細野さん授業
細野さんは多摩美術大学芸術学部の客員教授である。
だから年に二回くらい音楽の授業をするのだ。
二回くらいしかしないので、あとはどうするかというと、ぼくたち子分が授業する。
僕も9月から10月にかけて4回授業をした。
さてこの日は上野毛キャンパスでの今季初の細野さんの授業。
狭い教室に50人くらいいる。
この授業をとっている学生は20人ほどだ。
僕の授業にはだいたいいつも10人くらいしか来なかった。
細野さん自ら出席をとったら返事をしたのはやはり10人くらい。
あとは授業はとっていないが、授業があることを知っている多摩美の学生と
ぼくたち関係者、そして中沢先生とその関係者ってとこだろうか。
今回は日本の音楽とアメリカというテーマで、
大恐慌の頃の音楽から戦後歌謡曲まで、いろいろ音を流しながら
DJ授業である。
最近、日本の若者の「音楽を聴く能力」が落ちていることが気になっていたのだが、
細野さんも同じ感じを受けているようで、はっきりとは言わなかったが、
「こういうルーツの部分からいろんな音楽を聴いて欲しい。今の人ならいくらでも手に入れられるのだから」
と言っていた。
それはミュージシャンにも言えてて、アマチュアリズムは大切にしなけれゃいけないが、
深めることナシに、安易に作品にしちゃう傾向も感じるんだな。
小咄くらいを並べてる感じ。
ま、世の中全体がそうなんだろうけど。
終わったあと、関係者でおしょくじ。
イタリアンだったのでワインを飲みつつ歓談。細野さんはコーヒー。
教室にいた一般人は中沢さんの仕事の関係の出版社の人や編集者が多かったようだ。
今日の授業もどこかで活字になるのかもしれない。
そしていつになくゴキゲンの中沢さんが
「三上君はモテるだろう。モテるよ。口が火野正平そっくりだ」とおっしゃる。
火野正平と言われたのは初めてだし、実際はモテてないし…。
…学生とモンダイおこしちゃダメよ、と言いたかったのかな。
そんな心配ないのにさ。おら小心者だぼの。
ま、それほど嫌われてはいないと思うけど、モテてる実感はないので
やっぱしモテたいぞ!!
多摩美の学生以外でね。