初めての旭川ライブ

micabox2007-06-17

17日朝9時。車に楽器などを積んで札幌を出発、旭川へ向かう。高速道路を走るが東名や中央と違って車が少ないので走りやすい。途中、音内のPAで休憩をしたが、地物野菜などの直売ワゴンが出ていて、プレハブでは日曜だけの「手打ちそば」も。このあたりは蕎麦の産地なのである。
10時半頃なのでまだお腹もすかず蕎麦好きの高遠彩子は迷ったが、やはり食べることに。500円という値段を見てもそれほど期待は出来ないのだが。で、味はまずまず。
11時半頃、予定どおり旭川上川神社に到着。このあたりで一番大きい神社で、もともとここが北海道神宮になる予定だったというだけあって敷地も広く立派である。ステージになる能舞台に楽器をセットするが、能舞台なので床を痛めないように養生したり、神経を使う。客席は青白の幕で仕切っていて、なんか式典が行われるみたいだ。
当日入りの木津茂理が二時過ぎに到着して本殿でお祓いを受ける。本殿までの廊下には古いイヨマンテの写真が飾られている。侵略者である和人の神社がアイヌとどう折り合いをつけているのか気になっていたが、表向きはリスペクトの様子が伺えた。本殿の狛犬が木彫りの熊、それもちゃんと阿吽のセットになっていたのにはびっくりした。
リハも順調に進み、いよいよ本番。橋掛かりの手前で控えていると電源が落ちたという!!もともと薪能くらいのイベントしかしたことがないというので電源は心配で、二カ所から引いていたのだが、リハのあとに飲食の出店が作られ、そこで冷凍庫を使っちゃったらしく、コンセントから火を吹いたというとだ。
5時開演予定だったが10分ほど遅れてやっとスタート。一曲目はPAからCDでオケ出してもらって僕が一人で登場したのだが、ステージ上で紋付きを羽織って烏帽子をかぶり、いざ演奏を始めようとすると音が出たり消えたり。またトラブルである。どうやら電圧が安定しないらしい。MCでつなごうとするがマイクもNG。仕方がないので舞台の前に出て肉声でしばしトークタイム。芸人さんたちとのつき合いがなかったらこんな対処法は思いつかなかったかもしれない。
200人くらい集まってくれたお客さんは初めて我々を見る人たちばかりで少し緊張感があったが、このトラブルで連帯感も生まれたかも。
仕切り直して再スタート、二曲目で高遠がワンピースに真っ赤な振り袖を羽織って登場した時は「おおっ!」ってかんじで、こうなりゃもう安心である。実は能舞台なので足袋着用ということで衣装とのバランスで困っていて、急きょ着物を借りてきてもらったのだが、この振り袖が昭和初期のすごい良いもので高遠は大喜び。瓢箪からコマである。着物姿の茂理さんの歌と太鼓も大いに受けてライブは無事終了。夏至間近の北海道だったので終わった頃やっと暗くなった感じである。
それからCDにサインをしたり、片付けたりしてようやく打ち上げ会場に合流したのだが、全員腹ぺこでそこらに残っている食べ物をガツガツ食べる。実は弁当が出ていなかったのだ。10時半に蕎麦を食べていなかったらライブできなかったかも。
ライブをやってくれた人たちはみな今回が初めての経験で一生懸命やってくれたが、こういうこともある。ほんと、お疲れさまでした。そんないろいろあった旭川ライブだが、神社の関係者も喜んでくれてまた来年やってほしいと言ってくれたとか、ほんと、また来年やりたいものである。イャイライケレー。