隠岐島前神楽

23日、隠岐島前に入る。4年ぶりの焼火神社はいつもと変わらぬたたずまい。
今日は例大祭の日で氏子のみなさんに混ぜてもらって直会から参加。直会は普通祭りが終わってから行うのが普通だけど、ここは祭典が午後8時からでそのあと島前神楽の奉納があるために先に済ませてしまうのである。
お膳が並べられ、手作りの美味しい料理をいただく。御神酒も少し(笑)。

そして祭典では神楽の人たちがお囃子で伴奏をするのだが、神楽とは違うリズムパターンがあって、面白い。太鼓の叩き方も変わるのである。祭典用のお囃子なのだろう。
そして神楽の一演目が拝殿で奉納された。この日は少女による巫女舞。10年前は長老による神途(かんど)舞という清めと神迎えの性格の舞だったが、最近は女の子のメンバーが増えたみたいなので、出番を用意したということかもしれない。
ちゃんと舞っていて感心した。
ちなみに島前神楽には今、神楽の申し子のようなレン君という8才の少年がいてすでに舞もちゃんと舞えるようになっている。漣君みたいになるのかな(笑)

そして祭典終了後に社務所で神楽の奉納。神途舞、巫女舞、幣舞、先祓い、随神、恵美須という演目で2時間ほどの時間だったが、濃密な神楽に一緒に行ったツアーの参加者も満足そうだった。特にリーダーで師匠の石塚さんが久しぶりに舞ったという先祓いはキレがよく、迫力もあって神楽のメンバーにとっても貴重な機会だったようだ。
この日は神社に泊めてもらうので。終わってから石塚さんや松浦宮司さんたちと話し始めたら盛り上がっちゃって、2時近くまで飲んでしまった。
翌朝はワークショップ。お囃子と舞の基本を教わる。ツアー参加者のモチベーションが低かったら失礼なのでその場合はナシにしようと思っていたら、女性3名が前向きで1時間、楽しい時間を過ごした。

その後、神仏習合だった焼火神社のもうひとつの顔、雲上寺の法要があるということで、島の真言宗のお坊さんが女性信者二人を伴って法事を行うというのでこれにも参列させていただく。神社の拝殿に仏壇があり、ご本尊地蔵菩薩を中央に薬師如来阿弥陀如来の三体の仏像がご開帳になった。地蔵菩薩は鎌倉あたりのものとのこと。真言を繰り返すときにお坊さんと女性の声がちょうど5度の和声になって気持ちが良かった。宮司さんが焼香して、最後にお坊さんが神社の祭神に祝詞を奏上するという、今の神仏習合の姿が見られて面白かった。お坊さんの祝詞の上手なこと。

そしてその日の午後は島前観光。初めて遊覧船に乗って海から国賀海岸など見る。夜は隠岐シーサイド鶴丸という宿に泊まり、美味しい島の食事をいただいた後、大広間で僕の神楽ビデオジョッキーをした。島の人や神楽の人たちにも見てもらいたかったが、あまり来てもらえず残念。でも松浦宮司さんに見てもらうことが出来ので良かった。
参加者は21才から82才という61才の幅のある顔ぶれだったし、中味の濃い2泊3日でありました。