22日から23日にかけて

宮崎の尾八重(おはえ)神楽に行ってきた。
宮崎空港からJRで高鍋に行き、現地の高見乾司氏に出迎えてもらう。高見さんは九州の神楽のオーソリティーで猿田彦大神フォーラムの世話人仲間。九州ではいつも先達をお願いしていて、「森の空想ミュージアム・九州民俗仮面美術館」を西都市に今年開いた。コレクションは元々湯布院の「空想の森美術館」にあったもので、宮崎に移ってきたのである。
高見さんには「銀鏡神楽」「村所神楽」「中の又神楽」「高千穂神楽」などをこれまで案内してもらっていたが、前々から「尾八重はいいですよ」と言われていたので、今回やっと念願が叶うことになったのである。
しかしこの日もあいにくの雨。今月に入って「御園花祭」「大元神楽」と雨に降られたので、これで三連チャンである。
雨の中、曲がりくねった山道を走る。標高700mほど上がって峠を越え、少し下ったところに尾八重の集落はあった。これより先に人家はないという山奥である。しかし中世には城もあり、文化的にも中心地のひとつだったとか。日本は不思議だ。
米良地方の神楽は屋外に「御神屋(みこうや)」という祭場を設けて行われるのだが、今日は廃校になった小学校の体育館に避難して神楽をすることになっていた。御神屋はその校庭に作られているのでいつもはこの体育館が仮眠所や酒盛り場になっているそうだ。
尾八重神社もこの学校の隣にあり、大元神楽の時もそうだったが氏神様の神社のそばに学校がある(あった)というのは良くあるケースである。
そんなわけで雰囲気はやはり物足りないが、寒さはしのげるしくつろいで見られるので夜通しの神楽が続いた身にはありがたい。
でも写真やビデオは趣がなさそう…。
夜7時から翌朝10時まで、途中ちょっと寝たがたっぷりと神楽を味わい、明け方の演目では舞も舞わせてもらった。もともと観客から舞い手を募って行われる演目なのである。これで「花祭」「遠山霜月祭り」に続いて三回目の「舞経験」である。ありがたい。
あと、どこかで詳しく書くことになると思うが、この神楽では「せり歌」という観客が舞に歌いかける歌がちゃんと生きていたのが収穫だった。椎葉以来である。高千穂や銀鏡にもあるはずなのだがもうあまり聞かれなくなっているので感動した。
あと、いつもの食べ物ネタとしてはイノシシ汁が旨かったなあ。顔の皮に毛が残っていてジャリジャリとしたのもご愛敬。シイタケの串焼きも味噌が塗られてて美味だった。