久しぶりに「ラジオフォーラム」の書き起こしを貼りました

しばらく手抜きをしていて貼り付けていませんでしたが、永岡さんが書き起こしてくれた「ラジオフォーラム」です。

 永岡です、今週のラジオフォーラムは放送作家の石井彰さんの司会で放送されました。三角山放送、東電福島4号機の核燃料棒の取り出し、小出先生のお話は危険と言われて、今日のお話にも期待するとのコメントがありました。 石井さん、名古屋、青森、熊本、大阪と地方のラジオに出られて、ラジオは言葉を大切にするメディアであってほしいと言われました。今日のキーワードは「いただきます」、1日に3回言う言葉をキーワードにして、これは「あなたの命を私の命に変えさせていただきます」という意味と、永六輔さんから教わったと言われました。動物、植物の命をもらって我々は生きているのです。

 今週のゲストは写真家、映画監督の本橋成一さん、長野から帰られたところで、チェルノブイリの記録映画ナージャの村を製作され、今度「ある精肉店のはなし」を製作されました(纐纈(はなぶさ)あや監督、11月29日(いいにくの日)から東京のポレポレで公開、12月7日より大阪・十三の第7芸術劇場で公開)。その本橋さんのお話です。本橋さん、農業、牧畜をしている町の映画を製作されており、今年2月から製作中です。自動車道がなく、4km歩き、競争のない社会を作ろうとしたものを描いています。都会で暮せない人が入り、我々がそちらに入るものです。

 映画「ある精肉店のはなし」のHPは、  http://www.seinikuten-eiga.com/です。

 本橋さん、1940年東京・中野生まれ、60年代より写真家、炭鉱など、市井に生きる無名の人を描かれ、瞬間を切り取る写真、1998年から映画監督をされ、ある精肉店の話のプロデューサー、本橋さんの写真集が最初に出て、写真絵本、これを撮るきっかけは、30年撮っていた屠場という写真、肉屋さんの枝肉も見て、それが見えなくなり、命をいただく、次の命のために繰り返すためのもので、地球はそうして生きてきたのにそれが見えなくなり、屠畜する人が見えず、7代続くお肉屋さんの写真を撮り、纐纈監督が演出され、できたものなのです。本が先にできたもので、この絵本、撮影して、発見したのは、人が生きるもの、食べ物をいただくために、自信を持ってやっている人がいることを描き、職人さん、誇り高いもので、命に対する謙虚さ、1日に松原だと80頭屠畜するのを描かれました。写真絵本に続いて、映画、舞台は大阪の貝塚、生肉する店を描き、屠畜される命、屠畜する人、纐纈さん、原発映画も描き、原発反対だけではなく、島の人の暮らしをよく付き合って撮り、これも今回の話も、纐纈さんならやってくれるとして、
自分たちの仕事を見せてくれたものであり、隠されたものを出して、7代続いたことを自慢することはすごいと言われました。石井さん、ぜひ多くの人に見て欲しい、ナイフで皮を剥ぎ、捨てるところのないものを、今まで隠して差別が生まれていた。今回、この一家がよく登場してくれたと言われました。

 小出裕章ジャーナル、小出先生のお話です。本橋さんも同席です。

 今日のお話は10月28日、経産省が出した使用済み燃料、高レベルの廃棄物の地層処分の、技術的信頼性の再評価について、ウランを核分裂させると、ウラン自身も放射性物質で危険なのに、それを核分裂させると、放射能の強さは1億倍!になり、超危になり、それは無毒化する手段なし(泣)。70年研究してアカンので、どこかに隔離するしかない。生命の生きている場所から隔離するものの、宇宙に捨てる→ロケットが落ちたらアカン(泣)、深海、南極も失敗したら地球が汚染(泣)、海は国際条約でアウト&原子力の恩恵を受けたところだけのものだけではない、そのため、仕方なく、地面に埋めようとしている、これしかないとして地層処分が残ったのです。

 小出先生はこれしかないとは思わない。日本に安定な地層はなく、世界一の地震国で、地震の世界の1割は日本、300〜1000mの穴を掘っても、地震にあったら(深さ何十kmで起こる)アウトで、これは深いわけではない。埋めても100万年!保管しないといけない、東海地震は100年ごとに起こる=100万年の間に1万回起こる(泣)、安全な場所は日本にはなく、科学的な保証なし、やってはいけないのです。

 高レベル廃棄物が事実あり、福島はそれでエライことになり、小出先生の考えは、望ましいのは私たちの世代で作ったので我々の世代で無毒化すべきだが、簡単には可能にはならず、これ以上毒物を作らない=原発を止めるのをまず成すべき=即刻原発を止めるべき。しかし日本だけで今までに広島原爆の130万発の毒物(セシウム137換算)があり、止めても、それをどうするか真剣に考えないといけない。地層処分に反対しているが、それでも解決できず、小出先生も答えはなく、我々の目で監視するしかない。少しでもマシな閉じ込め場所を地上に作り、我々の黒い目で 監視するのが唯一のやり方なのです。

 本橋さん、小出先生と長い付き合いで、本橋さんの映画で対談され、ポレポレでも講演されており、本橋さん、日本がトルコほかに原発を輸出するのはおかしい、原発をなくす技術を学んで輸出すべきと言われ、それが3・11の収穫と言われ、小出先生、原発輸出は呆れる、この国は恥ずかしいと言われました。石井さん、自分の目で確かめて、これ以上毒物を増やさないといわれ、孫・ひ孫どころか何万世代!の課題なのです(泣)。以上、今週の小出先生のお話でした。

 音楽、父親がチェルノブイリ原発で働いていた歌手のナターシャ・グジーさんの、わがキエフが流れました。

 後半、本橋さんのお話で、纐纈さんに監督、本橋さんはプロデューサーをして、自分で撮りたいと思わなかったかについて、纐纈さんでしか撮れない、若い技術を持つ人に溶け込み、祝島でも漁師と飲み交わし、本橋さんも写真をして、どこに軸足を持つかであり、どこの高さで炭鉱の人たちと付き合うか、それが原点。それが、形を変えて、纐纈さんに伝わり、監督をされたのです。人々とどう付き合うか、どう話すかであり、不器用な方がいいのかも知れないと本橋さん言われて、写真家の土門拳さんは切れ味が強く、筑豊の写真も切り方、付き合い方があり、本橋さん、かみそりは持っていないが、肥後ナイフと評論家に言われ、それは当たっていると言われました。

 本橋さんの映画を作られた映画、ナージャの村、チェルノブイリが原点で、当時80歳の老人が一人で住んでおり、牛を飼い、ミルクとジャガイモで十分であり、年金生活で、汚染され、村の人はみんな出て彼のみ残り、その記録を撮りたいとなり、この方がなぜ汚染地帯から出ないかと聞くと、なぜそんなことを聞くのか、人間が汚した土地で、どこへ行けと言うのかと答えられ、指も動かないのにアコーディオンを弾いてくれて、50年の歴史を語り、写真だと音が取れず、それで映画にした。スタッフも固めて、3回目のロケで窓が割れて、牛泥棒に殺されてしまった。しかし、スタッフも揃い、お金も出たので、ナージャの村を撮ったのです。離れたところも高濃度に汚染され、柵もあるのに、そこに住む人がいて、サマショーロというロシア語、造語で困ったわがままな人という意味で、しかしふるさとは大事、本橋さんのテーマはふるさとなのです。

 サマショーロ、石井さんは素敵な頑固者と言われて、そこにお孫さんも来る。植え付けは一家総出でなり、法律で禁じられているのにみんな来る。祖父母はうれしいが、孫がここに長くいてはいけない。除染は、地域により行われているが、一般的には行われず、森の汚染がひどい。本橋さん、去年の書初めで、「俺は生き物だ、原発は天敵だ」と書き、放射能は危険、そういうものが存在し何万年続くのはつらいのです。

 ナージャの村、アレクセイの泉はDVDになり見られます。石井さんは本橋さんの文章は素敵と言われて、何かを写すだけでなく、人の心も写していると言われました。ある精肉店のはなし、人間は生き物といい、お国を食べるのは生き物と分かって欲しいことに乗っている、人間は便利になり、そんなことを考えなくなる、放射能を考えたら、もう止めるべきと言われました。本橋さん、命、生きることを取り扱われ、本橋さんは戦争時に5歳、空襲のことを知っておられ、あの怖さで戦争絶対反対、平和になり、大人たちがニコニコしたのが印象的、敗戦で喜んだ、平和はいい、誰もが安心して暮せるようにと言われました。以上、本橋さんのお話でした。

 原発事故を扱った書籍、福島原発事故タイムライン(344ページ)と、東電テレビ会議49時間(432ページ)と分厚い本を編集された岩波書店の渡辺勝之さんの、お電話でのお話がありました。この本は中身が重く、原発事故で何が起きて人々がどう動いたか、の記録です。渡辺さん、2冊を出版されたのは、東電のテレビ会議、東電が隠してきたものを、マスコミの要望で出てきて、公開を前提にしたものではなく、東電の内部記録。この映像、見られるのは報道関係者のみ、せっかく要求して開示したものなので、できるだけ多く知って欲しいと、原発事故を検証する基礎資料として残すものを本にしました。東電テレビ会議、これを見て、SPEEDIの公開の遅れ、文科省が隠しており、東電も予測図を最初から持っており、画面に拡散予測図が出て、その後東電会見で記者が追求しても出ず、その後出た。予測図は住民に知らせていたら被曝はなかったのです。それ以外にも、風向きも多々語られ、それも伝わらなかった。タイムラインは、官邸の動きと東電の動きを断片的に伝えたものはあったが、それをまとめて新たなものが出てきて、3・11
以降分単位で記録し、地震の発生時に東電の社長は奈良、会長はマスコミOBを連れて中国。4号機の爆発時、東電は撤退の指示を出し、計画停電で首都圏大混乱。放射線も福島正門で観測され、近くの住民にヨウ素剤の準備もなかったのです。  渡辺さん、本には7000件収めたが、実際は3万件以上あり、分・日付単位で出すと、辞書を作るような作業が要り、読者のツイッターで事実が分かり、皆さんがどういう報道があったかを検証するべきなのです。事故により、人々がどう動き何を考えたかを記録するのは大事で、この本のことに石井さん、感謝されました。以上、渡辺さんのお話でした。

 今週はある精肉店のはなし、一人でも多くの人に見て欲しい、石井さんもテレビのドキュメンタリーを作り、それでもやられた、悔しいというレベルの映画と言われました。来週は石丸さんの司会で放送されます。今週のラジオフォーラムでした。

 なお、ビッグイシュー227号(11/15発売)には原発廃炉の特集(関学の朴勝俊さん、東北大の長谷川公一さん、中島哲演さん他のお話)があります、ぜひ見てください(販売店他はHPを見てください)。 http://www.bigissue.jp/latest/index.html