昨晩ののたね蒔きジャーナル 4/12

4/12(木)

 永岡です、毎日放送ラジオのたね蒔きジャーナル、今日は千葉猛さんの司会、毎日新聞大阪本社論説委員の二木(ふたぎ)かずおさん(元毎日新聞神戸支局長、今日から初登場、名前の漢字不明です、失礼!)の案内で放送されました。

 原発のニュース、福島4号機で冷却水が止まり(14時過ぎ)、プールに1300本の使用済み燃料があり、冷却停止の間に急激な温度上昇はなしとのことです。

 大飯3,4号機の再稼働、野田総理ら5回目の協議をしたのに、また先送りです。枝野氏、さらに議論がいると言い、地元要請先送り、明日も議論したいと言うものです。

 京都の山田知事と滋賀の嘉田知事、国に安全を要望で、1年間の応急処置ではダメ、再稼働には技術的な問題ありです。

 そして、小出先生のお話、福島4号機の使用済みプールの冷却停止、東電は水漏れを確認していますが、プールは28度で、温度上昇はなし、警報は水漏れ、異物混入と言い、東電の言う通りかについて、小出先生、このニュースを初めて知り、今までは冷却装置が動いており、これを維持してほしいと願っていたのに、停止したら温度が上がり、何とか早めに冷却装置を再稼働させて冷やさないと、長期間冷やせないと、メルトダウンにもつながり、冷却維持が必要なのです。

 元のように冷やさないとダメと、小出先生だけでなく原子力関係者は知っているが、大変な被曝環境で、しかし冷却はやらないとダメなのです。

 二木さん、原因について質問され、冷却回路が出来ない=流量が出ない→ポンプの不調、目詰まりを解消しないといけないのです。

 リスナーの質問で、4号機の倒壊リスクはあるものの、1〜3号機の使用済みプールについて、問題の基本は同じ、使用済み燃料があり、これの冷却が出来ないと放射能が飛び出すことになり、しかし1〜4号機に爆発があり、使用済みプール最悪の爆発は4号機(1〜3号機は最上階の空間なのに対して、4号機はプールの埋め込まれているプールが吹き飛び傾いている)、壊れるのを心配するのは4号機(最も危険)なのです。

 群馬のリスナーから、福島以外の使用済みプールも危ないのかについて、停止しているものでも、冷却できない、停止しても安全ではないのかについて、もちろん安全ではない、原子炉を動かすと膨大な核分裂生成物が出来て、1基で1年に広島原爆の1000倍の核分裂生成物があり、それが使用済み燃料にあり、それを冷やせなくなると放射能が出る、原発を止めても、それで終わるのではなく、危険に付き合わないといけないのです。安心まで、100万年かかるのです。

 リスナーより、茨城や東北で魚が禁漁になり、海や魚の汚染、次世代の汚染について、小出先生海は専門ではないが、皆さんもご存じのとおり、津波での瓦礫がアメリカに到達しており、海に流れたらもうおしまい、放射能も太平洋のあちこちに汚染され、福島は禁漁で猛烈な汚染はないものの、大部分は親潮に乗り南に行くが(海岸沿い)、福島近海は汚れていて、いつ漁業再開かが問題で、陸地の汚染物が海に出て(問題は東京湾→そこから概要)しまう、非常に長い汚染が続くのです。

 今週も小出先生のお話をお送りいたしました。


たね蒔きジャーナル、続いて、東電の国有化(公的支援3.6兆円!)をテーマにした「国策民営の罠」を上梓された慶応の竹森俊平さんのお話がありました。竹森さん、スタジオに来られてのお話です。申請が通れば東電は国有化されるのですが、この点のお話です。

 竹森さん、国際経済学が専門で、国際的な金融危機に興味があり、しかしよその国より日本の危機、金融危機に関係あるものが東電にあり、これだけ危険なことをやっていたのに、高く安全性を評価され金利も低く、それに付け上がった(アメリカの住宅ローンの低い金利のバブルと似ている)ので、調べたら、いろいろなことが分かったのです。

 企業としての東電、張子の虎(見かけは立派で中身なし)、負債超過、実質破綻であり、事故の時点で破綻なのです。その東電に、潰れようが、電気は要る、東電は金がないと発電できず、金を出してやっている。最初は政府が金を貸す(借金)だが、政府の金は株であり、株は配当あり、負債超過だと紙くずになる(長銀など)。株主に泣いてくれと言うのがショックアブソーバーであり、借金を返す、返せないと破綻である。このショックアブソーバーがないと金を貸してくれない、ちょっとでも損が出たらおしまいで、事故が起こる前は2兆円の資本金があったのに、ここに資本を入れないと潰れる、電気が作れないのです。

 つまり、当初は政府が金を貸し、東電に貸している人を守るための緩衝材を入れたわけです。

 東電の破綻は出来て、それが一番良かったのに、事故の時、将来の賠償で、東電は5兆円の試算があり(社債)、2つの法律、原子力損害賠償法+電気事業法社債保有者を守る)、社債は賠償より上に来る、東電が潰れるなら、最初に守るべきは社債で、50年前の法律であり、そうでもしないと電気が作れない(敗戦後、電気も資源もなかった時の法律)。社債は大丈夫として、しかし破綻は、資産を売却し、潰れたら再生するが、新しい企業になり、新しいものが東電の試算を買って変わる。枝野氏はりそなを想定し、新しい企業は原発は毒性の粗大ゴミだからいらんとなり、売れるもの、役に立つものだけ集めて新しい企業になる。電気は必要であり、火力に投資する金が要り、マーケットから金をとるには、福島は外さないとダメ(どれだけ負担になるか分からない)。

 しかし、国は破綻させず、これを、新しい企業にしたら、東電は垂直統合(発電+送電、地域独占)のままで新しい企業が引き受けたら、東電同様の規制は国から付く。電源3法で地元に優遇する、その国との関係は保つが、原発は普通の商売より大きなリスクがあり、国が管理するしかない。スリム化して、計算の立つビジネスにするのです。

 社債を被害者より優先すること、これをやらないと、国債金利に影響する。国が、金が払えないから歪めると、国債の規則にも影響し、国の信用に影響する。誰かが負担するもので、社債保有者を泣かせるのか、一般国民を泣かせるか、なのです。

 破綻させると、事故の進行で、東京撤退もあり得て、今の政府に50年前の法律を見ての判断が付かなかったのです。政府の能力は、判断できない政府であったのです。一番重要なことの判断が出来なかったのです。

 国はいつまでも国有化するつもりはなく、いつかは民間に売る。しかし、売れないものは売れず、福島、柏崎の稼働は、民間は要らない。負の遺産も付けて運営しないといけない、負の遺産があると民間は手を出さず、今東電の株を誰も買わない。国がどれだけ決定権を持つか、国有化は仕方ない、国のエネルギー政策で、原発から離れるならその覚悟が必要、東電と一心同体の国の状態で、国が経営に関与するのは当然なのです。

 50年前の法律、原子力損害賠償法、電力会社は保険に入る、それで福島は1500億カバーされ、しかしそれを越えたものは、この法律を作った意図は、超えたものは国がカバーするとしたくて、しかし大蔵省、反対して、結局1500億を超えたものは「支援する」となり、東電が潰れないようにカバーするとして、自民党ならそうなっていた。しかし民主党原子力を進めたわけではなく、支援するとあり、潰してはいけないと書いていない。民主党は潰していいと解釈したらよかったのに、そこまで踏み込めず、しかし国が全部負担するでもない、生かすでも殺すでもなく、徹底的にいじめ抜くのが民主党のやり方なのです。

 被害者への補償は、張子の虎、1兆円は出ず、国が出すしかない、電気代か税金であり、東電は1兆円燃料費が高い(ウランよりガスが高い)、竹森さんこれは価格に上乗せは仕方ないが、賠償責任、廃炉、除染の費用は電気代に載せてはいけない、資源配分をゆがめることになる。賠償、廃炉は税金でやるべきなのです。

 リスナーより、株主のための救済への批判もあり、二木さん、原子力損害賠償法、原子力の平和利用と言われていた頃でも、責任をどうするか明記していなかった、当初から何かあれば大変なことになるのに、事故のリスクを怠ってきたわけで、政府のデタラメも千葉さん感じられました。被害者の救済第一でないことに疑問もありました。二木さん、新聞は締切があり、ラジオは秒単位でやることが新鮮とのことでした。

 今日は、竹森さんの、国有化のお話をお届けいたしました。