昨晩のたね蒔きジャーナル 7/28

今日も永岡さんがまとめてくださいました。

7/28(木)

 永岡です、毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」、今日は千葉猛さんの司会、毎日新聞本社論説委員の池田昭さんの案内で放送されました。


 原発事故のニュース、宮城県産の牛肉からセシウムが検出され、政府は宮城県に出荷停止を指示しています。岩手でも複数の牛肉の汚染があり、出荷停止の模様です。


また、福島事故の作業員の250ミリシーベルトに引き上げましたが、他の原発で働く場合は別枠にするように厚労省が指示しています。4/1の厚労省保安院が、現在の規制値だと、福島の作業員は他の原発で働けず、作業員が1000人不足するので、原発の技術を持った人が渡り鳥のように働く場合もあり、しかし、今のままでは原発で働く人が足りなくなり、つまり、最大350ミリOKになるのです。作業員が足りないから逆算されているのです。保安院は東電の要請で拡大を求めているのです。基準の設け方に、池田さんの批判がありました。


そして、小出先生のお話、上記の被曝限度の値で、特例250ミリシーベルトで不足すると、一生で1000ミリの限度と要請し、「決めた人がそれで働け」と言うことです。一生でそんな被曝はありえない、事故収束のため働けと言うのであり、決めたものがこの値でやるべき、普通の人は年間1ミリ、つまり1000年分被曝しろということであり、20ミリが限度の人でも50年間、「到底ありえない被曝」なのです。東電が被曝量の予測をして、それは正しく、作業員が足りなくなるのです。収束の見通しは分からない、チェルノブイリは収束に60〜80万人の軍人、作業員が要った、日本ではそれはできないから、一人の被曝量を上げざるを得ないと言うことなのです。


リスナーの質問、埼玉の方から、6/30、福島の子供の尿からセシウムと聞き、10歳の子供の尿を検査したら、セシウムが微量出て、福島の1/10より大きく、子供の内部被曝が心配されるのですが、「福島から出た放射能は福島だけでなく、全世界を汚している」、子供も含めて汚れるのは避けられず、子供の尿から必ず検出されるのです、そういう世界になってしまい、内部被曝もしているのです。大阪の土、食べ物も汚れているのです。汚れは、防げないのです。


東京のリスナー、内部被曝で起こるのはがんだけか、妊娠して、胎児に影響が出ないかは、あると思われるが、データは原爆被爆者のデータであり、「被曝2世の影響は未だに良く分かっておらず」、男も、女も被曝し、確たるデータがないのですが、被曝の影響は必ず出るのです、が、確定したデータはないのです。


イギリスのリスナーから、イギリスのほうが日本より福島事故のことをよく理解しており、日本では福島事故は収束していると思っていますが、BBCが危険性を訴えているのです。海外の方が日本よりよく伝えていますが、隣の国への影響は、隣どころか全世界に出る、大気圏核実験は全世界に被害を及ぼし、今は福島の事故の被害が全世界に出る、イギリスはウィンズケール再処理工場も事故もあった、アイルランド政府から停止要求が出ているのに、海に放射能を出しているのです。日本の人は、福島は収束していると思っているが、「BBCの方が正しい、福島は収束はしていない」のです。


今日のお話は以上です、来週もまたお伝えします。


たね蒔きジャーナル、続いて、大阪空襲訴訟を闘っている新聞うずみ火代表の矢野さんのお話がありました。私も今日矢野さんとお会いし、これも原発とは直接は関係ありませんが、お伝えいたします。


 リスナーのメール、大阪空襲で一番被害を受けたのはどこかについて、第1次空襲(1945年3月13日深夜)、大阪に50回以上空襲があり、浪速区、西区、大正区が焼け野原になり、その後8回の大空襲で大阪は壊滅状態なのです。15000人亡くなり、被災者は120万人になりました。


怪我をして、人生を送る人、原告23人のうち、焼夷弾で腕をなくした人もいて、生まれたばかりの時(生後2時間後)焼夷弾を受けた人もいます。焼夷弾はナパーム剤があり、高温になり、日本の建物は木で出来ており、それを破壊するのです。防空壕が火の海になり、この方はたまたま通りかかった男性に助けられたものの、当時薬もなく、大変な怪我をしたのです。この方、6歳の時に他の人と違うと気づき、大変に傷ついたのです。中学2年で足を切断し義足、そのためこの方、温泉に行けないのです。この方の戦争はまだ続いているのです。


 戦争で、空襲被害者を国が救済すること、国は、戦争は我慢しろと言っている(戦争被害受忍論)のに、軍人・軍属に50兆円の補償をしているのです。これは、等しく我慢しろと言って、民間に補償ゼロは憲法違反ということです。また、海外からの引き上げの人にも援助して欲しいと、また、広島、長崎にもわすがながら補償されている、唯一、空襲被害者が補償を受けていないのです。


 軍人、軍属は政権の支持者で、そのため支援を受けているのです。また、防空法により、B29が来ても逃げるなという法律(罰則あり)があり、当時のお金で1000円(初任給50円の時代)、逃げずに消火しろということが分かったのです。が、焼夷弾の火など、消せない、体に付いたらそれで終わりなのです。火を叩いて落とせと言われて、たくさんの犠牲者が出たのです。国は分かっていて、そんなことをさせた(逃げられたら誰も火を消さないから)のに、保障していない、これは人権侵害なのです。被害を拡大させたのは日本国なのです。


 火は消せないなら防空壕に行けと言うのに、戦局悪化で、家の中に防空壕を作れと言われて(家がやられるのに)、防空壕は一時的な待避所、避難するところではないと日本政府は言い出したのです。つまり、避難をするなと言うことなのです。そんなことを、国が国民に命じていた、つまり、国の政策による人災と、原告弁護団が主張しています。戦場の前線より危険なのです。


 民間空襲被災者は数が多く、補償したら国がパンクするのですが、それで補償しないなら、人権はあるのかということなのです。


 他の国は、旧西独、イタリアは、民間と軍人・軍属の差はなく、自国民だけでなく、外国人でも、空襲を受けたら、補償しています。イギリスほかの戦勝国も同じなのです。が、日本だけ国は受忍論を一方的に押し付けているのです。それで、棄却しろと国は言っているのです。


 東京でも裁判があり、大阪の1年前に132名で裁判になり、2009年12月に棄却されました。冷酷なものでした。が、国の受忍論は出てこず、「司法の判断を超えている、立法でやれ」と裁判所が責任逃れしているのです。人権侵害の駆け込みに応じていないのです。


 原告は81〜66歳、平均77歳、原告で亡くなった方もおられます。原告の思いは、自分たちと同じ思いをさせたくないのです。「受忍論」があると、日本はまた戦争をやってしまうという思いから、子供や孫に本当の平和を渡したいという思いで、裁判を闘っているのです。


 うずみ火、大阪空襲訴訟のDVDを作成し、40分ほどのもので、なぜ原告が訴えているのか、がわかります。7月30日、クレオ大阪西で行われます(以前お伝えしたとおりです)。


 矢野さんのお話は以上ですが、今は、焼夷弾ではなく、放射能が降り注いでいるのです。これは大阪空襲だけではなく、原発事故被害も同じと思いました。福島に、そして全国に66年前の惨禍が再現されると思いました。矢野さん、お疲れ様でした。