報道するラジオ 3月22日

今日は送られてきた「報道するラジオ」の永岡さんの書き起こしを貼り付けました。

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 永岡です、報道するラジオ、今週も水野晶子さんの司会、毎日新聞ほっと兵庫編集長の平野幸夫さんの案内で放送されました。原発の停電、29時間冷却なし(泣)のことです。

 前半の特集は福島原発の停電事故、今回のことを東電は事故と言わずに「事象」といい、平野さんも事の重大さを矮小化しようとしていると言われました。

 そして、この福島停電事故について、小出先生のお話がありました。 これについて、上田崇順さんが福島に行かれて、現地の模様を報じられました。上田さんは、福島の地元の方のところにおられて、いわき市に上田さんおられます。原発から40km、停電は地元FM局で取り上げて、しかし「ローカルの方が取り上げ方が小さい」、情報をテレビで知った人が多かった。公表も3時間遅れて、自治体、東電の緊急連絡はなく、みなさん今回のこと、体では花粉症が大変となり、放射能は見えず、情報の伝わり方、こんなもの、マンネリ化している、しかし憤る人もあり、温度が規定以上なら逃げないといけない、福島の人を馬鹿にしている、原因はねずみか、それも怪しいとの声もありました。

 原発内の作業員、配管、タンクも仮設のまま(泣)、整備しないといけない設備が放射線で放置、保安設備は全部仮設(泣)なのです。今日も中で仕事をしたひと、汚染粋タンク、鉄をボルトで止めて、溶接なし、漏れるタンクもあると言うのです。それほど急いだ仮設だというのです。

 停電、冷却システムに影響したので大騒ぎだが、停電は今までもたくさんあり、配管もタダの耐圧ホース=仮設ホースであり、何人か、急遽土日出勤、何が中であるか分からないのです。

 昨日震度3の地震があり、ちゃんと情報を出して欲しいというのです。
 小出先生、これを聞いて、「現地の人のことが目に見えるようだ」と言われ、仮設のものだらけについて、2年経っても無理、「こんな事故を誰も想定しない」+4つの原子炉が融けることは過去にないことで、これを収束させないといけない、現場は下請けの人が苦闘し、大変な被曝環境、すぐに本格的なものは出来ない、仮設仮設で対処するしかないのです。リスナーより、バックアップは出来ないのか、3・11は停電がアカンとわかったのに、その教訓はとの指摘もあり、小出先生、仮設の配電盤、これもトラックの荷台で現場は被曝(300マイクロシーベルト/時間、管理区域基準の5000倍)、放射線管理区域、小出先生のところでも高線量区域が20マイクロ、それが300、労働者なら普通は行かれない、トラブルがあっても見られない、修理は無理、「バックアップはいるが、出来ない」のです。たこ足配線のこと、平野さんよりこれしかアカンのかと聞かれて、小出先生、あまりに過酷な事故であり、事故は落ち着いていない、全く違うのです。「仮設以外のものを備えられない」のです。

 今回は大気への放射能放出はなかったので、通り過ぎたように思えるが、最悪ならどうかと聞かれて、小出先生、使用済みプールの冷却アウト=大変深刻、事故から2年、使用済みプールの崩壊熱はかなり減っている、そのため仮に冷却が止まってもプールが干上がるのに余裕はあるのです。4号機は65度を越すのは4日、しかし65度なら人はやけどする(泣)、大変なことであり、しかし100度で沸騰したら、3・11はともかく水を入れようとした、そのときより崩壊熱は減っており、小出先生は余裕はあったと思うのです。今回のことだけなら、まだ良かったのです。しかし、いついかなる時も乗り切れるかは不明、バックアップもいるが、被曝を伴う作業で、ロボットでは代わりはできない、ロボットは教えたことしか出来ず、わからないことをやれないのです。そうすると、冷却装置停止に8800本の核燃料…あれもこれも仮設、ねずみの仕業として、ねずみ1匹で不安なことについて、「仕方ない」、事故は収束していない、ただ水で冷やすしかない、いつ崩れるかも知れない4号機のプールも手をつけられない、ようやく今年の暮れに手がつくのです。
 平野さん、東電の情報隠蔽について聞かれて、直後に規制委に言ってもメディア、県には言わなかった、規制委も発表しろと言うべきかと聞かれて、「マスコミも東電の発表を待たず、積極的に情報を得ないといけない」のです。

 地元の人、避難に時間のかかることについて、菅長官は心配ないというものの、国は間抜けた人、事故当時もそうであり、今回は余裕はあったが、思わないことが今回も起きて、危機感を持って対応しろ、情報を早く住民に知らせないといけないのに、知らせない、「日本の政府に能力なし」、自民党は反省しないといけないのです。

 東電の、原因はねずみということ、小出先生は東電の説明に合理性はあり、しかしねずみ1匹でこの始末、それほど厳しい現場であったのです。防ぐには電源の二重化、配電盤をちゃんとしたものをもっとましなところに置くべきであるが、出来ないほど厳しい現場なのです。平野さん、政府の言うことは批判し、30,40年の値ではなく、30,40年経って使用済み燃料を処理しても、まだ事故は続く、何十年も放射能の拡散を防がないといけないのです。リスナーより、収束作業何十年に気が遠くなるとあり、また「同じようなことは他の原発でもあり得る」、自民は安全と言って原発を54基つくり、実際に事故が起きた、「どんなに政府が安全のおすみつきを与えてもダメ、福島だけの問題ではない」。世界の地震の10%が日本にあることを深刻に受け止めないといけないのです。以上、小出先生のお話でした。

 続いて、4月から始まる新生児の新しいタイプの出生前診断について、北里大学の高田史男さんのお話があり、また世界ダウン症の日のイベントを取材した千葉猛さんが、その報告をされました。

 安易な中絶にならないかについて、小児科医、遺伝の病気のカウンセリングをされている、高田さんのお話です。出生前診断について、日本への導入は、ニーズがあり、今までの検査と異なり、今までは羊水を取っていたが、妊婦のおなかをさすのでリスクあり。新型は、血液を採取するのみで流産のリスクなし、アメリカでも広がったのです。これにより、胎児の染色体異常も分かり、ダウン症、知的障害、心臓疾患もある、弱く、長生きしにくい。知的障害にも幅があり、重度な人〜大学を出た人もいる。心臓のことも助かることがあり、ダウン症が長生きできないのが変わり、60代くらいは生きられる。70まで生きる人もいて、20までしか生きられないのから変わったのです。社会の理解が進んでいない、そこに子供が置かれているのです。それが大きなポイント。検査のメリットは、陰性と出たら安心していい、陽性と出たら(確立は低いが)、染色体の異常とすぐに言えず、その後の羊水検査が必要で、この検査だけで陽性だからダウン症となるのではないのです。新型診断、慎重にやるべきで、産婦人科・小児科の団体が提言して、専門の医者は少なく、遠いところにいかないといけないのではない。高田さん、遺伝カウンセリングを長年されて、出生前診断のカウンセリング、心理カウンセリングと異なり、知らないことで間違った判断、不安が多くなり、正しい情報を提供して、カップルが納得できる正しい情報を出して、結果は悩む場合もあり、それに寄り添い、選択肢を提示していくのです。病院の5分10分の診断ではなく、1時間はかかるのです。
 胎児がダウン症の確率が高い場合、両極端だと、障碍児はいらない、自信がない、中絶したい人もいて、しかし不妊治療の結果できた命である場合もあるのです。幅は広いのです。中絶には理由もあり、高田さんの立場だと、知らないことが原因、ダウン症の具体例を知らず、所見を知らず、分からないけど怖い、無知から来る忌避感があり、検査せずに生まれた子がダウン症ならショックであるが、それから育てているのです。

 知ると変わるのです。知らないことがいけないのです。

 千葉さん、取材をされました。昨日、3月21日は世界ダウン症の日。ダウン症の人と家族の、安心して暮らせるようにとの日で、国連の決めたもので、世界でイベントがあったのです。その中で大阪で行われたダウン症、家族のまなざしという、大阪スカイビルで行われているものがあり、ダウン症の人の楽器演奏ライヴもあったのです。一体感のあるコンサートであり、ダウン症の子供たちも聞きに来ていました。小さい子も来ていて、子供たちを見つめる大人の目がやさしくてあったのです。その中で、出生前診断について、ダウン症の子供の父親、母親に聞いて、受けたいと思ったが、この子を産んで、ダウン症の子を産んで不幸ではない、子供がいることで家族も成り立つ。歩くのも遅いが、立った時に涙も出る、徐々に追いかけて、手助けしたら生きていけるとの答えで、この子を産まなかったら出生前診断を受けたかも知れない、生まれる前と後で異なるのです。主催者はダウン症で何が悪いのかと言われるのです。傷害は不便ではあるが、不幸ではないと、ダウン症の人が行きやすい社会は健常人にも生きやすいと言われます。子育ては健常者でも同じ、一緒に暮らしたらよく分かると主催者の人はいいます。この写真展、あさっての24日までやっています(スカイビルの空中庭園の入場料はいります)。3月21日がダウン症の日、染色体の一部に変化があるためなのです。

 今日は、多くのダウン症の家族と会ってきた高田さん、日々同じことを聞く。生まれてきてくれてありがとうであり、リスナーより、63歳の主婦の方、ダウン症を治療できるなら診断の必要はあるが、治療法がないなら母親はどうすべきかと質問があり、高田さん、答えは厳しい、染色体3本を2本にする治療法はなく、しかし染色体が多くても生きていける、輝ける命であり、素晴らしい子供たちであり、夫婦喧嘩の間に入ってくれる、この子のために夫婦円満になるのです。しかし、出生前にダウン症とわかったらどうすべきかについて、高田さん、何を伝えたいかについて、大事なのは、決めるのはカップル、前提で気分だけで受けるのではなく、正しい判断により考え、病気がある=不幸というステレオタイプの概念ではなく、病気があっても幸せな場合もある。外見だけで幸せになるのではない、ダウン症の子、遅れて首が座っても幸せに感じる場合もある。不幸のステレオタイプ差別意識による。子供を作る=覚悟、親はできることをする、生まれる前のことが分かるようになり、生まれる前の覚悟、意思表示は胎児は出来ない、その覚悟が要る、昔より、今は大変な時代であるのです。

 平野さん、覚悟の求められることについて、外国では8割中絶になると言われているということで、日本の現実について聞かれて、中絶を選択する人は少なくない、この子を、自分が死んでも元気に生きられるなら大丈夫で、障害者も健常者と一緒に生きられる社会が必要なのです。平野さん、生まれる前に知る意味、受けても受けなくてもストレスがあり、その意義について聞かれて、正しい知識を得る場について、高田さん、カウンセリングの要求はしており、社会ができているならいい、命を育みたい、一生付き合う覚悟もいると言われました。平野さん、人が生まれてすべて正常なものはなく、それを親は考えるべきと言われて、それがいい意味の個性なのです。診断に35万円いり、保険はきかない、答えを求められる時代なのです。

 報道するラジオは、来週からナイターの終了後になります(3月で打ち切りではありませんでした)。また、3月29日には菅直人元総理が出て、原発事故の当初の対応について聞く予定です。リスナーより、300マイクロシーベルトについて驚きがあり、平野さん、東電は隠蔽して、菅総理も叱咤したが避難誘導を遅らせた、それを来週追求したいと言われました。

来週以降も、私は報道するラジオを追及します。