昨晩のたね蒔きジャーナル 5/30

釜山港にいます。これから帰国です。(三上)

今日も永岡さんがまとめてくださいました。

5/30(月)

 永岡です、毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」、水野晶子さんの司会、毎日新聞ほっと兵庫編集長の平野幸夫さんの案内で今日も放送されました。

 平野さん、汚染水何万トンの処理が出来ず、海に出ている(漏れている)可能性について、台風を経ての懸念のコメントがあり、水野さん、何をしたのかという指摘もありました。菅総理は来年1月までには何とかすると言っているものの、平野さん、「願望工程表」と批判もありました。

 原発事故のニュース、北西33kmの飯館村で、積算放射線量が20ミリシーベルトを越えており、文科省の測定で、浪江町(35ミリ)に続いて2箇所目、計画的避難区域にしているものの、飯館村は2ヶ月で20ミリであり、文科省は屋外の被爆とは違うと言っています。

 また、牛乳の出荷が認められ、牛の移動が行われました。川俣町他で区域外移動です。

 4月14日にお話を聞いた飯館村畜産農家、山田さんのお話がありました。積算量が20ミリシーベルトを越えたこと、山田さん、飯館村で最も多いのが28ミリ、最低3.8と開きがあり、多いところは避難したものの、村民6500人のうち4400人避難、山田さん一家は、3箇所に分かれての避難なのです。山田さんは畜産があり飯館村に残っています、牛のことがあり、80歳の母親のこともあり、親と離れての避難になるのです。子供は、学校を中心とした避難で、親と離れての避難なのです。

 離れて暮らすので大変なのは、経済的なもので、冷蔵庫他がいるのに大変であり、職場、学校があり大変ということです。牛を処分した人もいます。山田さんには26頭の牛がいて、赤ちゃんも3頭いる、農家は24時間勤務であり、離れられないのです。

 牛の競りの価格、いろんな牛が出たものの、価格はそこそこに売れたそうです。飯館は高齢化であり、歴代村長が畜産に力を入れてきて、米だと冷害にやられるので、畜産を主体にしてきたのです。飯館の牛はブランド物であり、値段も高かった、これから長期的に見て、畜産農家として、東電の収束が遅れ、いつかは帰って来られるが、土壌のことが長い闘いとなる(親牛15頭のうち4頭のみ残す、えさがなく、扱えない)のです。辞めた人の牛のえさを集めています。草がなくなれば、牛は処分なのです。農家と、放射線の闘いはこれからです。

 農林大臣は賠償の話はしていません。ひまわりの種を蒔いて線量を下げようということなのです。ひまわりを蒔いても、咲いたひまわりをどこに持っていくかは未定、水田も水を捨てることになり、水の除染が要るのです。国を挙げてこれをやると農水大臣は言っています。しかし、放射線を持ったものをどこへ行くかは不明、今の生活をどうするかも未定なのです。最低2〜3年はかかります。農家は疲れきり、やっていけるのか、何も話はない、東電も謝罪以降は何もない、1戸100万円以降は未定、牛のえさを運ぶトラックを買って(30万円)、さらに金もかかります。牛の移動もあり、これから大変です。今まで以上に金がかかり、100万円などすぐになくなります。年金も山田さんもらえていないのです。失業保険も農家にはありません、完全無収入なのです。

 日本は、大型農業を目指してやってきたのに、そういう人が一番大変(専業農家)なのです。大きな農家がやっていく時代ではなくなりました。

 山田さんのお話、大変なものでした。

 続いて、小出先生のお話他です。

 被災地東北から関西まで大雨であり、東北はまだ雨に注意なのです。福井で24時間の雨量が観測史上最多となり、そして東北、石巻市で冠水です。停電もありました。

 福島第1の近くでも雨で、1号機の地下に汚染水がたまる+雨で、水位が20cm上がっています。東電は年内に10万トンは処理する、雨の量はたいしたことはないと言うことです。1号機の汚染水、通常の原発の1万倍です。

 社員二人の被爆が250ミリシーベルトを越えた恐れがあり、3,4号機運転員で、外部被爆は70〜80ミリシーベルトですが、ホールボディカウンターで調べて問題があり、今回の問題発覚です。甲状腺ヨウ素が他の人の10倍、総被ばく線量が数百ミリシーベルトであり、事故2日後にヨウ素剤を飲んでいるだけなのです。

 発見が遅れたのは、内部被爆の調査が、ホールボディカウンター、4台しかなく、事故後7800人の人が福島第1で働き、内部被爆の検査は1800人しか受けていないのです。

 ドイツでは、メルケル首相が原発を2022年までに脱原発となりました。8機は廃炉、残りは停止になります。チェルノブイリ事故もあり、ドイツでは市民が反原発政党が躍進しており、政府も脱原発を早めています。ドイツは先進国中最も早いのです。政策も伴い、代替エネルギー支援なども国がやっており、福島事故後ドイツでもデモが大きくなっています。比べて日本は浜岡を停止したのみ、代替エネルギーの投資も未定です。地熱、バイオマスもあるのに、中央官庁は具体化していません。今具体化せずにどうするのか、です。


 そして小出先生のお話、飯館村のこと、積算放射線量が20ミリシーベルトを越えたこと、通常の日本人は1ミリ/年以下、小出先生のような人が20ミリ/年を我慢しろ、しかし、今回の事故で1ミリ/年で通常の人も済まない、普通の人にも20ミリ/年を我慢しろと政府は言い出したものの、それを越えた、チェルノブイリの強制避難40万人をこれは上回っているのです!今の時点で、上回り、2ヵ月半で20ミリ、この状況で積算量は増えてくるのです。戻って来たいという人もいるのに、生活は、チェルノブイリも大量の人を避難させないといけないのに、人が多すぎてある程度の人にした、しかし、避難させられた人は戻りたいのに、避難させるしかないと、避難したのです。それでも帰りたい人もいる、しかし、被爆を避けたいので、もう避難するしかないのです。


 今、飯館の人のために出来ることは、土壌を剥ぎ取るのは有効だが、学校の校庭の土を削るのは出来るが、農業、酪農では土を剥ぎ取るのは生きる手段を奪うこと、被爆しても残るか、避難するのかなのです。


 東電の社員二人が数百ミリシーベルト被爆の値、普通の人なら法律で1ミリ/年以上はダメなのに、福島事故では20ミリでも無理、到底守れないほどの事故であり、福島の作業をしている人は、250ミリまで特別にした(途方もないこと)なのに、それをも越えたのです。がんのリスクが100ミリを越えると上がるというのはウソであり、100ミリでは証明されている、100ミリ以下では、証明は疫学的に出来ないのですが、100ミリ以下でも、今の学問はがんになる、1ミリでもがんは増えるのです。


 作業員、当初はマスクもなし、ヨウ素剤も飲んでないというもの、事故が過酷であり、11日の時点で分かっていたのに、マスクをさせていなかったら内部被爆を全て調べないといけなかった、2ヵ月半で発表とはいい加減であり、すぐに影響が出ないのは当たり前、何年か後にがんが不安、枝野氏の「ただちに影響はない」という言葉は言ってはいけないのです。


 実際の内部被爆は、評価がとても難しく、ホールボディカウンター(体内に放射能をどれだけ取り込んだか)で、その後は計算により結果を推定するしかないのです。測定も大変で、その後も大変、外部被爆は外に測定器を着ければ良いが、内部被爆は特殊な測定器が要り、手間隙のかかる測定なのです。


 厚生省は、被ばく線量の上限を撤廃と言い出しましたが、それは報道に問題あり、100ミリ/5年の被爆が問題というのが法律なのですが、今回は250ミリと3月に決めたのです。厚労省は簡単に変えており、今更上限なしとは、数値を緩めることを懸念しており、この数値の歯止めもなくなれば、作業員ががんで死ぬ可能性が大きくなるのです。厚労省はそういうことを食い止める役所なのに、現場があまりにひどすぎるのです。国は、現場のひどさを言わないといけないのです。


 5号機、停止していたのに、冷却停止、5号機すら安心し出来ない、4号機も停止していたのに、燃料プールで事故が起こり、5,6号機もポンプが止まり、冷却できないと同じなのです。ポンプの故障は年がら年中なのです、特別に変わった出来事ではない、起こりうることが起こっているのです。


 小出先生のお話を聞いていると、事態はどんどん深刻な方向に行っている(と言うより、事の重大さを国と東電が隠していたのが、隠し切れなくなりばれている)と思われました。


 なお、内閣不信任案、種まきジャーナルの記者により、原発事故のことにより、爆弾的な事実を突きつけて、自民党筋通す模様です。が、海水注入中止は自民党不発であり、こういう政府を許しているのは何かと、平野さんの指摘がありました。菅内閣への不信感が強まっており、どこまで動くのか、と言うことです。国会も、攻める自民党に展望もないのです(菅内閣にも展望なし)。


 明日もお伝えいたします。