早池峰神社例大祭

朝9時にホテルを出て10時前には岳に着いたが、すでに下の駐車場も満車。とりあえずツアーメンバーを神社近くで降ろして駐める場所を探したら、運良く上の駐車場の裏に一台分の空き発見。
この日は各地の弟子神楽も揃っての「お通り」があるからその人たちが早く来て駐車場がいっぱいなのである。

神社の拝殿では神事が行われていて、境内はお通りのメンバーでびっしり。真ん中には御神輿と、巨大な獅子頭が「お通り」を待つ。白い装束の氏子の人たちが中世っぽくていい。権現さまもたくさん。こどもたちも大勢。

拝殿での祭典ではまた権現舞。祭典で一曲舞うのは隠岐の焼火神社にもあった。そして祭典が終わると白紙で口を覆った宮司がご神体を隠しながら抱えて出てきて御神輿に収める。そして猿田彦を先頭に神輿渡御の「お通り」がスタート。急な石段を下りて岳の集落を通り抜け、近くの御旅所へ行くのだ。

神楽の人たちは子どもたちと一緒に境内で一舞をして後に続き、集落の路上でも舞う。この雰囲気がいいんだなあ。そして御旅所でも権現舞。岳と大償がそれぞれ奉納した。

この間も神楽殿では弟子神楽が神楽を奉納していて、それを見る人も多い。この時間帯はかなりの持ち時間なのでやり甲斐があるだろう。
早めに戻ってこれを見ていたら石鳩岡神楽の人たちが来た。今日は大償神楽と岳神楽の間に少し奉納するのだそうだ。たのしみたのしみ。

しかしこの日は気温が上がり、社務所の中にはアブがブンブン飛び回り落ち着かない。みんな素手で叩いたり、団扇で叩いたり、あちこちで悪戦苦闘。僕も新聞紙で作った張り扇で対抗するが数カ所やられる。
これにはまいたったなあ。
昨夜のおせっかい野郎はこの日はいなかった。その程度のものだったのだがもしいたら、アブをバシバシ叩く音に「うるさい!!」って言ったかしら(笑)

石鳩岡神楽は3時頃の出番。「五穀舞」と「権現舞」らしい。ちょっと楽屋にお邪魔して、始まってから舞台の裏で撮影していたら岳の人に出されちゃった(笑)。しょうがないね、こりゃ。

韓国人カメラマンは、ただ撮影を頼まれてきただけなのだが、だんだん血が騒ぎ出したようで熱心に撮っている。普段はコンサートの撮影とかがメインで楽をしているといっていたが、追っかけ方とか作家っぽくてうまかったな。なんと、多摩美の映像・演劇を出たのだそうだ。

石鳩岡神楽の奉納が終了後、彼がインタビューしたいというので石鳩岡の会長、菊池さんと、大償の佐々木さんに引き受けてもらう。
早池峰神楽とは何か」「大事にところは何か」というところに二人とも「強い信仰心が元になっているところ」と答えていた。
大償の佐々木隆さんはファンが多い舞の名手で、僕も8年前の権現舞を見てすっかり魅せられたのだが、なんと今年で80才だそうだ。どうみても60代、舞っているときには50代にさえ見える。
これも邪念がないからかな。

参加メンバーでこの日のうちに名古屋まで帰らなければならない人がいたので大償の権現舞のところで神社を後にし、新花巻駅へ。
みんな楽しんでくれたようで良かった。

ぼくはまた一人で秋田まで車を走らせる。
秋田から新花巻駅まで往復290キロくらい。新花巻から早池峰神社までが34キロとして2往復で128キロ。計418キロは走ったはずだが、ガソリン入れたら16.6リッターだった。3ナンバーでリッターあたり25キロ超!さすがはハイブリッドカーだなあ。