昨晩のたね蒔きジャーナル 5/31

以下、今日も永岡さんがまとめてくださいました。

5/31(火)

 永岡です、毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」、今日も水野晶子さんの司会、毎日新聞ほっと兵庫の平野幸夫さんの解説にて放送されました。

 今日の原発のニュースです。海江田大臣、現地責任者が不在であることを明らかにしました。対策本部長、池田経済副大臣で、一時入院、今は自宅療養中で、これを政府は公表せず、保安院次長(官僚)が対策本部を束ねています。事務方トップがいるのなら、副大臣は要らないのです。現地トップは事故直後に交代、6回も!替わっています。

 燃料を冷やす水の漏れ、昨日の雨で水位上昇、3号機トレンチはあと地上まで29cmです。トレンチ、水圧に耐えられない懸念もあります。

 Jヴィレッジを埋め尽くす低レベル廃棄物(防護服)が問題、焼却して処分するのですが、今回は処分は出来ないのです。

 原子炉建屋で、循環冷却システムを稼動させました。熱がこもり、作業の邪魔になりましたが、空冷で熱を除く方式で、70〜80℃のプールを40℃に出来ます。


 計画的避難区域飯館村、残っている住民は2割(6000人中1400人)いるのです。区域外に転居できない人もいるのです。20ミリシーベルトを越えています。


 そして、小出先生のお話、2号機の使用済み燃料プールで、循環式冷却方式が本格稼動、これについて、とりあえず良かった。冷却装置がうまく稼動したら、プールから熱が蒸発して建屋内で作業不可能であったのが、2号機は建屋は残っていて、蒸気が建屋に充満するのを防げてよかったのです。冷却装置、2号機は爆発していないのでこれが出来たのです。一番、手をつけやすいのですが、これからどんどん難しくなります。


 原子炉建屋からタービン建屋に水が漏れるのは、関係ない、2号機は圧力抑制室が壊れて、原子炉の水が建屋に漏れるので、こちらは相変わらず漏れるのです。漏れる量、濃度は変わらないのです。

 リスナーからの質問、海洋汚染、グリーンピースの調査で、50km離れた海の海草で10000ベクレル/1kgということ、当然予想された、基準は普通は検査できないレベルであり、とてつもない汚染で、海の汚染は海草で調べる(海草は逃げられず、汚染される)、次は貝類、魚を調べるので、今まで海草を政府、東電が調べないかが不思議であったのです。


 水産庁放射性物質の濃縮についてないと言うが、海洋学者はそうではないということ、魚に濃縮する、回遊性であり、事故後大きく汚れるわけではない、最初に海草を調べないといけないので、グリーンピースの調査は科学的なのです。が、日本政府はあまりいい感触を持っていないのですが、これをやるのが政府、東電の仕事なのです。


 1万ベクレル、茨城、宮城と猛烈な汚染が広がり、放出される放射能、海草の代謝もあるが、膨大な放射能が出ており、汚染は長期間に続くのです。長期間海草を調べる必要があり、しかし、日本人は汚染された食べ物は食べたくない、福島の海洋の人が破綻します。


 2号機の海洋カーテン、これの効果はないのです。

 海水浄化装置、ゼオライトセシウム吸着、ゼオライトより、バーミクライトの方がいい(土壌改良剤)、安いものであり、ゼオライトでも効果あり、やらないよりやったほうがいいが、9万トンの汚染水には対処は出来ないのです。

 汚染水が海へ出たこと、この報道が出てこない、しかし、汚染水は海へ流れていて、トレンチ、縦工などにたまり、コンクリートで、必ず水は漏れる(地震でひび割れあり)、海へ結局流れるのです。その値は、調べようがない、ピットからの水漏れ止め、これは見えるが、今の場合は見えない、地下に漏れて、評価のしようのない水、汚染水を早く除去しないといけないのに、出来ていない、海上からの定点観測は出来るし、海草を何百mごとに調べたらいいのに、なぜしないのか、日本政府、東電、海の汚染を認めたくない模様です。が、漁業の将来に関わるのです。

 セシウム除去には、バーミクライトが有効です。


 福島原発の現状は、まだまだ困難が出てくると思われました。明日もお伝えいたします。

 たね蒔きジャーナル、続いて、チェルノブイリ救援関西の医師の振津かつみさんの参加もありました。

 その前に、消費税増税、平野さんより、菅総理財務省の振り付けに乗っているだけだとの指摘がありました。

 ムーディーズが日本国債の格付け引き下げを予定、海外から日本を見たら、復興財源が確保できておらず、復興で東電の救済も不明(救うのか、潰すのか)、賠償金も不明、東電の株も、マネーゲームの対象になり、政府の方針がはっきりせず、銀行に債権放棄でもめていて、先行きが不明で、この引き下げです。

 文科省の賠償対象は、自治体による出荷制限としています。観光の風評被害も賠償します。精神的な苦痛、これの賠償の具体的金額は未定です。

 振津さんのお話、20年チェルノブイリに行かれて、最初は、病院で原爆被爆者の検診をやっており、被曝について、広島、長崎の方が何十年も苦しんでいる、その中でチェルノブイリが起こり、広島長崎の原爆の600〜800倍のセシウムが出て(死の灰の量)、放出された放射能は莫大な量なのです。

 チェルノブイリ、振津さんが行かれてから20年、事故5年目に現地に行き、旧ソ連時代、事故直後は行けず、91年に行き、今福島の方が事故直後で困っている場には居合わせていない、汚染地図も出来てから行き、変化は、データ的には子供たちの甲状腺がんが増えて、現場の医師が言っており、国際原子力機関放射線の健康影響は5年目で一切ないと言っていたのです、放射線の影響は認めてもらえなかったのです。今では、原子力機関も認めたが、5年目で認められなかったと、水野さんも驚いています。

 チェルノブイリから250km離れたベラルーシで、がんが増えているのです。WHOも認めています。

 振津さん、福島にも行かれて、甲状腺がんの危険性、実際は今後検診を行わないと判らないのですが、子供、大人、汚染地帯の人は検診をしてフォローしないと分からない、ベラルーシのような内陸部と、日本の海に囲まれたところは単純比較はできない、内部被曝について検診が必要なのです。

 甲状腺がん被爆ではそれだけでなく、がん、白血病だけでなく、他の病気全般に罹りやすくなるのです。広島、長崎でも同じです。専門家に認めてもらえるまで何十年もかかり、低線量被曝、20ミリなら大丈夫ということは、原爆の被爆者の調査で、どんな低い線量でも被害は出る、被曝の出る環境の人には、検診、早期発見が必要なのです。

 リスナーから質問、今すぐやらないといけないことは、出来るだけ被曝を減らすことで、子供たちは放射線の感受性が強く、福島から線量の高いところは土を削る、汚染した土を取り除く、と言ったことが必要です。

 250km地点のこと、チェルノブイリで、これだけ離れても地区の1/3が高い汚染になり、人の数が半分になったこと、離れていても、チェルノブイリの汚染地図、30km圏内と同じホットスポットが出るのです。濃い汚染地帯が出来てしまい、飯館とか同じものが出ています。飯館、自然の豊かな村が放射能汚染であり、つらかった、飯館、ベラルーシと同じ汚染、ベラルーシは、25年経っても帰れないのです。今でも立ち入り禁止なのです。動物、植物は、野生のものは汚染されたものを食べて、大変な汚染になっています(セシウムで汚染)、森は放射能を取り除くことが出来ない、キノコはまだ放射能が高いのです。

 25年経っても、動物、キノコの汚染は大変なのです。

 福島の闘いはまだまだ続きます、私の、ラジオの前での闘いも続きます。以上、お知らせいたしました。