中国報告1

昨日はシンポジウムの初日。開会式があったが、中国語をわからないのは僕だけ。国際シンポジウムだけど、韓国からの三人はいずれも中国の研究もしているので中国語が話せるし、あとは台湾、シンガポールなどからの参加者だけだった。

ひとり15分しか持ち時間がないので、時間がもったいないから僕はビデオを流すだけで、コメントも通訳の王景ちゃんに訳したものをしゃべってもらうことにした。12の場面を合計13分30秒にまとめるのが大変だった。
やはり日本の神楽の映像は珍しいらしく、あまり鮮明ではないスクリーンの画面を何人もデジカメで撮影していた。
各発表に担当教授から評論があるのだけれど、僕については書いた原稿を含め、かなり評価してくれた。
中国語を覚えて中国で神楽VJツアーをしよう、なんては気力はないけれど、需要は掘り起こせばあるだろうなあ、これから。

で、来てみてわかったのだが全体的に発表内容は「京劇」のものが多い。古い芸能のことも少しはあるようだけど、なにしろ言葉がわからないから分厚い論文集の簡体漢字を見て想像するのがやっとである。
でも、国家に縛られていた芸能をもっと現実的な表現にするべき、みたいな今の中国では勇気のある発言も出ていたようだ。

通訳の王景ちゃんは杭州大学の院生で、日本の学生と同じ雰囲気で日本語を話す頼もしい存在なのだが、僕の発表の時しかいられなかったのである。とてもかわいらしい子でもあるのでいてほしかったけど、なんか今は杭州に住んでいるわけではないらしく、3時間かけて会場に来たそうだ。
韓国だとけっこう日本語を話す学生がいるのだけれど、中国では英語を話す人が一人いるだけで、その人がいないと段取りもわからない。今日は出番がないから散歩でもしようかと思うけど、ホテルは杭州中心部から離れたところにあるし、かなり空気が悪いし、臭いも気になるのでたぶんホテル近くをうろついて終わるだろう。
外では朝の五時くらいから工事を始めるし、ほんとに高度経済成長中の様子だ。

なので楽しみは食事だけなのだけど、宿泊とシンポジウム会場が同じホテルなのでほとんど同じ食事が続く(笑)。料理の品数は多いが団体用の料理らしく、一部の食材は「余った部分」が使われていて、骨付きの肉は要注意だ。と思っていたらやはり歯を折ってしまった。実は夏に歯を一本折ってしまって、来る直前に歯医者の友人に強力ボンドでくっつけてもらったのだけど、気がついたらなかった(笑)。飲み込んでしまったかと思ったが、皿の上の骨の中から発見、無事救出した。

料理は広東料理のようなのでくどくはないし、川魚の蒸し物など、時々「これは旨い」と思うが、昼食も夕食も大半は同じメニューなので、さすがに飽きてきたぞ。やはり料理は韓国料理の方がぼくにはフィットする。

ところで、着いた日の夕食では出なかった酒だが、ゆうべは出てきた。しかもいきなり老酒である(笑)。せっかく浙江省に来たのだから紹興酒が飲みたかったが、しかたがない。小さなワイングラスに注がれた38度の老酒を2拝飲んで、ゆうべの飲酒はすべてだったが、前の晩酒を抜いたのでそれで十分。シンポジウムが終わる今夜の方が恐ろしい(笑)。