昨晩のたね蒔きジャーナル 9/15

9/15(木)

 永岡です、毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」、今日は千葉猛さんの司会、毎日新聞大阪本社論説委員の近藤伸二さんの案内で放送されました。


 原発事故関係のニュース、保安院は、東北電力などの報告(機械の寸法など)に誤りがあり、再点検が終了しないとストレステストは行わないのです。信頼度が高まらないといけないのに、近藤さん、同じことがいくつも起きており、行政と電力会社のもたれあい、癒着がなかったかはっきりして欲しいとのことでした。9箇所の原発でのミスであり、何か原因があるのです。


 使用済み核燃料の高レベル廃棄物を積んだ船が六ヶ所村に来て、廃棄物は関電、四国電力らのイギリスでの処理の後であり、日本原燃で一時保管、その後は決まっていません。


 岩手などで産廃焼却施設で岩手、千葉、福島で1kgあたり8000ベクレルを越すセシウムが出て、福島で14万ベクレルなのです。


 そして、小出先生のお話、リスナーの質問で、放射性生成物で、様々な核種で問題になるのはセシウムヨウ素ストロンチウムで、他のものが問題にならないのはなぜか、について、核分裂で200の放射性核種が生まれて、問題はセシウムヨウ素(事故当初)が問題、これは環境にとても逃げていきやすいのです。セシウムヨウ素より逃げやすい希ガス(キセノン、クリプトン)もあるが、完全にガス体で、全量環境に出て、人間が吸い込んでもたまらないもので、地面にも沈着せず、事故当初しか問題にならないのです。そのため、ヨウ素が当初、長期はセシウムが重要なのです。広い範囲に広がるのがセシウムなのです。ストロンチウムもあり、プルトニウムもあるが、環境に出た量はセシウムが圧倒的に多いので、注意しないといけないのです。


 セシウム、ガンマー線を出すので、しかしアルファ、ベータ線は、セシウムベータ線を出し、そしてガンマー線を出す、アルファ線は紙で防げる、ベータ線はノートとかで防げるので、外部からの被曝はガンマー線が問題、しかし、体に取り込むとアルファ、ベータ線も問題なのです。

 
 除染する対象、毎時1マイクロシーベルト以下のところは福島県の1/7の2000平方キロになり、ここまで除染しますが、この面積、毎時1マイクロシーベルトは高すぎる、年8〜9ミリシーベルト、国の限度より一桁高く、これが問題です。この区域のセシウムを除去して、東京ドーム80杯分の土が出る、処分する施設を建設する現実性はないのです。中間処理施設は、浅い土に埋めるのですが、処理例は、コンクリートの容器、プールの中に入れる案もあり、今回、こういう案を取らざるを得なくなるかも知れないのです。あくまで中間施設であり、現実には、普天間同様、政府の説明で、仮に中間施設を作れば、二度と動かせないと覚悟しないといけないのです。


 環境省は除染の範囲を狭めて、土の量を減らしたいと思っているのですが、入れるのは砂漠のオアシスみたいになる、生きていくには様々な施設、お店、医療機関、上水、下水もいる、砂漠の中のオアシスでは生活が成り立たない、生活をあきらめないといけないのです。


 地元は早く帰りたいと、川内村は来年3月に帰還宣言を行い、年間1ミリ以下としたら帰るのですが、これは大変言いにくいが、出来ない、全部の除染は無理、砂漠のオアシスを残す帰還は無理、帰りたい気持ちは痛いほどわかるが、国のほうが、別の土地で生きられる方策を採るべきなのです。


 ひまわり、これも効果がなく、土を剥がすしかないのです。


 小出先生のお話は厳しいですが、これが現実です。これを、お知らせいたしました。


続いて、たね蒔きジャーナルMBSラジオ報道の亘佐和子記者による、宮城県気仙沼の報告がありました。


 亘さん、宮城県気仙沼で、宮城の北の端、水産業の町で、町の中は魚市場など、水産加工業者があったと思われる(津波被害で営業されていない)のです。千葉さん、宮城出身であり、水産業者のラッシュだったのに、水産業があったのかと思ったほどです。魚市場ではかつおを取っており、工場が被災し、魚市場で作業しているのです。地盤沈下がひどく、冠水しているのです。気仙沼は水産が雇用の7割を支え、多くの人が解雇され、100件の業者が全て被災、冷凍施設が被災し、再開できたのは数社なのです。全ての業種に影響が出るのです。


 被災者の就職面接会が行われ、31社が参加し、コンビニ、仮設に開くので店長募集があり、被災者を募集したいのに、水産業者の参加は1社だけで、面接会に来た人、いろいろな業種の人が来ていたのです。仕事を探したいけれども、今出来る仕事が見つからないのです。家の近くで探したい人が多く、みんな車を失い、車を買えない、電車もなく、地元で仕事を見つけたいが、車を失ったのが大きく、有効求人倍率、0.33、宮城で最低、全国と比較しても低く、ハローワークに震災前の10倍の登録があるのです。多くの人が職を求めるかと思いきや、ハローワークからの説明もあったのに、学生の就職面接のように動かず、待っている、求人の内容を見て、ブースに行かない、ハローワークの人がブースを回ってくれと言うほどなのです。切迫した感じではなく、意外なのです。参加者は予想を下回り70人(200人を予想)、ブースを見たら、しゃべっているブースは4,5箇所、他は空いているのです。被災者を雇用したいのに、じっと待っているのです。


 気になる人がいて、女性グループ、ブースに行かない、同じ水産業者に勤めていて、被災し解雇された、元勤めていた会社に戻りたいのです。そのため、新たな職を探すのに躊躇されているのです。自分たちの技術に誇りを持ち、会社に重用されていて、何とか、元の会社に雇って欲しいのです。こういう方は多く、このイベント、様子見の人が多くなってしまったのです。しかし、元の会社は事業再開の要素は、各企業仮設プレハブから始めようとしているのもある、11〜12月に再雇用の声をかけてもらえそう、しかし、全員採用はされない(ラインが一部のみ復帰)のです。一部の人しか雇用できないのです。希望はあっても、雇用は難しいのです。


 失業手当が来月切れる人が多く、失業手当、最短90日、それに12日の延長があったものの、10月に切れる人が多く、ハローワーク、10月以降、条件を変えて仕事を探さないといけないのです。


 被災した元の場所は建築制限があり、地盤沈下がひどく、かさ上げを民間の土地で、民間でやるのか、市がやるのか、何も決まっていないのです。どうしていいか分からない企業も多く、土を1m盛るのに1年かかる、それで気仙沼を出る企業も出てしまうのです。


 岩手の陸前高田に会社を移したところもある(建築制限がない)、気仙沼以外の流通ルートができてしまい、元のように、気仙沼にたくさんの魚が下ろされるのは難しいのです。


 国、県が復興のグランドプランを決めないといけないと千葉さん言い、先が見えないと、復興できないのです。お金がどれだけ出るか分からない、各企業が迷っているのです。


 私も阪神・淡路大震災で、企業の被災を見ましたが、今回の東日本大震災の被害ははるかに大きく、絶句しました。これを、お伝えいたしました。