昨晩のたね蒔きジャーナル 6/14

6/14(木)

 永岡です、毎日放送ラジオのたね蒔きジャーナル、今日は千葉猛さんの司会、毎日新聞大阪本社論説委員の藤田悟さんの案内で放送されました。  原発のニュース、大飯再稼動、おおい町の時岡町長が容認し、西川知事に伝え、福井県議会、一両日中に容認です。こういう手順に、橋下氏、暫定的な基準しか出していないと、期限付き運転を求めています。

 そして、小出先生のお話、大飯再稼動、おおい町長が容認で、「大変残念」、ただし、残念だけでは済まず、原子力の長い歴史、地域が原子力にすがらないといけない状況で、一度受け入れたらそれに依存する町になり、さらにお金が要る、麻薬患者を作り、ますます麻薬付けにするもので、どうしたら、町が生き延びるのかを考えないといけない。町長、県知事がそれを考えるべきなのです。

 県議会で採決はせず知事に一任、知事が決めたからと、責任逃れで、「情けない議会」であり、一人ひとりが責任を負わないといけないが、原子力では個人の責任を負わないのです。

 リスナーの質問で、大飯を動かすと危険度は違うかについて、運転中に全署停電したら取り返しがつかない、動いている状態は危険で、しかし動かないとそれも安全ではなく、広島原爆の120万発分!の核のごみがたまり、福島事故の進行中でも危機に直面し、しかしまずは止めないといけないのです。

 東電の社内で最終報告書が出て、原発北西の汚染は2号機から漏れたガスとなるのですが、詳しい原因がなく意味がない、現場に誰もいけず、原因確定は20年30年後になる。しかし、2号機の漏洩はサプレッションチェンバー、本体とこれを結ぶところが破損して漏れたと推察され、GEの設計者も問題と思っていたところであり、政府と東電は津波が原因としており、だから東電はこの部分に言及したくないのです。
 藤田さん、再稼動を決定に行く模様について、せっかく節電して原発なしでやろうと証明するチャンスと思っていたのにと言われて、小出先生、昨年の夏も乗り切れたし、節電しなくても乗り切れる、日本の国家の統計データが示しており、「原発なしでいついかなるときでもOK」なのに、国が電気が足りないと脅し、しかし国民は節電しようとしているのに、野田氏、国民に恩着せがましくやっている、「異常な人たち」なのです。  
小出先生のお話にふつふつと私は怒りを感じました、これをお伝えいたしました。


たね蒔きジャーナル、続いて、元宇宙飛行士で、福島で有機農業を営み、原発事故で京都に避難されている秋山豊寛(とよひろ)さんのお話がありました。ちょっと待った、再稼動なのです。スタジオでのお話です。

 秋山さん、TBS記者を経て、1990年に宇宙ステーション「ミール」に行き、その後TBSを辞めて福島に行ったのですが、原発から32km、阿武隈高地が盾となり放射線量は比較的低いものの、12日に避難して、ベントが始まり、セシウムが出て、秋山さんチェルノブイリ、スリーマイルの取材もしていて、事故が起こったらどうなるかは知っており、セシウム検出=炉心がやられている。

東電は福島県民に嘘を言っており、逃げ出して、最初は郡山に行き(60km)、新聞は地元紙しか手に入らないが、都市のほうがいいと移動し、その後外国人の友人で、ドイツの大使館が大阪へ行き、フランスでも退去があり、外国人の情報が詳しく、しかし日本では枝野氏がただちに影響なしと言い続け、それについて、秋山さん、「福島の住民は捨てられた」、放射線で仕方ない、そのパニックが全国に広がらないようにとしていたのです。屋内閉じこもりがいつまで続くのか、なのです。

 その後群馬に行き、福島の水道から放射能が出てアウトとなり、高速は使えず、国道4号線を福島、いわきナンバーの車が並び、群馬まで10数時間かかったのです。

 秋山さん、福島で農業をしたのは土地が安かったからで、関東以西は高い。原発にも洗脳され、東電が嘘をつくことは知っていた、司法が原子力よりということも知っていたが、まさかあそこまでひどいとは思わなかったのです。しかし、直ちに逃げたのは、放射線検知器を持っている。40年を超えて運転をするという方針が打ち出され、福島原発は去年で廃炉のはずが政治的に延長され、ヤバイなとこれを備えたのです。また、浜岡が危なく、東海地震のほうが先に来ると思われ、東京へ出た子供に、浜岡に何かあったら東北に逃げろと言っていたのです。

 秋山さん、原発難民の本を岩波から出されて、汚染された食品は日本政府と東電の責任で処分させ、がんばれ西日本と、こちらで食料を作るべきと書いてあり、秋山さんの年代(70代)は知らない土地に行きたくない。川内村でも棄村され、遠藤村長とよく話し、柳田邦男の本で、美しい村があるのではなく、美しい人により作られると思い、そんな遠藤氏が汚染がひどくても戻る。東北は反政府軍であり、地域の山が明治政府に取り上げられ、村の9割が森で、地域に返還する運動をして戻り、村を大事にする思いがあるのです。放射能汚染されても、取り戻した村を捨てられない。自分たちは死ぬ可能性があるが、明治の森を取り戻した闘争と同じ決断が悲しいがある、安全だから戻るのではなく、先祖の土地を手放していいのか、なのです。秋山さんのところもひどい汚染で、農作業の危険もあり、内部被爆は政府が研究しておらず、数十年後、染色体の異常もある(チェルノブイリ被爆し、死産した子供の標本があり、それを秋山さん見ている)、これが福島で起こる可能性があるのです。

 再稼動、いろいろな人が腰抜け、本当のことを理解する能力がないと、秋山さん悲しい。関西に福島は他人事で、ああなったら地元の判断は関係ない、何十km汚染される。関東でもダメ、福島の米問屋が潰れている。食べ物は、比較的安全な関西で、減反率も関西は東北より高いのに、使われていない農地をこれから大事にすべきと言うのです。

 秋山さんの家も農地も奪われて、福島での農業はあきらめている。しいたけ農家で、難しく、京都でたけのこの農家になるのは難しい。大学で若い人に、大地に触れるテーマの研究をさせて、種をまき芽生える、東洋的なものを積み重ねたいと言われるのです。

 藤田さん、秋山さんは宇宙から美しい地球を見て、その地球が放射能汚染されていることにどう思うかと聞かれて、広島、長崎、ネバダと核の恐ろしさを知っているのに、核の幻想があり、それが変わらないとダメ。昔はアメリカとソ連の核戦争の可能性があり、「核の平和利用は幻想だと気づかないといけない」。田中正蔵さん、文明とは何かを言っており、それを大人が整理して、若い人に、今までの文明はインチキ、腰抜けでおろかなためかこうなったと、自分たちの愚かさを伝えるべきなのです。

 リスナーから、政治家の福島を見捨てたという言葉に痛みを知った、秋山さんにこのことを世界に伝えて欲しいという声もありました。

 マスコミに脱原発というのですが、政府もマスコミもそちらに動いているかについて、原子力村は国際的、日本だけで完結しない。フランス、アメリカ、ロシアも関り、このネットワークが強く、大したことではないというキャンペーンを続ける。再稼動は原子力村は大したことがなかったとされる。脱原発は、全体がそういう流れになるとは思わない。沖縄に学ぶ、一人ひとりの行動が少ない。大集会でもちょっとしか報道されないが、これでめげず、福島の怒りが静かに広がるしかないのです。

 今日は秋山さんのお話をお伝えいたしました。