ミカ納豆

札幌の自宅に帰って久しぶりに納豆作りをした。
「まゆげ印のミカ納豆」である。大豆を蒸して納豆菌をかけて約一日、40度くらいに温度を保てば納豆が出来てしまう。
納豆菌さんたちが作ってくれるので実に簡単だが、安くていい大豆を手に入れるのがなかなかたいへんでしばらく作っていなかった。

なんで自分で作るようになったかというと、以前友達から送ってもらった「高級納豆」を食べたら、スーパーで売っている大量生産の納豆とは全然違う「美しさ」と「旨さ」があってビックリしたのだが、高いし買いにくいので自分で作ってみたいと思ったのと、市販の納豆の原料の大豆のことが気になったからだった。

最近は市販の納豆でも「有機大豆」を原料にしたものがあるが、そのほとんどは輸入物である。「輸入の有機」と「国産の普通」のどちらを選ぶか、自分でも明確な基準はなく、その時の気分によっているのだが、「国産の有機大豆」があったら迷うことなく買うだろう。

ま、最近は懐事情がよくないのでつい安売りを買ってしまい、「納豆で50円節約してどうするんだ、酒を控えろ」と後で反省することが多いのだが…。

で数年前から「自然食品店」で北海道産有機大豆というのを買って、東急ハンズで見つけた「納豆菌」を使い、納豆を作り始めたわけである。

最初はなんとか納豆らしいかな、という程度だったが試行錯誤をしているウチになんとか「おいしい」納豆が出来るようになり、友達にも分けてあげたりするようになって「まゆげ印のミカ納豆」という名前をつけたのである。

先日、新野の雪祭りを見た帰りに寄った温泉の売店でめちゃくちゃ安い大豆を発見。有機とは謳っていないが地元の人が作ったものだから、そんなに農薬も使っていないだろうということで買い求め今回の納豆の原料にしたのである。わざわざ「自然食品店」に行かなくていいというのも嬉しくて「大人買い」したぞ。

で、出来映え。手作り納豆なので部分によって出来具合が違うのだが、うっすら白い化粧をしたべっぴんさんの部分も多く、まだ雑菌も混ざっていないので納豆の香りと大豆の味が鮮やかで、たいへんおいしく出来、朝食抜きの僕は毎晩「あ〜〜」と昇太のような声を出して楽しんでいるのであった。

長野は豆類とかコンニャクとか漬け物がいい。新野でいつも買うのは梅干し。奥三河の花祭でも梅干しは必ず買って帰る。梅と塩としそだけのまっとうな梅干しはスーパーとかではなかなか買えないからね。アマゴの塩焼きも美味しいのでつい買ってしまう。
遠山では干し柿が安くて嬉しかったな。それとコンニャク。

神楽を見に行って、全国のこういう市場をのぞくとこういう加工品もまともなものがいろいろあって元気になる。宮崎で見つけたハスガラはハスイモの茎の干したやつで好物になった。宮崎は切り干し大根もいろいろあるし、干し椎茸、干しタケノコなど乾物が豊富だ。早池峰では粟とか黍の有機ものが安かったな。

天龍村の「おきよめの湯」のスズメバチ酒はまだあるだろうか。
僕は今、田舎からの「祭」と「直売品」の波動に強い引力を感じていて、思い出すたびにソワソワしてしまうのである。

長くなってしまった。
僕流の納豆の作り方はまたいずれ。