9日

micabox2007-06-10

この朝も朝食はパス。代わりに弟子に僕の分を食べてもらう。
高千穂の人たちは市内観光に。僕はシンポジウムがあるので晋州城城址公園にある国立博物館へ。博物館の中のレクチャールームみたいな部屋が会場である。

今回は宮崎から高見乾司さんが来て発表をする予定だったが、急に来られなくなったので僕が代わりに高見さんの原稿を読む。
狭い会場だったので参加者はびっしり。毎年会う人たちもたくさんいて懐かしい。

午前の部を終わり、昼食をはさんで午後の討論会。学者はどこの国でも話し出したら止まらない。時間が足りなくなって僕の発言はかなり省略せざるを得なかった。
釜山から僕の老師、特に酒の飲み方を教えてくれたチェ・ヒーワン先生も来ていて再会を喜ぶ。先生はいつも酔っぱらってるみたいな飄々とした人なんだが、釜山大学教授で民族美学研究所所長。仮面劇の世界ではカリスマ的存在なのである。

シンポジウムが終わり、博物館を出て晋州城を少し歩くと今日の高千穂神楽の公演場所である広場があった。ちょうど準備をしているところだったので少し手伝ってから宿に着替えに帰る。そして焼酎を二本御神酒用に買って会場にとんぼ返り。
途中でサッカー日本代表のユニフォームを着た人を見かけたので声をかける。mixiで晋州のコミュニティーを開いている在晋州日本人のまっきいさんである。去年も見かけたユニフォーム姿だったのでmixiでコンタクトをとり、見に来てくれたのである。

神楽の方は当初は二時間の予定だった公演時間が一時間になり、みんな残念そうだった。「楽が出来てラッキー」とは考えない、たくさん見てもらいたいという、いい人たちなのである。
地べたに座るのにもかかわらず、お客さんもすぐ近くまで寄ってきて、いい雰囲気で公演をすることが出来た。最後の「雲おろし」で天蓋から紙吹雪が舞うところでは自然に拍手が起きた。

夜はみんなで河川敷の方の会場へ行って韓国仮面劇などの公演を見る。みんなは夕食を食べに焼き肉屋へ連れていってもらったが、僕らは会場に残り、売店で買ったゆで肉とかと焼酎で観劇。まっきいさんをスタッフに紹介することも出来た。

中国の儺儀はサーカスっぽいものや歌謡劇みたいな演目で、信仰色が薄いのが残念だが、まだ共産党独裁だし70年代から復活させているのだから仕方のないところか。
そのぶん韓国の仮面をつけた五行の舞が印象的だった。

伝統文化を取り戻すという目的もあるこのフェスだが、10回目ともなると「新しい試み」もいろいろある。これまでも伝統的仮面劇のスタイルや、その風刺の精神を取り入れた演劇があったが、今年は若者たちのブレイクダンスも登場、農楽の身体の動きを取り入れていた。もともと激しい動きのある文化だからそれも出来るのかな。
盆踊りじゃあブレイクダンスにならないからね。

宿に戻って高千穂の人たちの酒盛り部屋に混ざって飲み続け、就寝時の記憶なし。