隠岐島後 伊勢命神社例大祭と久見神楽

7月26日11時半に隠岐島後の西郷港に参加者集合。七類港からのフェリーはけっこう混んでいて同行四人のうち三人が乗ってたけど気が付かなかった。ほとんど寝てたし。

レンタカーを借り、前日入りした長本かな海嬢の情報で創生館というところで食事。「隠岐そば」が主体のメニューであったがそば自体は田舎そば過ぎるかんじ。

ぼくはそばだけだったけど、定食には醤油を塗った岩海苔を巻いたおにぎり「爆弾おにぎり」も付いている。
ここは資料館と併設の施設なので恒例のビデオ鑑賞。島の自然と「隠岐古典相撲」と「牛突き」などがわかりやすく紹介されるので初めての人がいる時は寄るところだ。

そしてリクエストで「壇鏡の滝」へ。ぼくも入り口までは行ったことがあるが滝まで行くのは初めて。水量が少なかったけどなかなかいい滝だった。

そして伊勢命神社へ。ちょうど祭典が終わってお神輿が御旅所へ運ばれるところに間に合う。甲冑姿の人が巡行のルートを走って行ったり来たりして、おそらく邪切りのようなことをしているのだろう。土俵入りみたいな動作もある。猿田彦もいるのだけれど先頭を歩くだけで先祓いのような所作はない。


御旅所はすぐ近くだけど、竹を組んで雰囲気のある斎場が作られていた。向かいには獅子舞の舞台も。14年前に見た時はこの獅子も行列に加わっていたけれど今回は舞台に置かれていた。珍しい緑色の獅子である。
神事が始まり、巫女舞が始まると獅子舞も始まる。お囃子も双方に付くから音が混ざり渾然一体となってクラクラするぼくの好きな「祭り空間」がそこにはあった。




巫女舞、獅子舞が終わってから五箇温泉へ。汗を流してから西郷の方に戻ってスーパーで弁当やら惣菜やら酒やら食料調達。もう誰もいなくなった神社の境内に戻って宴会第一弾。今年は縁台が増えていたので助かる。

境内での食事(宴会?)を済ませてから、神社近くの八幡昭三さんのお宅へ伺う。ここでは去年も一緒に行った山本顕一さん、阿部さなえさん夫妻が先に来ていて合流という形に。久見は竹島に漁に行っていた漁港の集落で、八幡さんは竹島のニュースがテレビで流れるたびにインタビューされる、その代表的な人物。竹島の漁場の手書きの地図は資料館でも使われている有名なものだ。
息子さんの浩二さんは「隠岐ジオパーク」のリーダー。世界認定に向けてがんばってて、あと少しのところまで来たらしい。ジオパークは全国あちこちで動きがあり、一種流行みたいな感じだけど世界認定になるのは隠岐が最初になるかも。
大注目ですよ。
ぼくが佐渡に縁がなくて隠岐との縁が強いのもこのあたりにあるのかもしれない。
http://www.oki-geopark.jp/

とにかく話を聞いていると、隠岐が不思議な島であるということがよく分かる。南北の植物が一緒に育っていたり、原種があったり。めちゃくちゃ簡単に言うと、列島で植物が全滅した時に隠岐に避難してきて生き残った、というような。
また、だいぶ前に捏造騒動でダメージ受けた旧石器文化研究も、さいきん隠岐で「そこで採れた石で作った石器が発見された」ということでこれから話題になりそう。

八幡さんは八幡黒曜石店としてもともとはここで取れる黒曜石でいろいろグッズを作っていて、それもとても素晴らしい。すごく人気があるので待っている人も多いとか。

毎年、久見神楽の時はお邪魔しているんだけど、14年前の表祭りの時はまだ知り合ってなくて、いつも祭のない久見神楽の時に話を聞きに行っていた。だけど、今年は祭があるので八幡さん親子も上下姿でお祭りに加わっていたため、今年は神楽の始まるちょっと前に伺った。祭りが終わって汗を洗い流して、ということを考えたらいつものようには行けない。念のため電話してみたらやはり遅めがいいな、ということだった。

それでもお父さんが釣ってきたばかりのヒラマサの刺し身やサザエ(まるごと刺身w)をたっぷりごちそうしていただいた。

21時半過ぎに八幡さん宅をおいとまして伊勢命神社へ。神楽はすでに始まっていたけれど人はそれほど多くない。だいたいテレビ見てから来るようになってるのがどこでも同じかな。
ムシロを敷いたところに陣取ってビデオ撮りながらユルユルと神楽を楽しんだ。



今年は前半儀式舞が多く、巫女舞が22時40分頃で、先祓いの意味合いもあるはずの猿田彦が出てきたのは01時半過ぎだった。インターバルも今年は長かった気がする。


そして神楽殿の壁に番組表が貼られることもあるけれど、今年はそれもなかったのでなんの舞だかわからないものも多かった。さすがにエビスはわかったけど(笑)。去年は「御注連行事」という復活させた演目でかなりの時間が取られたから今年はいろいろ見られるかなと思ったんだけど、数は少なかったかもしれない。

この夜は参加者の一人、土肥さんの虫除けスプレーを使わせてもらって蚊よけ対策をしたんだけど、靴を履いたままスプレーしたのでムシロの上では裸足となり、スプレーしていないところをかなり刺されて痒かった。靴脱ぐことをスプレーした時点で想定し忘れてたわけです。このへんの行動の詰めの甘さはいつまでも治らないね。

時々うたた寝したりして楽しんだ夏の夜通し神楽は今年も05時半頃に終了。僕が大ファンである巫女さんは「なみちゃん」という名前であるということがわかった。だってしつこく「なみちゃ〜ん」と声をかけて写真撮ってたおじさんがいたから。
何年も通っていて今頃知るなんて遅いでしょ。ぼくは基本的に「知りたがり」ではないので「?」が出てもめったに訊ねない。だからジャーナリストにも学者にもなれない。


終了後、参加者の希望を聞いたら早めに島前に渡りたいということだったので、朝一でレンタカーを返し、8時半のフェリーに乗って朝ビール飲んで爆睡。