昨晩のたね蒔きジャーナル 10/27

10/27(木)

 永岡です、毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」、今日はMBSアナウンサーの千葉猛さんの司会、毎日新聞大阪本社論説委員の近藤伸二さんの案内で放送されました。


 原発のニュース、食品の放射能について内閣府、生涯の累積線量が100ミリシーベルト以上で問題とまとめました。食品の内部被曝のみです。外部と内部被曝を足して100ミリとしていたのを、外部被曝はどこへ行ったのか、なのです。厚労省は31日に衛生審議会を開きます。


 そして、小出先生のお話です。内閣府食品安全委員会の生涯100ミリシーベルトという答申について、「不思議である」、どうしてこんな結論か分からない、被曝は広島・長崎のデータがあり、これは外部被曝であり、その後調べて1シーベルトではなく、低い量でもガンとの相関が出て、100ミリでがんになるのは分かっているし、もっと低くても影響が出る、内部だけで100ミリとは理解できないのです。食品安全委員会は、内部+外部で100ミリであったのがこれで、甘くなっているのです。体の外から放射線を受ける可能性は少ないと仮定しており、おかしい、福島の人は20ミリ/年未満は避難しない、1年に20ミリ近く被曝する、どう考えているのか、なのです。


 食べ物の累積線量なのですが、生涯どれだけで抑えるべきかは、どこまでなら安全はない、社会的に線を引かないといけなく、1ミリ/年(内部+外部)が法律、100歳まででも100ミリであり、それを内部だけで100ミリとは、まともな考え方ではないのです。


 生涯100ミリとは、浴びる時期により変わり、食品安全委員会の言い分だと、今年だけで100ミリで、来年からゼロならOK、しかし、次に事故が起きたらどうするのか、なのです。子供については心配なのです。


 甲状腺被曝を抑えるヨウ素剤、事故翌日に飲ませるべきと安全委員会は言っていたのに政府はやっていなかった、これについて、「まったく政府の体をなしていない」、安全委の指示を受けて動かないといけないのに、政府が機能していない、驚き、呆れるのです。この時期にヨウ素剤を飲む必要があり、事故でSPEEDIで被曝が分かったのに、それの対応をしなかった、安全委の指示も生きずに事故が進行した、驚き、呆れるのです。ヨウ素剤を飲まなかったら、何年かのちに症状が出る可能性があるのです。


 福島第1の汚染水、地下にコンクリ壁、海側に1枚だけ作る(囲むのは止める)と言うのに対して、小出先生笑われて、山から海に水が流れる、上から出たら横に溢れる、そんなことで防げるわけはない、溶融した炉心が地下にめり込んでいる可能性があり、しかし、接触しても海に出ないといいとはおかしいし、山側に水が漏れる可能性もあるのです。この遮蔽壁、技術的には可能だが、被曝が大変になり、東電も作業員の確保が大変と思われるが、これをやらないといけないので、東電、政府も一貫した方針がないのです。


 東海第2の圧力容器から水漏れ、駆動装置からの水漏れで、これは沸騰水型では、圧力容器の底にパイプがあり、制御して、複雑な構造であり、何かの操作ミスで水が下に落ちる、良くあり得る事故なのです。でも、放射能入りの水で、もれたらいけない、作業員が被曝する、人間はミスをする、構造も複雑で、あり得る事故と覚悟しないといけないのです。

 
 以上、小出先生のお話をお伝えいたしました。


続いて、九州電力のやらせメール事件について、検証している郷原信郎弁護士のお話がありました。九電への佐賀県知事の関与を示す郷原さんの提言を九電は受け入れていません。


 今日、九電の松尾会長と郷原さんお話されて、第3者委員会の報告を受け入れないで、修正程度で受け入れると言うことになり、昨日第3者委員会のメンバーで取締役会に、大変な責任になると自覚しろと言ったところ、今日の取締役会の審議事項に、それを含めないと言い、しかし先送りでは困るので、松尾会長に直接、第3者委員会の中身を理解しろと、意見があるなら出して議論しろと提言したのです。社員全体の見られる場での議論がいると提案したのです。松尾会長は趣旨を理解し、検討すると回答しました。


 そもそも、郷原さんが第3者委の委員長になり、郷原さん、中国電力の不祥事にアドバイザーを務め、電力会社との関係は深く、九電より委員長の依頼があったのです。福島事故以降との対応は全く変わり、その仕事に取り組んだものの、九電は甘かったのです。調べていくと、佐賀県知事の関与も明らかになり、これは佐賀県知事の公舎で九電との会談があったことが、九電幹部は把握していたものの、取り扱いが微妙であり、郷原さんに第3者委の依頼があり、当然しっかりしろと提言したのです。今回の九電の問題、どこに問題意識を持ち改善するのか、なのです。


しかし、九電は経産省への報告で知事の関与を認めておらず、郷原さんが引き受けた時、知事発言の影響を解明してほしいと言われたのですが、途中からそれを調査しないで欲しいと言いだし、第3者委の役目を果たせないので、やるべきことをやってきたのです。違う見解が出されるのは心外なのです。世の中に説明できないのです。


なぜ、九電はこんな体質なのかについて、電力会社は地域独占、競争がなく、恵まれた状況で、総括原価方式もある、普通の会社にあり得ず、九電は九州の中でも圧倒的に大きく、お山の大将で、世の中から批判されたことがなく、こうなったのです。


近藤さん、地域独占がキーワードで、地方は大きな企業のない中で電力会社となれ合ってきた、コンプライアンスの形について質問があり、郷原さん、コンプライアンスは社会の要請に答えることと言っており、やらせメールは法律には抵触しない、経産大臣も関与しないが、社会から信頼されないといけない、それが分からない、法令に反しないといいという感覚が電力会社にあり、地域独占は社会に信頼されないといけないとの意識がないのです。


九電内部で、郷原さんに協力する勢力はないかについて、今の経営陣は早く何とかしてくれと多くの社員がいい、第3者委に匿名の手紙も届く、九電の人は問題意識を持っているが、経営陣にその意識がないのです。


リスナーより、九電に自浄能力はない、刑事責任は追及できないかについて、刑事は、いい面悪い面があり、郷原さん元検事であり、世の中が関心を持ち続けて、糺すことが大事と、九電がいい会社になるようにとしているのです。もどかしい思いを国民がするのは分かるが、刑事で一刀両断に解決できるものではない、気長に見守ってもらうしかない、九電王国が九州に君臨してきた、それがすぐに変わるのではないのです。


枝野大臣の対応もあり、国にも問題がある、エネ庁にも問題があり、国が電力会社が悪いとは言えない、枝野氏は、公益企業としてあり得ない、社会的に許されない、法律以前の問題と指摘され、しかし、今まで経産省に問題がなかったわけではないが、枝野氏の対応は正しいと思われるのです。国のあり方を糺していかないといけないのです。


これが、やらせメール問題の郷原さんの見解でした、これを、お伝えいたしました。