昨晩のたね蒔きジャーナル 8/30

8/30(木)

 永岡です、毎日放送ラジオのたね蒔きジャーナル、今日は千葉猛さんの司会、毎日新聞大阪本社論説委員の二木一夫さんの案内で放送されました。

 原発のニュース、運転40年の美浜1,2号機のストレステストの結果を関電は国に提出、関電は11基の1次評価を終えています。想定される揺れの1.6倍、津波は4.6倍耐えられるとしており、美浜町長、安全に余裕ありとコメントしています。東電は、福島に注水する水が低下し、午後3時頃、0.9〜1.5トン水が減り、4時半に元に戻しています。

 そして、小出先生のお話、福島への冷却水の量の低下について、危険はどうかについて、小出先生今聴いたところで、「もともと分からない」、原子炉は融けているが、炉心がどこにあるのか分からず、今回は冷却水の流量で、観測温度はたまたまその場所で変化なしかも知れず、実態は小出先生にも東電にも分からず、冷却して原子炉を融かさないようにしないと、どうして流量が低下したか、なぜかを注意して調べて原因を教えて欲しいのです。

 もし、流量が戻らないと、融けた炉心の温度が上がり、今はコンクリート接触する瀬戸際で、放射能が漏れる可能性が高まるのです。事故から1年以上なのに、事故直後の状況に戻るかについて、最後の防壁は格納容器で放射能を閉じ込める、これが壊れている可能性を小出先生疑い、東電は持ちこたえていると言うものの、今回のような冷却失敗だと、最後の防壁を失いことになり、大変な瀬戸際なのです。

 さらに、福島県で子供の甲状腺、35.8%にしこりが見つかり、福島県は良性のしこりはあると言うものの、小出先生「大変驚いた」、そんな大変なしこりの発見はこれまでの医学になく、もしよくあるのなら数字で示して欲しいし、福島だけでなく、日本全体の問題です。チェルノブイリ、事故の数年後に甲状腺がんが増えて、小出先生も調べられて、甲状腺の専門家ではないので調べていないが、ウクライナベラルーシの医師が、子供の甲状腺に異常があると言うのに、国際的に原子力を推進してきた人は異常なしとされ、数年たってそちらも認めた。原子力を認めたい人は、福島のことをなんでもないと言いたいが、早いうちに調査して認めないといけないのです。

 浜岡5号機に5トンの海水が入り、燃料集合体のところに鉄分が入った=鉄のさびがあるのですが、この影響、福島の事故で炉心を冷やすために、水が要るので、真水がなく海水を入れようとしたが、海水を入れると廃炉になるので、止めたかった。現場で苦闘している人に指示を出し、原子炉に海水を入れるのは致命的で、事故で入っても原子炉が腐食し、鉄分=錆で、原子炉という機微な機会がさびると大きな事故になる+錆ができると放射能の錆になり、冷却材に溶けてきて、そこら中で放射能の汚れを広げて、労働者が被爆する。これまでも原発で労働者の被爆を減らすために水質管理を細心の注意を払ってきたのに、その苦労が水の泡になる。小出先生、再稼動はやってはいけないと思い、しかし原子炉を進めたい人は浜岡でも進めたい。大飯の活断層のところでも進めたい、浜岡で労働者が被爆してもいいと言う人が原子力を進めているのです。

 今日の小出先生のお話をお届けいたしました。

 今日の特集、浜岡原発の再稼動の是非を問う住民投票のことについて、原発県民投票静岡の鈴木望さんのお話がありました。鈴木さん、お電話での出演です。  まず、県民投票の署名集めを始めたきっかけについて、復興支援も要るが、同時に貴重な教訓であり、静岡は福島と似た状況で、浜岡は福島と同じタイプで、東海地震震源域の真上にあり、福島の事故は他人事でなく、3・11を生かすため、県民に判断をさせて欲しいと、始めたのです。

 最初は静岡県民の反応は、鈴木さん、街頭署名を指定して、無関心の人もいて、バカモノと言われたこともあり、公共工事の関係者と思われるが、仕事がなくなる人から罵声を浴びせられ、いろいろな声があったものの、原発を深刻に受け止め、自分たちの声が活かされず進むのは不本意との空気が大勢になったのです。

 東西に長い静岡は、地域により意識が違い、御前崎で受任者(署名を集める人)の説明会を公民館で出来ず、ホテルのオーナーが原発反対でそこを借りて開いたら、7人しか集まらず、もっと受任者がいるのに、表に出たくない、関係を壊したくない(ホテルのお客は原発関係の人など)、地元の特殊な雰囲気があったのです。

 静岡、お茶のセシウム汚染もあり、直接の事故の影響はないが、風評被害がお茶、伊豆半島の観光が受けた+心理的に、切迫感が福島原発から受けた(強烈なインパクト)のです。

 原発県民投票のメンバーは3・11でそれまで原発は関係ないと思っていた人が大部分で、ごく普通の熟年世代が立ち上がり、自分たちの孫にツケを残すまいと、右、左に関係なく参加してくれたのです。結果的に16万の署名が集まり、これを鈴木さん予想せず、法定必要数が6.2万、これを超えるくらいと思っていたら、トータル18万の署名、無効署名も1割あり、有効なのは16.5万の署名で、多くの人が署名をしたいとなり、生年月日も書くとなると、止める人もいて、20歳以上でないとダメなので、18万筆の背後にもっと多くの声があったのです。

 直接請求になり、大阪、東京は議会で否決され、東京、大阪は大きな影響力があり残念だが、どちらも消費者の立場での投票で、全国どこでも同じで、住民投票は地方の問題にそこの住民がすべきで、消費者の意思投票は総選挙、国民投票の範疇との意見もあり、しかし静岡は違い、地元の問題をどうするかということであり、共通の立場+地域の問題を県民投票の可能性に見るのです。  東京、大阪と違うのは知事が賛成の立場を取り、今まで慎重なのに賛成したこと、鈴木さんも驚き、いい意味で君子豹変、なぜ変わったのかは、18万筆の署名の重みだということなのです。鈴木さん、他の署名集めで、今回と違い、今回は普通のおじさん、おばさんが署名してくれて、右も左も、反原発云々も関係なく署名してくれたのです。
 投票が実現したら、その結果は、浜岡は鈴木さん、再稼動NOになると思われて、それが地域の問題、国の問題でもあり、全国の原発のあり方に大きな一石を投じるのです。

 リスナーの質問もあり、県民投票で再稼動NOとなっても、官僚のあの手この手でやられるのでは、との声に、県民投票条例は投票結果を尊重し、民意がNOなら尊重せざるを得ないと言うのです。

 県議会の意向、東海地震の可能性は30年間で88%、その時に浜岡は大丈夫なのかについて、静岡県民が不安で、県議の生きている間に結果が出て、選択した結果になり、それを県議たちに強く言わないといけない、県民投票をやろうという結果になると鈴木さん言われるのです。

 南海トラフの想定、浜岡にも大きな津波が来るし、鈴木さん14代目、ご先祖から住み続けてきた地域に、子孫も住めるように頑張らないといけないと言われました。

 県の規模で原発投票は初で、鈴木さん、国民投票について、電力を消費する全国民の課題で、原発行政をどうするかは、総選挙でいくつもの課題ではなく、原発投票はシングルイシューでの結果になり、すべきなのです。

 鈴木さん、磐田市長を経験され、直接民主制について、市長を3期行い、間接民主制、議会制民主主義に欠陥があり、それは今の国会のテイタラクを見たら分かる、間接民主制で決められないことを、直接民主制で決めるのは、民主主義の熟度を上げる。スイスもイタリアでも、直接・間接民主制は矛盾しないと言われるのです。

 二木さん、鈴木さんの投票へのきっかけは3・11であり、署名活動に参加した人も孫のための熟年世代という事で、県民投票が実現したら静岡だけでなく、国民投票に行かなくても、声が上がり、大事な問題と言われました。千葉さん、代表の議会のやることに納得できるならやらなくてもいいことであり、主権者が出ないといけないことになったのだと言われました。

 私も住民投票に関ったこともあり、今日の鈴木さんのお話は感動的でした(何せ、神戸では30万署名を無視された)。鈴木さんのお話をお届けいたしました。