今夜の小出さんのお話 4/11

寛子さんからのメールをいつものように貼り付けました。
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今日も永岡さんがまとめてくださいました。

4/11(月)
 
 永岡です、毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」、今夜も京大原子炉研の小出先生のお話がありました。毎日新聞の平野幸夫さんも同席されていました。


 まず原発のニュース、これがなければ被災地復興は早く出来ていたとコメントがあり、停電、断水でも打撃が大きい(阪神・淡路でもここまで酷くなかった)、今の政府の対応への苛立ちが選挙に出たと平野さんも指摘されていました。

 そして、6時前に震度6弱を福島で観測、原発の電源が一時止まりました。保安院は問題なしと言っていますが、作業員は一時避難させました。1号機への窒素注入は続けています。

 他の原発、柏崎・刈羽は問題なし、東海も問題なし、女川、東通は外部電源OKです。


 高濃度汚染水移動は、今日は見合わせられました(6万トン)。比較的低い9000トンは捨てられました。1号機に水素爆発を防ぐために、窒素を入れるものの、格納容器の水素は爆発の範囲を脱したものの、格納容器は圧力が一定で、ガスが漏れている可能性ありと言うことです(ガスを入れて圧力が上がらないのは漏れていること)、窒素の代わりに抜けているのが何かは不明です。

 枝野長官は、20km範囲外の汚染地帯を計画的に避難させるということです。20ミリシーベルトに達すると積算放射線量が増えるので、この区域内に1ヶ月以内の避難を求める(ICRP国際放射線防護委員会の緊急時1年間に浴びてもいい一番低い量、普段に浴びてもいいのは1ミリ!)のです。 

 20〜30kmは常に屋内退避が求められる(すぐに避難できる)ようにしておくとのことです。

 事態が悪化して放射能が出るリスクは小さくなったと枝野氏は言っていますが、理由は言っていません。


 ここで小出先生登場、6時前の地震で、震度6弱でしたが、原発の注水作業が止まった(50分外部電源が止まった)ことは、リスクはあった、原子炉は常に冷やさないと融ける、水を入れ続けないとダメで、苦労して1ヶ月冷やしてきたが、はじめは電源なしで消防ポンプ車で入れて、今電源があり水を入れたが、作業員は被曝し、50分で済んだのは幸いである、冷却できないと、炉心破壊が進行した、もし1日冷却できなければもっと困難になっていたと言う事です。

 炉心の変化のデータはまだ分からないことです。破壊が進まなかったなら幸いとのことです。


 地震の前に、事態が悪化して大量の放射能が出るリスクがなくなったと枝野氏は言ったのですが、核分裂が停止したと思っていたのですが、再臨界の可能性がある、闘っている相手は原子炉の炉心の核分裂、発熱する、この核分裂物の寿命があり、1日持ちこたえたら1/10に減る、その後1週間で1日後の半分に減る、そのため、1日〜1週間で勝負が決まる(冷やせるか、放射能が勝つか)と思っていたが、1ヶ月経った、放射能は弱まっているのですが、放射能は1/3に減っているものの、ここまで持ちこたえたのだが、持ちこたえる可能性があるものの、福島の人も疲れている、専門的な能力を持っている人が被曝限度になり、人間が持ちこたえられるかは不明、敵も、人間も弱っているのであるとのことです。

 1号機の格納容器に窒素を入れているが、圧力が上がらない、これは漏れているからで、もともと漏れている、リスナーから、1号機の格納容器のセンサーが測定限界(100シーベルト/時)を超えているのでは、という指摘に、センサーが破損していると東電は言っている、格納容器内の放射性物質が図りきれないか、壊れているかは不明です。


 毎日新聞の昨日の朝刊で、小出先生、冷却水漏れのため、全体に循環して水を入れないと、新たな循環経路が入るとのことですが、圧力容器は絶対に壊れないと想定してきたが、圧力容器、配管も健全でポンプで水がまわせる前提は、壊れているのでこれは出来ない、水を入れたら外に溢れてタービン建てや、トレンチに溢れて漏れる、それをいつまでも続けられない、外から水を入れるのではなく、水のループを作らないといけないと小出先生提言されたのです。外付けの水の回路は、格納容器内に人間は入れないので、どういうループを作れるかを考えないといけない、圧力容器+格納容器をひとつと考えて、格納容器から水をポンプで取り出して、熱交換で冷やしてまた圧力容器に入れたらいい、という提案をされたそうです。外付けの循環には、ループを作るには、全く新しく作るのは困難で、余熱除去系があり、これを使ってやったらいい(足りないのを別の配管でやる)、福島の人は自分たちの機械を知り尽くしており、何か出来る、しかし、作業員は被曝する、気がかりである、被曝せずにループを作り冷やして欲しいとのことでした。

 このアイデアは、東電、政府にここでは伝わらない、福島の現地の専門家は気づいているとのことです。


 飯館村の避難指示、同心円的な対応ではなくなる、小出先生の考えがやっと具体化されたが、20ミリシーベルトという値、危険はあり、普通の日本人では1ミリシーベルトと日本の法律になっている、その20倍まで我慢させるというのは社会的な判断で、サイエンスの判断ではないとのことです。そういうことを言う政府がいい政府なのか、一人ひとりが考えないといけないのです。しかし、20ミリシーベルトの意味は素人には分からないというので、1ミリシーベルトでは1年間で、1万人に1人がガンで死ぬ、だから、人間が100歳まで生きるなら、100人に1人ガンで死ぬ計算になる、つまり、20ミリシーベルトなら、5人に1人ガンで死ぬ、という高い値なのです。サイエンスの領域では、こうなります。

 今やるべき方策が出たので、何とか前進して欲しい(同心円的な考えから脱した)と、水野さんのコメントがありました。