@晋州

micabox2008-05-25

この日はソンス荘で目覚める。前の晩部屋飲みをしたので電気つけたまま寝ていた。でも二日酔いではない。

朝食は前日と同じ店だが今度はハマグリとモヤシの鍋、というスープで味は塩味。これがまたうまい。韓国ではモヤシの茹で汁をスープに利用するが
辛いのが苦手の人はホッとしたように食べていた。副菜に辛くないものも出るがメインメニューには辛いものが多いので、苦手の人はちょっとかわいそう。

この日は11時から僕のワークショップ「神楽説明会」があるので、それまで少し横になって休む。「神楽説明会」は神楽VJと同じでビデオを見てもらいながら説明するもの。一緒に神楽を見て歩いたチョンさんが通訳なのでシンポジウムよりはやりやすい。

会場は仮面の展示会の場所。地理的にメイン会場から離れているのであまり人が来なかったら…、と心配していたが20人くらい集まってくれて嬉しかった。しかもそのほとんどが女性である。神楽を研究していたり、民俗舞踊を専攻している学生が半分くらいかな。

このフェスの全体の代表であるキム・スヨプ先生が来てくれてますます嬉しかった。
あっという間の1時間半。
終わった後の質疑応答で湯立神楽について温泉との関係はあるのか?という質問があったのだが、これは韓国でも「千と千尋の神隠し」が人気で、神様がお風呂に入りに来ると思っているらしい。
日本でもそういう解釈をする人が出てきたが「違うんですよ」と。

それからキム先生、チョン先生、ばばちゃんたちと晋州で最も古いというピビンパの店で昼食。80年前からやっている店ということで、当時の日本的な建築物になっていて、たしかに懐かしい感じの店だった。
晋州はユッケを乗せる「ユッケピビンバ」発祥の地ということでそのユッケピビンバを食べることになったのだが、単品のユッケも頼んだらしく、出てきたのでビックリ。もうコチュジャンで真っ赤に和えてあるユッケだが、旨い!!
そしてこれが今回はじめてまともな牛肉を食べたことになるかも。いつもモツとか屑肉系のメニューだからね。

そしてメイン会場へ移動して有名な「統営五廣大」(トンヨンというところの仮面劇)を見て、伊勢大神楽。天気がいいので前日よりも人は多く、また大受けしていた。

夜は恒例のフィナーレで。ナムサダンの公演の最後の方で竹の旗を持った人たちが何人も舞台に出てきて、お客さんも交えてノリのビートに乗ってカチャーシー状態に、そしてそれがいつの間にか舞台隣の広場へ誘導されてますます人が増える。
そして飾られていた大きな面を降ろして神輿に乗せるような神事的なプログラムから大綱引き大会や人が入った獅子舞スタイルの「牛」二頭による闘牛などが続いて興奮のるつぼへ。時節柄韓国の牛がアメリカの牛に勝った、という予祝の内容にしたようだった。その間もノリは鳴りやまず、ろうそくの火を使った熱気球ちょうちんが夜空に上がっていったり、いろいろ面白いことをしている。

そして最後に面を燃やして「神送り」。三日間の仮面劇フェスはほんとうに感動のフィナーレを迎えた。大神楽の若い連中は韓国の女の子に大人気で、一緒に写メを撮る光景があちこちで。制服姿で一緒に踊っていた警備の若い警官も「感激した」と神楽の人に話しかけてきたりもしたり。

農民パワーを爆発させる農楽をベースにした「祝祭」の伝統が生き生きと感じられ、これを次世代へとつなげようとするチョン先生たちの努力と情熱、パワーに今年もまた圧倒された。美しい。

夜遅くに打ち上げの「交流会」がカムジャタンの店で開かれ、中国チームと一緒にめちゃくちゃ盛り上がる。テレビのチャングムの歌を中国チームが一緒に歌っている。中国でも人気なのね。

韓国仮面劇については以下を
http://blhrri.org/topics/topics_0077.html
http://blhrri.org/info/koza/koza_0101.htm