@青山CAY

micabox2009-04-27

次はどうなることやら、と思いながら、なんと4回目となったデイジーの月例のパーティー、今回は29日に出る細野さんの歌謡曲BOXにちなんで「細野歌謡とお楽しみ」ってことで前半はカラオケ大会。
一般参加者も混ざってのコンテスト形式である。
実は、以前から高遠彩子の歌う「天国のキッス」というプランがあって、アレンジに挑戦しようとコードまではとっていたのだが、今回はカラオケ大会になるということで「アリ物」のカラオケでいいかな、という話しになっていたのである。
あれだけ完成されているオリジナルに迫るものが出来るのか、という危惧の声があったこともあるが。

しかし、直前の連絡で生演奏するグループもいるということで急きょ「アレンジできたらそれを使いたい」ということに。
僕の頭の中には「ザ・バンドが演奏したらどうなるか」という妄想と「出来そうだ」という直感が駆けめぐっていたのである。

で、「Up On Cripple Creek」のイントロを使って、バンド風のベースラインにガースみたいなオルガンをちりばめて、ロビーみたいなギターを弾いてみよう、ということでなんとか「それっぽい」カラオケが出来上がり、10年ぶりにストラトにオーバードライブをかますことになった。QUOTATIONSのエッグマンでのライブ以来である。

さて、そのデイジーの集いはまずシークレット芸人ゲストのウクレレえいじからスタート。「とんねるずのおかげでした」の超人気コーナーと言われている「博士と助手〜細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」で優勝したこともある芸人さんで、カラフルロスタイムショーにも出たこともあり、今回馬場ちゃんが呼んできたわけだ。
細野さんやお客さんとしてきていた原田知世さんのモノマネなども織り交ぜ、すごく受けていた。

そして細野歌謡大会へ。審査員は細野さんにざぶとん亭馬場ちゃんに、何故か出演者でもある高遠彩子。小さいながらドラが用意され、良くなかったら細野さんがドラを鳴らして止められてしまうという「ゴングショー」の趣向である。
一般参加者Aさんのカラオケ、ハミングキッチンの生演奏、一般Bさんのカラオケ、MICABOX+高遠彩子のオリジナルカラオケにギター演奏、一般Cさんのカラオケ、ワールドスタンダードの大所帯生演奏、木津茂理のカラオケと太鼓演奏、と7組ながら多彩な内容になった。
細野さん、途中でほんとにドラを鳴らして止めたし、カラオケがでなくてアカペラで歌ったひともいたし、展開もなかなか面白いものであった。結局優勝はアカペラでピンクのモーツァルトを歌った一般参加のCさん。手打ちそば職人でそばオタクの高遠彩子も食べに行ったことのある名店の人でまたびっくり、つーか、おもしろいもんだね、縁というのは。

僕が一番遊んだっていうか、ここでしかできないことをやったかな、という感じ。ミュージシャン仲間からはちゃんとバンドみたいになってたと認められたので嬉しかったが、マジ、もうやる機会はないだろうな。
細野さんが終わった後、ドラを鳴らして迫ってきたのも嬉しかった。逃げ回ったが、誉めてくれたと勝手に解釈。

後半はライブ直前の細野グループの公開リハという設定だが、その前にもう一組のシークレット芸人ゲストが登場。これも「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」で異彩を放っている「阿佐ヶ谷姉妹」だ。これはコネクションなかったものの、今回のテーマに合うだろうということで、馬場ちゃんが突撃オファー。あちらも「面白そうだ」ということで粋に受けてくれて、しかも細野歌謡ネタまで作って来てくれた。けっこう出演ミュージシャンにファンが多かった。

そして細野グループはいつものように細野さんの「ぼやきMC」と共にライブでやる曲を披露。とてもいい感じである。この日は客席に高野寛君やテイ・トウワ君なんかも来ていたんだけど、最後の曲のところで「教授ご一行さま」が到着。細野さんが「今日は坂本龍一が来るっていってたんだけど…、あっ、いたいた」なんてことで、終演後にステージに呼んで二人でトークが始まってしまった。お客さんはもちろん大喜び。

「坂本君、お笑いやりたがってたけど、キミには無理だよ」とか言ってると教授がちょっと面白いことして「やっぱできそう」とか。
音楽と演芸が融合しつつある空気がこういう瞬間にもふっと現れたぞ。
そして「YMO以外で二人で何かやるってことはほとんどないよね」なんて話しも出ていたのだが、そのうち客席から「二人で何か」という小さな声。おそらく高遠彩子だったのではないだろうか。
細野さん、それが聞こえたらしく教授に「そこにピアノあるよ」とか言い出す。「でも坂本君調律にものすごいうるさいからなあ」とも。教授も「この前調律で3時間またしちゃったもんね」と言いながらピアノをチェック。
その音を聞いて客席も「あ〜こりゃだめか」という諦めの雰囲気が。

でもここから絶妙なアメノウズメの力が働いて、無理強いするでもなく、嫌々やるのでもなく、なんか風が吹いちゃって教授が「ノルマンディア」弾くことに。細野さんも「僕もギター弾くから」ということで呼び水になったのだが、ほとんどソロでピアノを弾いてくれたのであった。繰り返しを省略したりとかはしたけどね。

これはえらいことですよ。

最後の数分しかいなかった教授にピアノを弾かせてしまう、このリラックスした空気、音楽の本当の楽しさを楽しめる時空を作ることが細野さんの望みであり、それを理解する仲間たちが集って実現してきた成果なのである。
何が起きるかわからない、このワクワク感もいいよね。
なんか最初から最後まできっちり決まったコンサートにはもう飽きちゃったよね。

この次も同じことが起きるかどうかわからないけど、みんなが同じ気持ちで音楽と人生を楽しもう、という気持ちで集えば、またそれなりのミラクルが起きてくるんじゃないかしら。
もうお客さんもそのあたり、わかってきてくれていると思う。
細野さんのお客さんはいい人ばっかりだよね。

おそらくこの夜の出来事は伝説になるだろうけど、それはまた別の話ですな。