昨晩のたね蒔きジャーナル 3/6

3/6(火)

 永岡です、毎日放送ラジオのたね蒔きジャーナル、今日も水野晶子さんの司会、毎日新聞ほっと兵庫編集長の平野幸夫さんの案内で放送されました。

 原発のニュース、福井の敦賀原発1,2号機を通る活断層が、過去の想定の2倍のマグニチュード7.4の地震を起こす可能性があることが分かりました。今までの想定はマグニチュード7.2で、活断層の長さも全長35km、これに他の活断層が連動する可能性があり、安全性の確認は、近くに原発もんじゅもあるので大変なのです。平野さん、敦賀原発は81年に取材して、勾配の高いところを削って作っているので、地震では山崩れが怖いと言われました。しかも、1号機はそんな深刻な対応なし+寿命が来ているのです。

 そして、昨日の上田さんによる原発労働者の実態は大変な反響を呼びました。原発人海戦術、原始的であると平野さん言われました。労災認定では大変なことになるとのことです。リスナーの原発へのイメージも変わり、作業員の被曝管理はデタラメ、これに関して、原発労働に詳しい弁護士の中西基(かなめ)さんのお話が詳細にありました。中西さん、スタジオでの出演です。

 中西さん、昨日の番組を聞いておられて、リスナーも昨夜の放送に衝撃を受けています。どうしてこんなひどいことがあるのか、人権侵害について、まさにその通りで、原発は必ず被曝する、誰かがしないといけない、事故前まで原発労働者の環境はマスコミでは報じられず、しかし、3・11以降もあまり出ておらず、それだから昨日の放送が大反響なのです。

 安全管理が杜撰という指摘があり、法律はあり、労働安全衛生法、それに基づく省令はあるものの、福島はそんなものが想定するものではなく、戦場である、誰かが犠牲にならないといけなくなっているのです。

 作業員の安全管理が杜撰だと法律違反になり、非正規雇用の人でも誓約書を書かされ、劣悪な中のことを外でしゃべるなと言われており、平野さん、これは労基法違反かと聞かれて、中で働く人は声を上げるとクビになり、違法と知りつつやっていたのです。

 監督官庁厚労省原発経産省)から待ったがかからないのかと言うことについて、現場の労働者が声を上げられず入れない+普通の職場だと抜き打ち調査があるのに、原発はそれが出来ず、実態が出てこないのです。

 中西さん、去年6月に福島に行かれて、話を聞いた人は、事故の前は福島の工場で働き、手取りが14万円(高卒、正規)しかなく、原発で働くようになったということで、お金の面で働き、末端にピンハネされるものの、月に20万、他より給料は良いのです。日弁連、検証・原発労働と言う本を出して、ピンハネ率93%!(末端に7%しか行かない)。20次!の下請けまであり、10万円元請けに支払っても6500円しか末端に行かないのです。

これは、4次、5次の下請けは当たり前、6〜7次まであり、定期検査の2,3カ月に大量の人手が要り、その時だけ人を集めていく=人出し、人夫出し、定期検診のために正規社員を持てず、その時だけ人をかき集めてきたのです。正規社員の維持は、雇用する側には不利で、一人に長くたくさん被曝させられず、別の人を呼んでこないといけない。原発は必ず被曝し、必然であり、労働時間は1日4時間、人海戦術で交代させるしかないのです。放射線管理区域には防護服を着て、放射線管理が要り、検査に3〜4時間かかり、そのため1日4時間しか作業が出来ないのです。

そのため、必要な人数のみを集めてくれる業者が必要であり、リスナーより、同じ仕事でも、何次下請けかで給料に差が出る、これは労基法違反と指摘があり、中西さん、同一労働同一賃金は定められていないが、国際的に見たら常識であり、これは働く人にはやりきれない問題なのです。

 下請けはピラミッドで、東電は元請けが把握しておらず、もちろん労働安全衛生法違反であり、作業内容、労働者の数を把握しないといけないのです。危険を回避する教育の義務もあるのに、ヨウ素剤も意味が分からないものとのこと、事故後、どれだけ安全教育が行われたかもあるものの、原発では安全教育は必要で、事故前もいい加減であり、安全だから大丈夫と言われていたのです。

 さらに、いざと言う時の補償の問題もあるのです。被曝を防げず、これは普段もそうであり、事故なしでも原発放射線管理区域で、防護服なしでは入れない、被曝限度が緩められ、普段の10倍以上にされたのですが、事故直後は作業員の放射線量も話題になったものの、その後聞かない。中西さん、線量管理は厳しくやっているものの、事故後の数人に一つの線量計は改善されたと言うものの、まだまだです。

 原発作業員が病気になれば、労災が認められるか、がんで労災になったことは75年以降で10人だけ、しかし働いているのは何十万人で、がんで死んだ人はたくさんいるはずで、認められないケースもあるのです。リスナーより、民間の保険と東電が契約して保証しているかは、していない、放射能健康被害(晩発性)は因果関係の証明が難しく、たばこなどの他のせいにされてしまい、放射能でがんと言うのを医学的に証明するのは困難なのです。訴訟で争っても、認められたケースはないのです。企業も労災を申請するなと、金を労働者に積んだと、フォトジャーナリストの樋口健二さんの本にあったのです。

 弁護士として、労働条件の改善への支援は、中西さん難しいと言われて、労働者の相談には乗るが、声を上げられないのです。これが一番難しく、日弁連で調査して、またラジオで話して世論の喚起をしているわけです。国民世論が声を上げないとダメなのです。顔も,名前も出して話せる環境が必要です。

 多重下請けは偽装の請負との指摘もあり、形では請負なものの、大工さんに家を建ててもらう請負のように、何時に出勤してどの作業をせよとは家では指示しない、命令してはいけない人が命令しているのです。

こんな現実でも人が足りず、これから、厳しい状況に追い込まれる人が増えていき、たくさん福島で被曝するので、被曝して働けなくなった人もいる、事故の収束に何十年かかり、作業員がどれだけ要るか分からない、この人たちを守る仕組みがなく、しかも政府は原発再稼働を進めており、原発ではコントロールルームのことしか報じられない、しかし、現場で雑巾で拭いている人がいないと原発は成り立たないのです。お金で苦しんでいる人がここで苦しむ(人を安く使いたい)、お金に困っている人にしわ寄せが行くのです。

 リスナーより、原発への認識が分かり、技術面での原発の認識が変わり、さらに労働者につらいシステムと知り、戦慄したという声があり、原発監督官庁が機能していない状況なのです。国が国策でやってきたためで、平野さん、政治がやるべき、政治は弱い立場の人を守らないといけないと言われました。リスナーより、原子力村は立場の弱いものを利用するものとの指摘もありました。

 明日は、小出先生がスタジオに初めて来られて、東工大の澤田哲生さんとの対談があります。以上をお伝えいたしました。