 1996 年に CD でリリースされ、2008 年に再び CD でリリースされました。この 2 枚組 LP バージョンは、彼のアルバムが日本国外で容易に入手できるのは初めてです。三上は「このアルバムは主に気功や太極拳、ヨガなどのBGMとして制作しましたが、さまざまなリラックスタイムに使っていただければと思います」と話している。音楽はこれらの意図的で瞑想的な訓練の実践を反映しており、広大なモチーフが安定したリズミカルな流れで運ばれます。ここに再録されたライナーのオリジナル CD バージョンからのメモの中で、三上の師であり元バンドメイトの細野晴臣は、20 世紀の音楽におけるアンビエント/「オーガニック」スタイルの進化を探求しています。 「目も耳も心も開かれた」と彼は書いた。これまでになかったことが、概念を超えて自然界の斑点にまで広がる可能性があります。アンビエント・ミュージックは意味を剥奪された音楽ではなく、細野の言う現代ポップ・ミュージックの「際限なく使い果たされた経済原理」とは区別され、むしろその意味は私たちの環境の継続である。それは、最も基本的な要素との関連で形を見つけます。

「Quimai」は、アンビエントニューエイジ、そしてクラシックなミニマリズムの交差点に存在し、世界的な楽器の穏やかな合成パレットが重ねられ、完全にオーケストレーションされた作品に組み合わされています。リラックスしているかもしれませんが、アンビエント ミュージックのような至福の「チューニング」ではなく、アクティブなリスニングを奨励する非常に集中した種類のリラクゼーションです。オープニング トラック「十六夜の月」は、その主張的な 6/4 パルスと際立った木管楽器とパーカッションにより、すぐにスティーライヒの作品を思い出させます。 「 Ai Ai 」も同様の足場で続き、それ以外は問題がなく疲れを知らない川から太陽光の破片が輝いています。 「たまゆら」の魅惑的なマリンバのオスティナートは、まるで水面上の出来事を下から見ているかのような、水中的な雰囲気を持っています。三上は、これまでのトラックに存在していた緊張感の名残を脱ぎ捨て、遊び心のあるガムランの姿をフィーチャーした気楽な曲「Saotome」でそれに続きます。根底にあるリズミカルな旋律はすべて、アルバムを締めくくる「天の小道」で消え去ります。この軽快な作品は、兄弟作品と同様の構造を維持しながら、ニューエイジの伝統に最も近づき、立ち止まることなく自由に呼吸しています。三上や他の実践者が、毎日の練習の最後の動作、つまり体は疲れているが柔軟で、精神はリセットされているところを想像することができます。


store.nghtrhthms.com

"SARUTAHIKO" KARAOKE VIDEO with Kagura scenes for LIVE by Toshimi Mikami

ぼくがライブでビデオ使って歌う歌は神楽の解説ソングが多く、普通の歌より専門用語が多いのでカラオケビデオにほんとのカラオケみたいに歌詞のテキストをのせてみました。このほうが伝わるでしょう、たぶん。
作業自体はソフトの発達で意外と簡単だった。PCが壊れて新しいものになったおかげか。
 最近作るビデオでは自分の音楽に神楽の生音も混ぜるのが楽しい。祭り空間はカオスだからね。潔癖症じゃなくてよかった😘
ぼくが神楽と出会ったのは今は亡き伊勢・猿田彦神社の宇治土公貞明宮司が始めた「おひらきまつり」と「猿田彦大神フォーラム」のおかげで、26年経ってようやくこの曲が出来た、時間かかった、という思いです。でもまだ先は長い🙄

 #kagura #神楽 #猿田彦大神 #sarutahiko

www.youtube.com