昨晩のたね蒔きジャーナル 6/1

今日も永岡さんがまとめてくださいました。

6/1(水)

 永岡です、毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」、今日も水野晶子さんの司会、毎日新聞専門編集委員近藤勝重さんの解説で放送されました。


 最初に政局の話であり、内閣不信任案のことについて、近藤さんより説明がありました。菅総理、これほど言われた総理はいない、人間性を批判された総理はないということです。菅政権の「終わりの始まり」、2011年度予算について立ち往生して復旧・復興も立ち往生、参院問責もあり、参院を開いても総理が入れない事態もあり、衆院でも過半数を割り、菅総理オシマイの模様です。


 そして、原発のニュース、IAEAの調査団が報告書の素案を発表、14mの津波が原因で、日本の原発津波を過小評価、地震による損傷について言及しているかは不明、IAEAは、原発維持を言っています。また、2号機プールの温度は、順調に下がっています。


 そして、小出先生のお話、IAEAの調査団の報告書素案を見て、IAEAの組織に関して、日本政府の対応はよく組織化されていると書いており、IAEAはそう見るのかと言うこと、IAEAにはふたつの役割があり、核兵器の拡散防止と、原子力平和利用を広げるのであり、原発を作る機関で、原発を取り締まる機関ではないのです。原子力=核であり、核兵器作成を監視しながら、各地で原子力をやらせてアメリカが儲けるのを支える機関なのです。原子力は二つの顔を持ち、バランスを取ってきたのです。


 平和利用なら、事故を起こすとまずい、ドイツのように脱原発の国もあり、素案に厳しさが足りないと近藤さんが指摘するとその通りで、IAEA事務局長は日本人で、日本に甘いのです。


 津波を過小評価していたことは当たり前で、津波だけが悪かったとする模様で、地震もまずいのですが、IAEA津波が悪かったと言って日本の原発は安全、「想定外」の津波だから仕方ないと言うのが報告書の目的です。理由の柱をこれにしたら、原発政策に影響は大きく、小出先生は日本に原発の密集していることに言及したくない、日本に原発を推進させたいのです。


 保安院の独立性、保安院は政府の機関で、原子力推進の機関は政府のもの、監視する組織は安全委員会は何の力もなく、顔だけ、誰がチェックするか、保安院が負ってきたのに、経産省=推進側がチェックしており、IAEAすら第3者機関になっていないと指摘し、こんな異常な姿は日本だけなのです。2007年にもIAEAの批判を日本は受けていたのに、改善していないのです。


 放射能測定のこと、安全委員会、結果がばらついて、体制に問題があると文科省が言い出していますが、線量計、高さでもばらばらと言う、1時間当たり何マイクロシーベルトと言っているのが、好き勝手にやっていた、地上から1mで計る、60mで計る、比較が無意味なものであり、しかしその数値で現地の人は大変である、地表面の放射能の結果が分かってきており、バラバラの測定で数字に重きを置いてはいけないのです。「単なる目安」であり、地面に実際どれだけ積もっているかは、汚染地図が公表されており、もっとデータを出さないといけないのです。飯館村、汚染が大きいのを調べたのが小出先生の同僚の今中さんで、その後文科省も調べていたと公表した、文科省は、どこが強い汚染かということを知らせて避難計画を立てないといけないのです。60mの数値で左右されたらたまらない、心ある科学者が被曝覚悟で調べた結果が、私たちに知らせている、日本は、いやなデータを出さないのです。


 今日のお話は以上です。また明日もお知らせいたします。

 続いて、福島第1原発4号機の設計に関わった田中三彦さんのお話がありました。


 水野さん、原発事故を調査しているIAEA原発ありきで報告書をまとめている(津波想定で大丈夫との報告書)時、原発を設計した人の話が聞きたいと、サイエンスライター田中三彦さんのお話になりました。


 田中さん、原発事故は津波災害があり、段々と原発大丈夫かと思っていたら夕方、原発が危険とのことで、電源が取れなくなり、これは大変なことになったと思われたのです。そして今の状況は、ここまでの予想は誰にも出来なかった、しかし、日本の原発は通常の運転でも事故の可能性があるものの、日本の原発は1箇所に6〜7基あり、災害が起こると全滅なのです。設計時は、原発は大きな構造物で、全体を分かってやっているのではない、田中さんは原子炉圧力容器の設計をして、格納容器の設計、配管の設計と別々の人がやって、全体像は分からないのです。プロジェクトマネージャーを作らないと全体は分からないのです。田中さんは耐震解析はやらないのです。地震でここに何が起こるかとデータをもらう、配管の設計では、別の地震荷重のデータで設計する、データは上から下へ行く、大まかにしか分からないのです。


 アメリカの下請けでやっていた時代は、日本で、大型原発は1970年に大阪万博で美浜、駿河で稼動、GE、ウエステイングハウスで設計、物を作るのが日本の日立、三菱であり、60〜70年代の技術者は、アメリカの技術を教わりつつやっていたのです。福島は日本のメーカーがやり、1号機はGEが設計、70年代前半のものはGE(沸騰水型)、ウエステイングハウス(加圧水型)が教え、東芝、日立がその後自立して設計していたのです。当時は地震の設計は法律上になく、78〜79年に原発地震の指針が出来た、外国の地震波として残っていたものを利用して設計、日本の原発は、外国の地震波を使って設計し、日本の地震に合わせて設計されているのではないのです。日本国内に耐震設計を行う指針は当時なく、福島4号機も耐震設計なしでやっていたのです。地震に対して、設計者も意識していなかったのです。


 福島で地震により配管が壊れている模様で、田中さん、この問題を雑誌「世界」5月号で指摘した、地震で壊れたのは1号機の模様です。津波で壊れたなら、思いもよらない津波、想定外としているのに、津波の前に、田中さんは地震で壊れたと推測している、東電が、圧力容器の水の減り方、圧力の減り方、格納容器の圧力上昇を見ると、変化のスピードも考えて、地震により大事な配管が壊れて格納容器の圧力が上がり、燃料丸出し、水素爆発と推察されたのです。


 どの原発も、地震によりやられる可能性があり、原発を推進したい連中はこのことに触れたくないのです。原発を推進したい人には、この問題を避けて通りたいのです。しかし、原発の耐震設計を見直さないといけないのです。原発は耐震脆弱性(格納容器が弱い)があるのです。


 これで時間がなくなりました。やはり、福島の事故は、津波より地震動でやられた模様です。今後も、田中さんのお話を番組で聞きたい模様です。以上、お知らせいたしました。