南川神楽訪問の旅

久しぶりに長いブログを書いてみます。

3年続けての諸塚・南川神楽に行ってきました。諸塚村は最近、坂本教授が山の音をフィールド録音に行ったりして、YMOファンには知られるようになっているかな(笑)。

今回は旧正月過ぎてからの初めての神楽行で、ちょうど節分直後。今回は博多から仲間たちと7人で行きました。
安いパッケージツアーで博多まで行く事情により、前のりをして二晩過ごしたのだけど、一夜目は外へ出ないで宿で部屋飲み。寒波がきてて寒かったのと、博多駅近くだったので天神へ行くのも面倒だった。駅のマーケットでちょうど弁当や総菜が半額になる時間だったので魚(イトヨリ)の唐揚げとか、弁当とか買い込んでのんびりと。昔は一人でも居酒屋行ったり繁華街探検するのが楽しかったけど、もう飽きてしまった。はっきり行きたいところがあれば別だけどね。

最近買ってきた食料のホテルでの温め方は、洗面台にお湯をためそこに弁当などを浮かべる方法を採用している。時間はかかるしホカホカとまではいかないけれど、冷たいよりは全然食べやすい。最近の弁当パックはキッチリしているのでひっくり返しても大丈夫。というか、蓋の方が覆い被さっているから丼物パックならひっくり返した方が浸水のキケンはない。


二夜目はこの日に先乗りしてきた学生と天神で待ち合わせ。地下鉄で行くと250円かかるが、バスだと天神まで100円というお得な設定があるのでバスで行く。往復の差額が300円だから一杯よけいに飲めるたい(笑)。そして景色がみられて観光気分にもなれるしね。

そしていつもの屋台「永(なが)ちゃん」へ。九州には記録的寒波がきていて屋台は足元が寒いけど、金曜ということもありどこも満員だった。僕が行くのは観光地の屋台ではないので安いし、地元の人の話が聞けて楽しい。アビスパ福岡のスタッフとかサッカー関係者が集まるようになっているようだ。翌朝出発が早いので、キビナゴ天ぷらやおでんでサクっと切り上げ、学生と別れて宿へ帰る。学生は2200円のドミトリーに泊まるとか。さすが若者。

朝、8時にレンタカー店で集合。前のりで博多には来てたけど夜には合わなかった千葉のアーティストの海津くん、前夜夜中に着いた学生二人、そのうち一人はアメリカ人留学生。大阪から夜行バスで着いたばかりの大阪の森さん、そして唐津に近い地元の友人井上さんも加わって7人で車に乗り込み出発。
博多から諸塚へ行くのは初めてで、時間も経費もかかるけど、博多が便利で集まりやすく、街も楽しいから博多にしたのである。撮影メディアとか、いろいろ買い物にも便利だから、東京で事前に買い出しにわざわざ出なくても済むし。
あと、今回はそれほどむさぼらなかったけど、食べ物がね、博多はなんでもあって美味しい。そして今んとこ放射能汚染食品のリスクも低いし。
すぐに都市高速に入り、九州道であっという間に熊本を過ぎて、御船ICで降りて山越えで宮崎を目指す。一番近いルートの飯干峠が積雪通行止めだったので、椎葉を回るルートで行ったのだが、路面もほとんど雪はなく、覚悟していたほどの時間はかからず12時には諸塚に着き、去年も食べた「どんこ亭」という公共施設内の食堂にてランチバイキング。椎茸や地元の野菜、鶏などを使った料理がいろいろ並び楽しい。コーヒーなどドリンクもついて800円。超安い。椎茸が名産ということでふんだんに使われていて、ここまでくればセシウムもほとんどないだろうということで、バターソテー、天ぷら、煮染め、パスタ、炊き込みご飯などなど、久しぶりに椎茸三昧だった。運転疲れで写真取り忘れ。これは去年の写真(笑)。

そして直売所「もろっこはうす」でいつもの「干しタケノコ」を買おうと思ったらない!!聞いてみたら去年、タケノコが不作だったとか。「どんこ亭」の食材も確保しておかなきゃならないから、売る分がないのだね。仕方がないので「柚子こしょう」だけお買い物。

さて、いざ現地へ。南川神楽は5つの集落が持ち回りで会場となるので、3年連続だけど、初めての場所である。今年の会場も去年と同じ公民館タイプで、集落の入り口あたりかな、東南方面を見下ろす道路脇の崖下に建てられている。
すでに西都の高見さんや、地元の顔見知り、また最近湯布院に移住してきた美術家の鈴木寅二啓之さん夫妻など先に着いていて、久しぶりの再会。

しばらくして最初の「舞入れ」が始まる。これは氏神さまの神社から御神屋まで40人ほどが舞いながら行列するもので、面の数も九州で最も多いと言われ、壮観である。この地区は神社から御神屋まで近いのでどうするのかと思ったら、民家の庭先を抜けて田んぼの中の道を遠回りしてくるというやり方で、これもまたなかなかよい景色だった。


そして朝まで神楽三十三番が舞われる訳だけど、楽しいのは地元のおじさん達と焼酎を飲みながらワイワイと見たりすること。去年の場所ほどふるまい焼酎は多くなかったけど、おじさんが持って来てくれて竹を切ったコップでいただく。7人の参加者全員酒好きなので回し飲み(笑)。
個々の演目の報告は大変なので省略するけれど、とても「ゆる〜い」感じで進んでいくのが面白い。神楽をする人たちも毎年帰って来れない人もおり、ファンキーな那須さんに会えなかったのは残念だったが、笛の名手の息子さんは東京からちゃんと帰ってきていた。

太鼓の音がね、これまで二年と違うから訊いてみたら「締め直した」そうだ。締め直すというと、音が高くなったと思うだろうけど、そうではなくて、今回は音が低くなるようにやり直したのである。皮面の直径が大きい割に和太鼓みたいなカンカンした音がしていて、僕にとっては玉にキズだったので、若手の西田くんがやってくれたみたいなので、これは嬉しかった。
ここの太鼓は面白い。叩き手が変わるとリズムの訛り方も変わり、夜中に寝ていたのだけどすごく面白いリズムが聞こえたので、飛び起きて撮影したりした。

寝ていたのは特設のテントで、ここで夕食がふるまわれる。山の中だけど新鮮な刺身や、これまた地の野菜の煮物やら、お母さん達が作ってくれたお弁当をいただけるのである。ちゃんと「霧島」のワンカップもついているのだけれど、一升瓶ごと温めた焼酎の燗が出てきて、それが美味しかった。あれはお湯割りでなかったけど20度だったからね。なんとか飲めました。

夜中の「三荒神」という演目でいつも盛り上がるのだが、今年は隣の戸下の人とか地元の他の地区の人とか少ないみたいで、かぶりつきでワイワイ言って見ているのが僕たちだけだった時間もあったりして、盛り上がりは少なかったか。三荒神役の人も去年と違ったりしてたみたいなので、ちょっと省略があったかもしれない。でも酔ってて詳細は覚えていない(笑)。

「三荒神」のあとは「牛頭天」まで仮眠。「牛頭天」に途中から乱入する「歳の神」が男根を付けて出てくるので面白いのだ。これも年ごとに様子が違い、今年は面を付けて二人出てきたり、そのあとまた別の人が出てきたり。でも「ニセ宮司」の「ニセ神事」をやれる人が欠席でなかったりして、これもわりとあっさり終わる。たぶん地区によってテイストが違うのだろう。で、あんまりあっさり「歳の神が」が引っ込んでしまったので、女子学生二人をかぶりつきに連れてってアンコール(笑)。そしたら「アンコール来たよ」って言って、また別の人が出てきてくれた。このあたりの臨機応変というか緩さ加減がここの楽しさの一つである。




そしてまた仮眠。どうも今年は眠い。酒にも弱い。歳かなあ…(泣)。
そして空も明るくなり、「岩戸開き」へ。御神屋に屏風で岩戸を作り、子供が扮する天照大神が出てくるのだが、アマテラスの後ろから朝日が差し込むような方向に作られて、タイミングが合えばまことに美しい。この日の天気予報は晴れだったので大いに期待したのだけれど、実際は曇り。でも焦らすように雲間から朝日が出そうになって、みんな空を気にしながらその時を待った。残念ながら岩戸が開いた時は曇り。ていうか、そのあとから小雨が落ちてきたので、岩戸開きまで雨を止めていたという感じか。

そのあとも数番舞が舞われて今年も無事に終了。みんな御幣などの飾り物を縁起物としておみやげにいただき、帰途についた。

博多で車を返し、帰る飛行機やバスまで時間がある数名で博多駅の「ほろよい通り」で打ち上げ。ここは立ち飲みの店とか昔の飲み屋の雰囲気を再現した店が何軒か集まった「企画もの」のエリアだけど、とってつけたいやらしさがなくて、いい感じで安い。ここにいけば博多の酒のアテはほとんど食べられるかな。駅にあるので当然人気店は満員。空港にも地下鉄で二駅なので安心だ。で、ちょいと飲んで最終便で爆睡して東京に戻りました。
あと二年通うと南川の5ヶ所制覇となるので、行っちゃいそうだなあ(笑)。




最後に蛇足にもならないオマケ。
博多のホテルで夕方のワイドを二日見たけど、元気があって面白い。東京MXとは出演者のテイストが違うけど(笑)、地元のネタが豊富なんだな。北海道と比べると札幌のワイドは面白くないぞ。山陽先生、孤軍奮闘がんばっているけどね。