昨晩の「報道するラジオ」

 永岡さんの書き起こしをそのまま貼り付けました。(三上)

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 永岡です、報道するラジオ、今週も水野晶子さんの司会、毎日新聞ほっと兵庫編集長の平野幸夫さんの案内で放送されました。水野さんも平野さんも東京に来られての放送です。

 今日の特別ゲストは菅直人元総理で、原発事故の対応に関して、ラジオで初めて語りました。菅氏、スタジオでの出演です。リスナーのメール、鳥肌が立つという声もありました。リスナーの声が殺到、菅氏もリスナーにいろいろ話したいと言いました。原発事故の最高責任者の菅氏のお話です。

 スタジオには、福島から東京に避難された方もおられました。楢葉町から東京に避難された山内さとるさんも来られました。原発から店は18km、自宅20km、原発20km圏内、蕎麦屋さんをされていたのに、事故で避難なのです。山菜も取ってきた日に料理していたのです。今は、山菜には放射能があるのです。

 菅氏、避難者と向き合ってのお話です。

 事故初期の対応で無用な被曝をさせられた人があり、それについて菅氏、十分な対応かどうかについて、事故が起きない前提で全てがあり、福島原発は海面から35m、それを10mまで切って作ったもので、もう少し高いと事故は起きなかった(35mまでは来ていない)、いろいろな備えがなかった。さらに、家を失った人がたくさん出たことに申し訳ない。初期対応に、原発が爆発することを考えた、そのときにどうするか、結果的に相当の放射能が出てしまい、漏れて出た、SPEEDIをもっと早く出していた、避難の方向性に使えたが、反省材料と言われました。SPEEDIは菅氏、報告が来ず、23日に初めて知った、SPEEDIの結果は菅氏、知らなかったのです。山内さん、地震当日、一時避難で高台に行き、その翌日に水素爆発、報道では水素爆発ではないとされ(爆発的事象)、冷却水も漏れていた、燃料棒も出て、しかし山内さん避難するだけで状況は知らなかった。友人が大熊にいて、果樹園をしていて、東電の人が休みに来ていて、津波で大変だと予測して、遠くに逃げろとなり、この友人も逃げた。山内さんにも子供を連れて遠くへ逃げ
ろとあった。

菅氏、原発近くの人はSPEEDIがなく逃げられなかったこと、オフサイトセンター、原発の5kmにあり、経産省+地元の人が来て、保安院が事務局、専門家がどの範囲を逃げたらいいかを判断して菅氏に言うべきなのに、オフサイトセンターに渋滞でいけない+電気なし、人なし、逃げる範囲を決めるのは、決める人すら集まれず、官邸で保安院斑目氏で決めるしかなかった。爆発時に瞬時に出ることは、斑目氏は当初5kmで良いと言った。円形に範囲を決めて、20kmは逃げる、30kmは家の中となり、SPEEDIは放射能が漏れたことのことであり、20km圏内の人、ホットスポットに誘導してしまったのです。これは菅氏反省と言うのです。

 平野さん、SPEEDIは解析できて、記号で配信していた。平野さん、情報開示の遅れを指摘され、メルトダウン、官邸は知っていても、中村審議官が言った時に更迭した、なぜ国民にメルトダウンのことを言わなかったかと問われて、菅氏、そこは自分も早く事務局は(自分は本部長)保安院の責任者に来てもらい、東電そのものの副社長にも来てもらい、他の専門家も来てもらって、早い段階からメルトダウンの意見もあったものの、正式に法律を問う人に聞いても、東電がメルトダウンを認めたのは数ヵ月後なのです。しかし直後に中村氏がメルトダウンといい、しかし生データは東電しか持っていない、一次情報は東電しかなく、菅氏のまわりでメルトダウンの話があっても、東電の竹黒氏は認めない。メルトダウンは11日の夜8時に起きたのは後でわかった。菅氏、政府の政治家は、分かっていることは隠していない。メルトダウンを知って隠していない。メルトダウンを感じても、客観的事実を誰が判断するか、東電から水がある、メルトダウンとは言えないと言われて、見通しで言うのか、専門家が言うかと答え、政府、官房長官は知って隠していないと言う
のです。平野さん、しかし直ちに影響なしとかいって、おきている事態をちゃんと言っていない。確実なことを言えないとしても、起きていることを評価していっている、客観的に聞いて判断すべき、国民の安全に関する状況で、菅氏が判断してやるべきと指摘し、菅氏、起きている事態で、圧力容器の中の水があると東電はいい、しかし水位系が間違っていた、東電が言っていない。平野さん、起きている事実を言っていないと指摘されました。

 福島の根本さん、10km圏内の人、SPEEDIなしで孫も含めて、セシウムの雨を知らず行列を作っていた、SPEEDIの情報があれば避難しなかったといい、菅氏、SPEEDI、安全委の見解は、最初にどれだけ出たか分からないので役に立たないといい、しかし菅氏はどちらに流れたかは分かった、方向はわかり、今でも発生量がないと分からない人はいるが、菅氏、起きていることを隠したことはないと言われました。しかし、水野さん、最悪の事態を考えて避難すべきといい、山内さん、枝野氏の直ちに被害がないという理由は、情報が遅れて入ってくる、出さざるを得ないものしか出していないと指摘され、700人避難して、そこに入りきれない、年寄りも板の間であり、そういう状況でも帰れる希望もあったのに、30km圏内も危ないとなった。この同心円避難が増えたこと、どうして同心円で指示をしたのかと山内さん言われて、汚染された飯舘村が遅れたこと、これについて菅氏、情報がなくて、現場の人が大変であり申し訳ない。同時に、総理、本部長に情報が来なかった。本来オフサイトセンターでやるべきなのに機能しない、寺坂委員長も説明
できず、この人原子力の素人。安全委の斑目氏も情報なし。竹黒氏(副社長)すら東電から返事をもらえない。どうしたらいいかどころか返事がなく、電源がない、電源車を送ったのにつながらない。ベントをする=放射能が出るから普通はしないが、圧力が上がり爆発するのを防がないといけないので、ベントしてくれと言ったのに東電はやらず、竹黒氏に聞いたのに答えがなく、どうも本社と現場の間が伝わらず、そのため菅氏、翌日ヘリで現地に行き、なぜベントをしないかと聞いて、決死隊を組んでいる、それでもやらなかった。総理にすら情報が来なかった仕組みであり、専門家が担当し、保安員が担当するのに、SPEEDI、寺坂氏から話がないどころかSPEEDIのすの字すらなかった。消防署の所長がホースの持ち方を知らなかった。過酷事故なしの想定で人事を組み、それが恐怖であったのです。

 平野さん、菅氏、思いは分かるが、総理は人を集めて使うべき、陣頭指揮を取るのではなく、15日の段階で、田中真紀子氏、首都圏もやられると発言し、菅氏もそう思っていた。避難範囲を広げたらパニックになると言っており、その時結果的に助かったが、もし最悪なら大変、途中経過が聞こえてこない、これについて聞かれて、菅氏、事故調の報告を見て、平野さんのように言う人も多いが、まさにちゃんと機能していたらいいが、O157もあり、専門家は役所にいるのに、原子力事故では素人しかいない。逃げる範囲のこと、事業者の責任で、オフサイト、オンサイトも何回聞いてもベントが始まらないのを説明しない、それで制度を変えていたら1週間かかる、回りが機能しないから、自分が直接いった。万一、この原発事故がどこまで広がるのか、初日にメルトダウン、水素爆発なしと斑目氏言ったのに起きた。15日、東電に乗り込んだらまた爆発。事故拡大で、どこまで拡大、最悪はどうなるかと、菅氏頭の中で考えた(誰も言ってくれない)。チェルノブイリは1基、福島は10基+プール11つが避難区域、ここから人がいなくなっ
たら、チェルノブイリの10倍になったとしたのです。15日、東電の撤退を言い出し、東電が撤退したら、実際に原発を動かせるのは東電のみ、社長に撤退はアカン、頑張れと、会長も社長も60を超え、自分もそうで、現場に行こう。東電の中に組織を作り、細野氏を入れた。東電の中、電話でサイトとつながっており、東電の中に組織を作ったらようやく動いたのです。

 しかし、もっと広い範囲で、同心円以外の避難もできたと水野さん指摘し、同心円は爆発時、SPEEDIは放射能の流れであり、爆発時同心円で考え、斑目氏のことをなぜ変えなかったかについて、保安院は独立性があり変えられず、事故が起きて、東電の社長、斑目氏を変えられなかったのです。

 菅氏、いかに情報が来なかったが分かり、なぜそうなったかは、9・11でアメリカは全電源喪失を検討し、日本も保安員が行ったのに、テロは日本で起きないと想定しなかった。考えるなと東電、原子力ムラは言った(それを言うと危険と思われる)。停電、この前24時間おきたが、日本では停電はすぐ直るということで想定していない。4号機のプールにはホカホカの核燃料があり、水が抜けたらメルトダウン、それの電源が止まるのを防げていない。日本では起きることを想定していなかったのです。警告を無視してきたのです。問題は、東電は起きないことを前提として、IAEA保安院でチェックするのはおかしいと自民時代に言ったのに、野田政権で規制委にした。東電は助けていない、東電を破綻処理しなかったのは、下請けの人が給料をもらえない、事故の処理が第一、保証は東電を潰したらできないとしてやつた。これから東電をどうするかではなく、事故処理+補償のために東電を機能させたので破綻処理はしなかったので。平野さん、補償を東電に査定され、加害者が裁定する仕組み、山内さんも3回目の合意であり、1度書類を
出しても少ない金額しか出ない、見直しを要求したら原本を要求され、原本がいり、医療関係の資料も領収書も支払われない。なぜ、加害者の東電が査定するのか、今いわき、楢葉の仮設にいるお年よりは書類が書けないのです。菅氏、加害者が賠償を決めることについて、東電が賠償責任があり、しかし東電は賠償責任なしと言った。隕石が落ちたら賠償任なしとして、それと同じと言い出し、それはおかしいと菅氏言い、東電の過失有無に関らず賠償責任はある。資料を簡素にして、努力したが、なかなか迅速に進まなかった。ある程度、えいやぁで半分くらいは出そうと、最終金額は決まらなくても出す努力はしたが、政府も責任があるのです。

 水野さん、原子力ムラについて、どう思っているのか、つぶせないかについて、菅氏、凄く大きな範囲に影響力があり、政党、マスコミもある。独占企業がCMをして、学者にもお金を渡し、文化的なことにも金を出す。菅氏、正面から喧嘩したが勝俣氏、メディア関係者を接待していた。そうして批判を封じてきた、菅氏は壊そうとしたが、日本国民全員がそれはおかしいと言うしかないのです。

 山内さん、言いたいのは、仮設の状況、仮設にいると、精神的な賠償だけでは生活は成り立たず、仮設の死者が多い。ほとんどの年寄りが見通しなしで絶望して死んでいく、不安との闘い、除染を楢葉町もやっているが、効果はほとんど下がっていない、翌日前より線量は高いのです。除染で帰れるのは幻想、山内さんは変えれない、0.12まで下がるのはダメと言われました。菅氏、双葉から遠く離れてを見て、避難した人と会い、将来の見通しが立たないのは申し訳ない。除染も、放射能を無くす技術はないと言われました。

 これで時間です。まだ、話し足りないのです(何か、このまま朝ナマになりそうでした)。

 ちなみに、東電は防ぐべき事故を防げなかったと「総括」です。取締役会で決定したのです。原発稼働率を優先し、リスク管理が甘かったというのです。

 平野さん、菅氏の話、想像以上に情報がなかったが、事故調のリポートを読むと、情報開示の遅れが致命傷であり、誰も責任を取っていないのはおかしい。菅氏、語り部とされるが、証言者として、原子力ムラをいかに潰せるかの市民運動の原点に戻れと言われました。責任をとらない日本で、再稼動に向かっているのです。

 もうお分かりでしょう、事故当初、東電は菅総理に情報を流さなかったのです。