ハリーさんと一緒の誕生日

micabox2008-11-26

@王子
東京ボーイズ仲八郎さんプロデュースの「ナカハチライブ」にゲスト出演をした細野さんのお手伝いをする。
2日前の市ヶ谷で声がかかった「急な話」で、楽器はアコーディオンになったのだが、東京シャイネスの後はあまりやっていないから練習する時間がなくて心配だ。
何をやるかという連絡も前日の夕方まで来なかったので「予想して」練習。二曲くらいということだったので「ピストルパッキンママ」と「ポンポン蒸気」の予想が100%見事的中。外れなくて良かった。

そして前日の電話では「ろっかばいまいべいびい」でコントをするから、というオマケも。
実は数年前に立教大学の講義でちょっと二人で演奏したことがあったんだけど、その時すぐ隣で弾いていたアコーディオンの音が大きくて「うるさい!」ってどなられたのね。
それを元にしたネタで、僕が弾き始めると「うるさい、離れて」と言われ、離れて弾くと「まだうるさい、もっと離れて」と言われ、ついには舞台から消えるというもの。そしてその次は舞台の反対側からまた出てくるという仕立てである。
細野さん、お笑い好きだからけっこう楽しんでいる感じで嬉しかった。

さて、当日楽屋入りしたら「幸せハッピー」もやろうかな、と。想定内ではあったけどそんなに曲数あるとは聞いていなかったので練習していなかった。だって「ポンポン蒸気」がすごく難しかったのだ。
東京シャイネスではバンドだったし、コーラスはほとんど惣ちゃん(鈴木惣一郎)がメインでやってくれてたから気楽だったのね。でも今回は二人きりなので演奏はちゃんとしなきゃいけないし、細野さんが歌わない部分は歌わなきゃいけないし、練習のほとんどは「ポンポン蒸気」だったのである。
でも今回の「幸せハッピー」は演芸でよくある形式のメロディーを弾いて歌にかぶせるというシンプルなやり方にしたい、とのこと。メロディーがあって和音があってコード進行があって、という音楽のスタイルは取っ払いなのである。
ここでもお笑いのステージに立つということを楽しみ、かつリスペクトをしている様子である。さすがはウチの師匠。あらためて尊敬するなあ。


さて、リハではネタをやるとは舞監さんにも言わずに粛々と曲を進める。「幸せハッピー」はキーはDでやったが「低いかな」ということでFに変更。もともとFでやっていたから楽勝だし、メロを弾くのでダイジョブだ。
リハを終わって楽屋に戻ったら突然林家三平の「よしこさ〜ん」の練習を始めた師匠。「せっかくだから「ろっかばいまいべいびい」を「ダイナ」じゃなくて「よしこ」にしようかと思ってさ。前から使いたかったんだ、この歌」だって。
やるなあ。
ということで「ろっかばいまいべいびい」のエンディングは「よしこさん」に決定。後にも先にもないだろうな、このバージョンは。それから「ピストルパッキンママ」も日本語の歌詞をつけてた。これはこれからもやるでしょう。

てなわけで、リハでやんなかったバージョンで「細野晴臣トーク&ライブ」のコーナーは進行。大ホールにびっしりのお客さんからも笑い声が聞こえてきて嬉しいぞ。僕もコミックバンドに憧れていたから細野さんと一緒に笑いをとるなんて感無量である。しかもこの日は僕の誕生日なのであったのだ。


さて僕らは第1部の最後の出番で、終わると「中入り」。この時間になってやっと二部に出るもう一人のゲスト立川志の輔師匠が楽屋入り。見て欲しかったなあ〜。

終演後近くで打ち上げ。ファンも一緒の打ち上げの席に偶然友人カップルを発見。彼らは僕が出るなんて知らないし、僕もここで会えるなんて。なんか縁って面白い。志のさんが「今日、ほそのさん何歌ったの?」って聞くから教えたら「うわあ、幸せハッピー、聞きたかったなあ、と風邪気味の声でのたうってた。

こんな打ち上げになるとは知らなかった僕の弟子が誕生日ケーキを用意していたらしくって、細野さんを通してナカハチ師匠にこれが伝わり、なんと打ち上げ会場でケーキを登場させてくれるという粋な計らいとなって、皆さんに祝ってもらうという「信じられない場面」となる。いやあ、感激。ローソクの日を吹き消すのに鼻息で消そうとしたら風邪気味なのを忘れていた。鼻水が出そうになってあわてて口で消す。

まったくありがたいことである。細野師匠、ナカハチ師匠、六郎師匠、志の輔師匠、みなみなさん、ありがとうございました。
これでまた生き延びられそうです。