伊勢大神楽訪問

25日の夜、甲府から夜行バスで京都へ。1月18日に使ったばかりの路線なので、慣れた感じで乗ることが出来たが、やはり途中で3時間近く停車している時間は眠れない。

6時に京都へ着いて、コーヒー飲んで目を覚ましてからJRで近江八幡へ。天気は雪。伊勢大神楽の加藤菊太夫組が東近江市内を回檀(門付けをして廻るようなもの)しているところを訪ねるのである。
http://www.ise-daikagura.or.jp/
太夫さんが自らの運転で駅まで迎えに来てくれて、ハイエースに乗り込む。車の中は神楽の道具を積んで人も乗れるように改造してあった。

用件は5月の韓国・晋州の仮面劇フェスティバルへの出演の打ち合わせである。一年中回檀をしている伊勢大神楽を招聘するのは難しそうだったが、なんとか日程をやりくりして回檀先から韓国へ来てくれるという。ありがたいことである。

車中、いろいろ話をしているうちに猿曳きの村崎さんや浅草雑芸団の上島さんと親しいことがわかり、ここでまた縁を感じる。上島さんには一週間ほど前に会ったばかりだ。

車が回檀している場所に着く頃に雪は雨に変わった。傘を差しながら獅子頭などを持って移動している組の人たちと合流。一軒一軒訪ねてお祓いや祈祷をするが家に上がったり、玄関先だったり、獅子を舞わす場所は様々だ。雨なので来ないと思って留守にしている家もあったが、ずっと昔から同じ日取りで廻ってくる大神楽を、ほとんどの家では米やお金を準備して待っているようだった。

このあたりは古い集落で、家は新しくなっていてもトイレが外にあったり、昔ながらのライフスタイルが残っていて興味深い。門を入って玄関に行く途中に立派なトイレがあるので公衆便所かと思ってしまったくらいだ。

早朝から廻っていたようだが、この日は午前中で回壇は終了。気温一度くらいの中での回壇は付いて歩いていても寒い。この寒さの中で笛を吹いたりするのである。
お昼をいただき、御神酒もいただき暖まってからベースキャンプとなっている宿舎に戻った。

回檀中の宿舎は合宿状態だが、組のメンバーは若い人ばかりで各々本を読んだり、パソコンやポータプルプレイヤーでDVDを見たり、そして練習をしたりしながら空いた時間を過ごしているようだ。
一時期後継者不足があったらしいが、今では日本各地からこういう若者が弟子入りしてきているようで、しかもみんないい面構えをしていて頼もしい。

韓国の話をしながらの夕食をいただき、そのまま宿舎に泊めてもらうことに。さすがに御神酒はいっぱいあり、たっぷりといただいてしまった。
そして寝る時間はまちまちだというが、みんな早寝で僕も9時にはアイマスクをしてグンナイ。

朝6時に起きて、7時には近江電鉄の八日市駅に立っていたのでありました。