昨晩の小出さんのお話 4/14

今日も永岡さんがまとめてくださいました。

4/14(木)

 永岡です、毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」、今日も放送がありました。千葉猛さんの司会で、毎日新聞論説委員の榊原正春さんの同席でした。

 今回の震災、マグニチュード7の地震(余震ではなく、横綱級の地震)が4回起きている、千葉さんの仙台の友人より、耐えていた建物、道路が打撃を受けた(陥没、隆起)との話です。余震に関しては、どれくらい続くかは分かりません。

 福島第1原発ニュースで、昨日菅総理松本大臣の間で、福島の住民説明会、当面住めないと菅総理が発言し、松本参与は自分の発言と訂正したのですが、その情報で、村長が「これが国を操るひとの言葉か、我慢ならない」と説明会が紛糾しました。飯館村、政府への不信感が大きくなっています。


そして、飯館村畜産農家の山田さん(60歳)のお話(30km圏外だが、汚染地域)があり、避難の説明は、福島近辺は、いずれ戻れるという前提で仮設の借り上げを、飯館村からあまり離れていないところに作るので、ありがたいとのことです。畜産であり、離れられない、繁殖=赤ちゃんが生まれる際に目を配らないと死産、流産してダメになるので、できればお産に立ち会いたいとのことです。山田さんは避難するが、そこから牛舎へ通いたいとのことで、次々分娩する、10日くらい立ち会わないといけない、獣医に頼んでやらないといけない、と言うことです。


牛のえさは牧草、わらで管理するが、昨年の牧草が2ヶ月くらい、何とか4ヶ月ぐらい持つが、今年の牧草の収穫はダメで、8月以降の目処が立たないとのことです。今、牛を手放すかどうかの瀬戸際であり、食いつないでも年内一杯(放牧しても)、草がないのです。10代続いた畜産農家を止めないといけないとの決断もあり得るのです。年内を越えたら、輸入牧草を与えないといけないので大変な金額になり、淘汰するのもかわいそう、なのです。田んぼも作付け不可、今後の生活は、東電の保証金がどうなるか、今年の生活は行くが、来年の収入がない、来年も米の作付け不可となれば大変、津波地震より大変で、他のところと違い、追い詰められていると言うのです。


 今日の説明会で、避難の期間の見通しは出たものの、いつまで避難かは、村長も分からない、東電次第であるのです。先が見えない、牛をどうするかの決断を迫られているのです。来年以降、家族の見通しがないのです。

 東電には、上層部が来ていない、関連会社は良くやっているが、東電の本体が見えない、思いやりが見えない状態なのです。現地の苦しみは東電の上層部には届いていない、責任のなすりあいと言うのが所感です。国の対応は、「ただちに影響はない」とばかりで、今はそう言っていないものの、不信感をあおる発言を繰り返してきた、牛の肉からの放射能の発言もすぐに撤回する、責任がないやり方だと批判していました。国には、罹災者証明を発行して欲しい、それがないと避難できないというコメントでした。仮設と二重生活であるのです。


 引き続き原発事故のニュースで、2号機タービン建屋水位が上昇した(いったん下がったのに)、付近の水は2万トンあり、安定して下げられないということです。作業員で、100ミリシーベルトを超えた人が6人増えました。汚染水の処理は、薄めて、冷却水として再利用するようにする予定です(5〜6万トンあり)。汚染水にある海水を除去して使うのです。


 汚染水の処分場所が見つからず、さらに原子炉の冷却に大量の水が必要であり、フランスのアレバ社に依頼するが、建設に数ヶ月かかるのです。


 4月7日の宮城県震度6の余震で、女川原発1号機で耐震設計を超える揺れを記録しているのです(401ガル想定を超えた)。余震でも超えており、想定が正しいのかということなのです。


 福島第1原発で、半径10km圏内の行方不明者の捜索を警察が行い、10人の遺体が見つかりました。発見した遺体から高い放射線量が出ても、水で洗い流すのです。


 南相馬市から避難してきた子供たちが、地元の子供たちから「放射能が移る」と中傷され、ここでの就学をあきらめています。


 そして小出先生のお話、2号機の復水機への高濃度汚染水の搬入ですが、トレンチの水位がまだ上がっていること、当たり前であり、外部から原子炉に水を入れて、中の体積は決まっており、入れた水は出てくる、それがタービン建屋につながり、またトレンチに流れるのです。外部から冷やすからには避けられないのです。復水機の水はまた処理しないといけないのです。汚染水を、リサイクルして使う案が政府、東電から出ているが、建設に数ヶ月かかる。原子炉圧力容器から出て行く配管、入る配管が健全なら、送っている水をポンプで入れてまた抜ける、しかし、圧力容器に穴が開いており、入れたら漏れる、漏れた水は格納容器に入るので、格納容器の底から水を汲んで、それを原子炉に入れたらいいとのことが小出先生のアイデア、その途中に熱交換器を入れて水を冷やさないといけないのです。このループはかなり出来ており、余熱除去系があり、圧力容器が健全なら原子炉を冷やせるのです。こういうループ、工夫をしたら格納容器からくみ上げて作り上げられるのです。比較的容易に作れるのではということです。それでも大変な被曝環境であり、それが懸念され
るのぁ
G$9!#


 7日の余震で、宮城県女川で想定を超える揺れがあったことは、女川原発だけでなく、柏崎刈羽も比較的小さい地震で想定の3倍あり、浜岡でも小さいものありで、今までの想定が甘すぎたのです。それを最低限見直さないといけないのです。これまで、何度もあったのに、耐震設計指針を変えても、本質的な対策をしていない(その想定を超えた)のです。


 川又町の土に放射性セシウムが出て、その基準がなく、小学校の土に基準はないが、放射線管理区域に入る汚染があり、その中にましてや子供たちを入れてはいけないのです。年間20ミリシーベルトの半分の10ミリと国は言っていますが、とんでもないこと、日本の国には年間1ミリシーベルトと決められており、非常事態で、限度を引き上げて、国民が受け入れていない、子供は守らないといけないのです。1ミリシーベルトしか許されないのに、10ミリ我慢しろとは、どういう論理か、ということです。


 京都市が国の指針の、原発の半径10kmから20kmに変えたが、小出先生、原発破局的な事故になったら防災は成り立たない、福島も破局的なことにはなっていない、3km→10km→20km→30kmと、この程度の事故でもこの始末、破局的な事故なら話にならない、せめて、40km、50kmは考えないといけないのです。


 榊原さん、日本のエネルギー、原発推進派でも、ビル・ゲイツがもっと安心なものにしようとか、トリウムによる安全な原子力という人もいるのですが、原子力は、人間がそもそもコントロールできるのか、人間が扱ってはいけないのかについては、扱ってはいけない、安全なら都会に原発を建てたらいい、今回は福島、東電の範囲ではない、東北電力の範囲に東電が建てている、柏崎・刈羽も同じ、東電は原発を自分が電気を供給する範囲外に建てた、つまり、危険と東電は分かっていたというのが小出先生のお話でした。


 今回の福島の事故ですら、破局的な事故ではないとの、小出先生のお話、また原子力はそもそも人間が扱ってはいけないとのことは衝撃的でした。明日もお伝えいたします