久しぶりの松山

micabox2007-08-04


前回は何年前だっただろう、小倉からフェリーに乗って早朝松山港に着き、伊予西条へ走り、峠を越えて高知県に入って初めて土佐・本川神楽を見に行った時のこと、松山で道後温泉の営業が始まるまで車で待って温泉に入っただけなので、滞在するのは初めてのことである。

歌人笹公人くんが正岡子規記念館のイベント、子規生誕140年 「新・道後寄席〜歌のちから〜」というイベントの第二夜にメインゲストで出演、同じく歌人枡野浩一氏との「奇才二人」のトークの他に音楽とのコラボレーションというコーナーがあり、そこを笹君と二人でやるために松山入りした。
俳句が主流の松山に短歌の風を吹き込もうと言うことで、ちょっとキケンな歌人二人を呼ぶとは主催者もなかなかわかってらっしゃる。

音楽の方は、ちょうど最近よく歌っている「Kamiuta」が短歌形式の歌詞なので、まずそれを歌い、笹君がいつも朗読している「魔除け少女」を太鼓でサポート、それからお客さんに年配が多いだろうということで、ちょっと歌謡曲っぽい「燕」を歌ってから、今回の書き下ろし二曲へ。

まずは寺山修二の短歌の朗読にBGMをつけたもの。「恐山」というテーマの歌なのでちょっとドロドロとしたかんじの音を作り、ライブでは手平鉦をこすったりたたいたり。
笹君も張り切ってYMOシャツを着たりして、アヤシい。

ラストはせっかくだから正岡子規の歌に曲をつけようということで作った「われは」。8首からなる作品で、歌、朗読、歌、朗読…というふうな構成にしたのだが、これがまずまず好評で肩の荷が下りた感じ。450人のお客さんもなんとか喜んでくれたようだ。歌っていたらどんどん好きになってきたので、ちょっと編集しなおしてからレパートリーに加えてもいいかも、と思った。

松山の人は自称「のんびり」なのだそうだが、松江に雰囲気の似たこの町は文化度が高く、このしみったれた時代にこのようなイベントをやってしまう松山市はなかなかのものである。有名な道後温泉本館も市の経営だということで、なんか面白い町だと思った。