オールドタイム

アメリカで最も古い音楽。
アイルランドから移民した人たちがやっていたらしい。すでにアイルランドでは消えたらしい。
大草原の小さな家」でインガルスのお父さんが時々フィドルで弾いていたやつがそれらしい。

アパラチア山脈あたりが拠点らしい。フィドルバンジョーとギターあたりがメインで使われる楽器らしい。
新曲はなく、伝わっている古い曲をひたすら演奏するらしい。
足でステップを踏むクロックダンスはタップダンスの基になったらしい。
アイルランドのリバーダンスみたいに商業的に発達はしていない。

検索してもひっかからないジャンルである。

なわけで、演奏人口はとても少なくて日本でも数が数えられるほどらしいが世界中にプレイヤーはいて、ネットで連絡を取り合っているらしい。アメリカでは夏に大きなキャンプがあるらしい。

僕が京都で泊まりに行くK介はその数少ないプレイヤーの一人で、連れ合いのK子ちゃんも同じくクロックダンスをする。
MICABOXのロンドンライブにはそのK介にサポートミュージシャンとして行ってもらったのだが、オフの日にロンドン郊外の町のパブにセッションをしに行くと言うので付いて行ったら、初顔合わせの者どおしがすぐにセッションを始めていた。ネットで情報をゲットしたらしい。で、そーゆーところでは、だいたい「誰かの友達」みたいな感じですぐつながるみたいだ。

すぐにセッションが出来るのは「オールドタイムとして存在する曲が決まっているから」なのと「だいたいキーの種類も少なくて、使うコードも二つくらい。ワンコーラスもそんなに長くないから知らない曲でも付いていっているうちになんとか弾けるようになる」からのようだ。覚えるまで、あるいは飽きるまでそれを延々と弾いている。

17日も京都の「FIELD」というアイリッシュパブでそのセッションがあったから付いていった。近々アメリカに帰ってしまうというアメリカ人青年との最後のセッションになるかも、ということでいつもよりたくさん集まったということである。アメリカ人ねえちゃんもいて全部で10人以上になっていた。
フィドルバンジョー、ギター、ベースなど、この日も延々とみんなで同じメロディーとコードを弾いていた。「アドリブ」とか「ソロ」はないのである。僕も店にあったギターを渡されたので時々コードを弾いてたけど、ほとんどテレビ中継のワールドカップ予選のオーストラリア戦を見ていたな。


この自己表現全盛の「おれがおれが時代」にこんなセッションがあるのは貴重だなあ。
このジャンルはアメリカの大学とかで古い録音のデータをバンバン、ネットで公開しているのでそれをゲットするのも楽しいらしい。オリジナル新曲はないけれど、発掘される曲はあるようなのである。