昨晩のたね蒔きジャーナル 3/29

3/29(木)

 永岡です、毎日放送ラジオのたね蒔きジャーナル、今日は千葉猛さんの司会、毎日新聞大阪本社論説委員の藤田悟さんの案内で放送されました。今日は小出先生のお話はお休みです。

 原発のニュース、大飯再稼働に関して、ストレステストの結果を政府が京都府滋賀県に説明しています。京都では半径30km以内に6万人がいて、京都の山田知事は安全性の確認なしはアウトと、2次評価もせよと述べて、現段階では再稼働不可、滋賀の嘉田知事は福島も分かっていないのになぜ再稼働と言っています。藤田さん、放射能汚染は福島で大変なことになり、防災重点地域を半径30kmにして、福井以外にも滋賀、京都も含まれて、ここの意見を聞くのは当然。滋賀、京都だけでなく、事故になれば琵琶湖アウトで、大阪、兵庫にも影響があり、ここも聞くべきと言われました。事故から1年で再開を急ぐのは現実には難しいと言われました。

 東電は政府に1兆円の資本注入+8500億円の支援を求めて、政府は東電を国有化します。経営破綻を防ぐためで、国有化が具体化し、東電は10年間の計画を出して、政府の計画に、東電は政府の議決権を半分以下にしてくれと言っており、経営の自主権を守りたいのです。

 今日の特集、毎日新聞のスーチーさん単独インタビュー取材チームを指揮した、毎日新聞元アジア総局長でもあった藤田悟さんのお話で、ミャンマー民主化のことが取り上げられました。4月1日に国会議員の補欠選挙があり、アウンサン・スーチーさんも立候補され、これについて、藤田さん、ミャンマー国内に入り取材する予定が、外国ジャーナリストに厳しくビザが下りず、チーム2人のみビザが下り、藤田さんはバンコクからの取材であったのです。

 藤田さんはスーチーさんに取材し、1995年からマニア支局にして、スーチーさんのエッセイを毎日で掲載し、スーチーさんの英文がファックスで来ていたものの、それが届かなくなり、マニラ→バンコク→スーチーさんの家に行って手紙を受け取ることを7,8回したのです。

藤田さん、ミャンマー政府に拘束もされ、スーチーさんの軟禁解除後、自由に出入りできるものの、軍事政権が取り締まりを強めて、藤田さんが最後にスーチーさんに会ったのが98年の1月、家の近くで目つきの悪い公安警察が待ち構えていて、ここは外国人アウトと尋問されて、拘束→強制退去にされたのです。近くの民家に連れて行かれて、名前、住所、目的を聞かれて、何十分尋問されて、新聞記者と言うとまずいのでフリーランスと答えて、しかし車に乗せられて大きな施設に連れて行かれて、軍服を着たえらそうな人が来て、また尋問されて、外国人が入ったらアカンところに来たと言うことで出て行け(さもなくば警察に泊まってもらう)となり、藤田さん出国せざるを得なかったのです。ホテルに見張り付きで行き、フィルムも押収され、空港で写真も撮られて強制退去であったのです。

 今回入れなかったのも、その際のことが関与しており、ブラックリストに名前が残っていた模様です。

 軍事政権、外国人記者の電話を盗聴しており、それは記者では常識で、ミャンマーに助手を雇い、バンコクから情報を得ていたものの、ミャンマーの状況を聞いたら電話が切られて、これが盗聴の成果なのです。藤田さん、直接政治的な言葉を使えない(スーチーさんと言うと切られる)、ヤングレディと言う隠語を使っていたのです。

 情報を外国に出さないミャンマーがなぜ民主化へ行くのか、2010年11月、ミャンマーで総選挙があり、形では民主化へ行ったのです。軍事政権では人権侵害があり、欧米の経済制裁が行われ、そのもとでは経済的に発展せず、そのため軍事政権では国に展望がなく、政権も改革しないとダメとなり、経済制裁の解除のためにこうなった(現実路線への変更なのです)。

 リスナーより、民主化の背景には中国・ベトナムの動きがあり、中国で賃金が上がったからではとの質問があり、中国の1/3で雇えるのですが、それで経済改革が進んでいるのではなく、これから安い賃金での労働力を使う企業が来て、中国・ベトナムの代替になる可能性があるのです。

 一般市民は民主化すると思っているかについて、軍事政権は20年続き、それ以前はビルマ社会主義、50年間軍が支配して、一般市民に民主主義が良くわからない。最近は出版物の検閲緩和、政治犯釈放と、改革が進み、言論も自由になってきているのです。一般市民には自由が訪れているのです。

 補欠選挙で、スーチーさんは立候補を決めた背景、スーチーさん自宅軟禁で、軍事政権を批判して対決していた、去年3月に現在の政権が、大統領自らスーチーさんと対話し、改革している。スーチーさんも今の政権を見て、正面からの対決より、これの改革に協力して、民主化しようとしている、現実的な判断になっている、勇気ある転換なのです。

 軍の議席で8割を持ち、スーチーさんが今回勝っても多数派にはならず、しかし一国会議員を越えて、国内でも人気があり、影響力が強く、スーチーさんは世界一有名なミャンマー人で、欧米人はスーチーさんのことを聞くので、スーチーさんが国政に立つのは大きな意義があるのです。スーチーさんも今政権に入りやりたいのです。父親がアウンサン将軍、独立の英雄であり、スーチーさん愛国心が強く、自分の命を国民に捧げたい、年齢でも最後の勝負、現実的になり、民主化に自分の力を捧げたいと思っているのです。

 今のミャンマーの問題、軍事政権とスーチーさんの融合でどうなるかは、今の政権、改革して、解放して、欧米の経済制裁を解除してもらいたい。国が豊かにならないとどうにもならず、改革は後戻りできないのです。

 リスナーより、アメリカ人英会話講師の夫がミャンマーで、アメリカへ帰れないという話がありました。また、ビルマミャンマーの名前について、軍事政権が出て、ビルマ(バンマー)は植民地時代の名前で、軍事政権がそれを嫌ってミャンマーと名乗り、軍事政権を認める人はミャンマーを使い、しかし統一したら名前は問題ない、国連もミャンマーで統一しており、しかし藤田さんは、名前はどうでもいいとの話でした(週刊金曜日ビルマの名称を使っていたはずです)。これを、お伝えいたしました。