10日

micabox2007-06-11

この日も朝食はパス。二日酔いである。自分で酒臭いのがわかるのだから困ったものだ。どうも前夜会場で仮面劇などを見ながら飲み過ぎたようだ。食事しながら飲んでいるぶんにはいいのだが、韓国焼酎20°をストレートで飲んでいるので酒ばかりになるときく。
この日は11時から仮面展の会場で「神楽説明会」というのをするのでその緊張もあり、起きることが出来たが体調は飲み疲れのピーク。
「神楽説明会」の内容はふだん日本でやっている「神楽VJ」とほぼ同じ。一緒に神楽を見に行っているチョンさんが通訳なのでやりやすかった。参加者は前日のシンポジウムに出席した韓中の研究者や学生。女子学生がけっこう細かい質問をしてきたので驚くやら嬉しいやら。やはりムーダンの国なので神懸かりには興味を持ったらしい。
終了後にチョンさんが「お昼ごはんはちょっと大変なものを食べますけど、いいですか?犬です」と。おおっ、ついにきたか補身湯!!中国の先生たちも一緒なので特別のものをと考えたらしい。
積極的に食べたかったものでもないし抵抗感がないわけではないが、韓国の立派な食文化なのでここは体験することにする。弟子も「私も大丈夫です」と。車で郊外に出て「その店」へ。立派な建物である。「欧米」の目を気にしてソウルオリンピックの時に表通りから姿を消すことを余儀なくされた犬料理店だが、犬の絵の看板があるわけではないので他の店と特に変わったところはない。
出てきたのはまず皮付きのゆで肉で、香草や生姜にヤンニョンダレをつけて食べる。そんなに臭みがあるわけではないのだが、昔はそのへんの犬を食べていたので臭かったのかもしれない。今は牛や豚と同じように残飯や配合飼料で特別に育てられているということだ。飲み過ぎで調子がよくなければたくさん食べられたかもしれないが、あまり量は食べられなかった。あばら骨の付いた肉も出てきたがいずれもとても柔らかく、スープもいい味をしていた。でもこれ一回でいいかな。
ビールに焼酎も出され、つき合い酒をしなければならないのでハードな昼食だった。でも補身湯なんだから、これで元気になるかもしれない。
宿に戻り少し休憩をしたあと河川敷の会場へ。高千穂神楽の準備をしているときに獅子をやることになる。本来独立した演目だが前日の公演時間が短くなってカットされ出番がなくなったので今日の最初の演目の「彦舞」のときに客席へ乱入させようという企てなのだ。少ない人数で演目をこなすと着替えなどでどうしても人が足りなくなる。それで僕に獅子の役が回ってきたのだ。獅子は二頭出るし、高千穂での本来の演目のような難しい動きはないので気楽である。本来のものははいずり回るのだが今回は歩き回ってお客さんの頭をかじればいいのだ。
高千穂神楽の公演は大好評のうちに終わり、夕食後高千穂の人たちは宿へ帰るが僕らはそのまま現場に残り、怒濤のフィナーレを待つ。毎年フィナーレは出演者、スタッフ、お客さんが一緒になって踊りまくったあとに「大綱引き大会」があるのだ。今年は「獅子舞」ならぬ「牛舞」による闘牛も混ざって大盛り上がり。ステージ横の広場で盛り上がっているうちにステージを撤収させるという知恵も働いているのだ。
11時過ぎにカムジャタンの店に移り、全体打ち上げ。カムジャタン打ち上げも三年連続だ。いろんな挨拶などあった後余興が始まったのだが韓国、中国それぞれ芸達者。さて日本はどうするのかな、と思ったら大阪から来ていた和太鼓グループのおばちゃんたちが「河内音頭」で盛り上げる。太鼓よりいいじゃん。そしてわが高千穂神楽は4人しか来ていなかったのだが僕らも手伝って「神楽せり歌」で騒ぐ。今はなかなか見られなくなった「せり歌」をここで見られてしかも参加できるとは。輪になって唄って飛び跳ねながらぐるぐる回るのである。もともと神楽をやれなかった若者とかが悔しいもんだから外で人目をひこうとする意味もあったという「せり歌」なので、打ち上げの余興にはもってこいだった。高千穂ってすごい!!
大騒ぎの打ち上げも1時頃に終わり、チェ・ヒーワン先生の手を振りきってタクシーに乗ったのであった。たぶん2時頃就寝。