晋州仮面劇フェスティバル

この日の朝食のメインはスンドゥプチゲ。豆腐が旨い。3年前くらい前までは飲み過ぎて朝食をパスすることもあったが、去年からちゃんと食べるようになった。日本では朝食抜きの二食生活なので、体はビックリしているようだが、韓国ではこのスタイルの方が調子が良い。きっとこの食材の多い韓食との相性がいいのだろうな。でも寝不足なので部屋に戻って横になる。
この日は僕の「神楽説明会」の日。晋州文化研究所を会場としていて、「人が来ないかも」と言われていたが、若い人を中心にけっこう集まってくれて良かった。通訳は去年も神楽全体の通訳をしてくれたキム・ヒョサンくん。神楽VJの通訳は初めてだが、事前に僕の本を読んだりして準備してくれて、うまく通訳してくれた。内容は実際の南川神楽の様子で、やはり現場の映像にはみなひきこまれていたようだ。

そして昼食で、神楽のみなさんと合流。去年も来た韓定食の店。ここのご飯は石鍋で炊いてあり、そこの方は焦げ付いている。ご飯は別によそって、これにお湯を注いでおこげを柔らかくして食べるのが今韓国で人気なのである。

この日の公演は夜に1時間。神楽の前は中国の仮面劇。江西省から来た「南豊儺舞」なのだが、どうやら二つのグループの合同チームのようだ。これまで来た中国仮面劇は芸能主体だったが、この人たちは最初に神事のようなことをやって、信仰色があったのが嬉しかった。芸能だけでなく信仰も復活していくのだろうか。
日本の神楽と根を同じくするところもあるはずなので、ときおり体の動きとか似ていた。お囃子は単調で、これは漢民族の特徴なのだろうか。これまで来たグループもみなそうだった。少数民族の方へ行かないとリズムパターンは出てこないのかも…。また面ではチベット仮面舞の面に似ているものがあった。それはまんまるの目の面で、別のタイプはいわゆる中国っぽい細くつり上がった目の面で、この2タイプあるのに興味をひかれた。

南川神楽は連れ舞の「舞鬼神」、「弓の正護、連れ舞の「舞荒神」。全体的に静かな舞の多い南川神楽だが、弓の舞でクルクルと高速回転する部分では拍手がわいた。

無事に公演が終わり、またコムタンの店で夕食。そしたらこのフェスの「芸術監督」で釜山から来たチェ・ヒーワン先生の一行が店に入ってきた。奥さんも一緒である。神楽の人たちは食事を終えて宿に帰ったが、僕はヒーワン先生たちと最後まで会場で演目を見る。ちょうどムーダンのクッをやっていた。ムーダンの歌声のダミ具合がとてもいい。

この日のプログラムが終わったあとキム・ヒョサンくんと一緒に宿に帰ることになったが、ちょっといろいろ心労もあったようなのでグチでも聞いてあげようとピョンヤンピンデトクの店に誘う。
そしたらチェ・ヒーワン先生一行がいて、いつものメンバーが次々とやってくる。ヒョサンくんのお相手をすることは出来なかったが、ヒーワン先生とここで飲めて良かった。せっかくヒョサンくんがいるから話したいこともあったが、もうすでにベロベロになっていたので「通訳しないでいいよ手話で十分」みたいになって、手をつないで飲む(笑)。

ヒョサンくんには悪かったが、楽しかった。