文化放送

元旦朝の静かな浜松町へ行き、裏口から文化放送へ。「邦丸隊長、応答せよ!!」というコーナーに浅草雑芸団が3日の「春駒七福神めぐり」のPRのために生出演。全員ではなかったが臨時メンバーの僕も含め5人で行った。
彼らの「ちゃんと衣装を着ればパーソナリティーもやりやすいでしょう」という判断で、ラジオなのにみんなちゃんと衣装を着た。このあたり手を抜かないのが芸人である。

まず、上島さんの「文化放送と、文化放送をお聞きの全世界の皆さんのために…」という口上から祝福芸「春駒」を披露して、上島さんと邦丸さんのトークへ。さすがに話になれてる上島さんと、この価値をわかっている邦丸さんの話はいい雰囲気で進行。
「今の(西洋物主体)の大道芸は、芸のすごさを見せつける物ばかりだけど、日本の大道芸の本来の姿は見てくれる人を幸せにするためのものなんです」という上島さんの言葉はちゃんとリスナーに届いただろう。

でも、彼らは芸人なんだけど、今回の「春駒・七福神めぐり」は、本来の「お金のため」の大道芸ではないのである。これは本人たちが絶対に言わないから僕が言っちゃうけど、彼らは「イベント」のための芸能ではない、「祭り空間」に、芸能を、先人の文化をつなぎ止めようと、収支度外視で縁起物を手作りで作って、七福神めぐりをし、門付けをし、演芸大会をするのである。

「お金のための」芸能をこよなく愛した小沢昭一さんから見れば、本来の姿ではないだろうけど、今はこうやるのが精一杯なのかもしれない。

「神さまのための」芸能である神楽を愛する僕ではあるけれど、自分に出来るのはこちらの「芸能者」である。元を辿れば本来は同じものだしね。
今回、浅草雑芸団に加えてもらって、道行をし、門付けをし、奉納をすることが出来るのは、とても名誉なことだと思っている。

それでは東京のみなさん、3日に会いましょう。
そして4日には多摩美の学生を連れて「神さまのための」『坂部の冬祭り』を天龍村へ見に行くのである。