王子へ

micabox2007-09-24

友達、知り合いが集まって東京を歩く会の第二回に参加。
あるミュージシャンのローディーだった人が今出版社にいて、佐伯泰英の時代小説「密命」シリーズの担当者になっていることから、彼の案内で「密命」の舞台になっている江戸を歩いてみようという、趣味趣味の企画である。一回目も参加したが、その時は芝〜愛宕山あたりだった。

今回は12名が参加したが、前日のカラフルロスタイムショーの出演者、スタッフ、お客さんから6名も来ていてなんだか二日連続のイベントみたいだ。ゆうべ別れてから12時間経ってないじゃん。
王子駅前に集合して飛鳥山公園でまず昼食。東京の花見の名所ということだが来たのは初めてである。休日なので人出も多く、水場では子供がハダカになって遊んでいる。そういえばはだか君も来るはずだったがSWAの手伝いで欠席となった。

公園でダラダラしてから公園内にある「北区飛鳥山博物館」へ。
内容は「日本中どこにでもある」郷土資料館で先史時代から縄文、弥生を経て現代までいろいろ見せるところだが、やたらに金がかかっていて立派。全国の神楽を見て歩いているとどこでも同じような資料館があり、中味もほぼ同じなんだけど、ここでは見せ方や解説の文章に「遊び」があって、学芸員にオタクがいると見た。
将軍吉宗のロボットが出て来て演技をする「飛鳥山劇場」は笑えた。北区の自然を見せるジオラマはていねいに作られててキレイだった。あと、面を着けた縄文土偶があってよかったな。しかし、金のかけすぎでこの先維持できるんだろうか。

そのあと、元王子権現の現王子神社へ行き、その裏手から音無親水公園へ降りて、江戸時代に有名だった料亭「扇屋」のあった場所へ。今では「白木屋」とかが入ったビルになっているが名物の卵焼きを売るコーナーだけ残っていた。
そして関東の稲荷社の総司という王子稲荷へ行く途中にくず餅や酒まんじゅう、ところてんを出す店で休憩。ここのところてんは旨かった。生まれて初めてところてんを美味しいと思ったと言ってもいいな。

王子稲荷は思ったより小さく今では「いなり幼稚園」のほうがでかい顔をしている。でも昔からの風情も残り、裏手には「御石様」という願かけ石もあった。持ち上げて軽かったら願が叶うというやつである。
予定していた名主の滝公園は閉門していたので、急きょ金輪寺というお寺を探して迷いつつ歩く。

とにかくダラダラと歩くのだが、とても一人で歩く気にはならないしデートコースにもならないので、こういう機会はめったになく、楽しい。ヘンな店を見つけたりしながら22才から60才までじゃれ合いながら子供みたいに歩くのである。
そして最後は「大人の時間」→「宴会」へ。なるべく地元っぽい居酒屋に入り、今日歩いたところを思い出しながらワイワイと飲む。これが楽しい。このために歩いたようなものでもある。この宴会から参加するやつもいるくらいだ。その、あとから来た男が「この辺にまだ流しの来る店がある」という情報をもたらしたもんだから好き者メンバーがそこを目指して二次会へと流れる。

飛鳥山公園の下のがけと線路にはさまれたアヤしい飲み屋小路。かつては二階で「ちょんの間」の春を売る店だったのだな。
お目当ての店は休みだったが、せっかくだからと空いてる店に。サッカーファンの店らしいというのがわかったので入りやすかったのだ。
こうして王子の夜は更けていった。
改修中の渋沢記念館が再開したらまた来てみよう。花見もいいな。