昨晩のたね蒔きジャーナル 3/27

3/27(火)

 永岡です、毎日放送ラジオのたね蒔きジャーナル、今日も水野晶子さんの司会、毎日新聞ほっと兵庫編集長の平野幸夫さんの案内で放送されました。福島原発で2号機格納容器内は、73シーベルト/時間、人間は7シーベルトで死ぬものであり、大変な値です。近寄れないのです。これの水棺は無理です。水面は60cmしかなく、融けた燃料が不明で、それでも東電は冷却できていると言うものの、平野さんはこれをシャワー状態(お風呂ではない)と言われました。

今日は小出先生のお話はお休みで(小出先生は明日出られます)、大阪の教育について、アメリカで10年前に似たことが行われ、それを取材したMBSの斉加尚代(さいか・ひさよ)記者のスタジオでの報告がありました。

原発のニュース、南相馬市の住宅で69歳の母親と47歳の息子が亡くなっていたことが分かりました。2月下旬に発見され、姿が見えず避難していたと思われていたのです。コミュニティも断絶され、母親も一時避難し、今年に戻り、そして亡くなったのです。

藤村長官、伊方原発の再稼働の判断手続きを行っています。ストレステストは妥当と結論を出し、斑目氏、保安院が審査するのは困難(統合されるから)と言っているのです。規制庁は4月1日には発足せず、藤村氏、空白を生じないようにすると言っています。リスナーより、核安保サミットについて、「放射能 まいて会議に 出る総理」という一句が来ていました。

 そして、斉加さんのお話、大阪府議会で基本条例が可決され、維新に公明、自民も賛成し、教育に政治が関与するというもので、教育に政治は中立の原則の否定です。アメリカの改革は落ちこぼれゼロ法で、9・11テロの年に提案され翌年導入(ブッシュ時代)、アメリカの力を上げるために教育と言うものです。斉田さん、維新の会の幹部がイギリスのサッチャー改革を参照にした(1988)のですが、その流れを汲んだものが落ちこぼれゼロ法なのです、それで取材されました。

 アメリカを見たら日本が分かり、改革導入〜影響が出るのに3,5年、あるいは10年であり、アメリカを取材すると、日本の未来が分かると言うものです。斉加さんの取材、テレビでもVOICE、報道特集で報じられました。物凄い反響で、学校の競争主義と成果主義で学校を競争させるのが落ちこぼれゼロ法で、全米で統一のテストが行われ、結果の悪い学校は改善する、出来ないなら先生を入れ替える、それでもだめなら学校を潰すものなのです。しかし、先生のリストラが法律により加速して、ワシントンとニューヨークを取材されて、先生の大量解雇、学校の大量閉校が起こったのです。

 子供をどうするのか、理念は高いものの、子供たちはいい学校に転校できるというのが、実際にはいい学校に行けず、学校も良くならず、落ちこぼれゼロ法の導入に関わったダイアナリッチ教授が、落ちこぼれゼロ法は失敗と言っており、この教授に維新の会の法案を英訳したものを見せたところ、落ちこぼれゼロ法と似ていると言い、教員への懲罰的なこと、評価により学校を潰すのも似ていると言うことです。

 この教授は、テストのための教育で、自分で考える力がなくなったと言うことです。学校を競争させると、テストに偏った教育になることが危惧されています。

 この法案で現場が混乱(自分が首、学校が潰れる)→先生が不正をして、子供にジュースを配り、そこにテストの答えが載っている!プロジェクターで天井に答えが張り出された!成績の悪い子に先生が電話をかけて、テストに来なくていいという始末なのです。

 斉加さんの取材した先生は、ロボットのようにならないとやっていけないと言っているのです。上から言われたことを流すだけの人間になれと言うことです。算数、国語のために点数を上げるため針が振りきれて、副教科(体育、美術)はいらん→体育がなくなり肥満児が増えたのです。

 アメリカでは先生は終身雇用であったのに、先生の首切りが増えて、新任の先生が5年後残っている確率は50%を切っているのです。ある校長は、教員はキャリアを積んでの専門職であったのが、不安定な短期雇用と言われているのです。

 ワシントンで改革した女性教育長ミシェル・リー氏(1969年生まれ、橋下氏と同い年)、終身雇用の先生がサボっているから教育が上手くならないとして、しかし彼女の主張にワシントン市民が当初支持して、260人以上の先生の解雇、20数校学校の閉校となり、しかしリー氏、3年半後に彼女を支援していた市長が落ちて彼女も失脚、しかし学校は荒廃したままなのです。

 ダイアナリッチ氏、理念は良かったが、と言っているのです。

 教育の格差、富裕層はいい公立の学校のそばに行けるが、経済的に苦しい層はそうは行かず、地域から学校が奪われたのです。貧しい層は余裕を以て勉強できず、ニューヨークのブルックリン、経済的に厳しいところ、テストの点が悪いから閉校になるが、どこに行ったらいいのか、なのです。

 水野さん、しんどい地域にお金を出すべきと言われて、斉加さん、経済的に厳しい子供たちにしわ寄せが行ったと言うことです。取材して胸が痛んだ、歴史ある学校が閉校したのです。

 平野さん、私学無償で公立も定員減があり、危惧すると言うことです。ダイアナリッチ氏、改革が破壊になる、民営化で成功した学校もあるものの、民間の方がいいという結果ではなかったのです。リスナーより、物事には光と影もあるとして、斉田さん、統一テストの点数の上がった州もあり、黒人と白人の学力差が縮まったと分析するものがある反面、経済格差が広がっているのです。

 今日は、アメリカ取材をされた斉田さんのお話をお送りいたしました。