昨晩のたね蒔きジャーナル 10/26

10/26(水)

 永岡です、毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」、今日はMBSアナウンサーの上田崇順さんの司会、毎日新聞専門編集委員近藤勝重さんの案内で放送されました。


 原発のニュース、東海第2原発で圧力容器から放射能を含む水が漏れ、外部への放射能漏れはないと言うのです。水漏れの警報があり、ねじを誤って止めたためで、4人が放射能の水をかぶった、200トン漏れたと言うことです。


 そして、小出先生のお話、リスナーの質問の特集です。茨城の人より、日本では10月26日が原子力の日であり、京大実験所でイベントはあったかについて、「何もない」と言うことです。原子力の日は、動力試験炉(実験炉、東海村)の動いた日なのです。IAEAへの加盟の決定した日でもあるという近藤さんの指摘もありました(このことは小出先生ご存じでない)。小出先生には忌むべき日なのです。原子炉実験所は基礎学問のところで、原発推進ではない、今日何もなかったのです。


 大阪の人より、あちこちで放射能が見つかっていますが、日本中で検査したら、高いところが出てくるかについて、福島事故による汚染では関西は少ないが、ホットスポットのできる可能性はある(雨どいの下など)。関西は限定的、関東、東北は全体がホットスポットのところもあり、雨水が集まり、高濃度になります。関西で調査を行政に依頼しても難しい、放射能の測定は技術が要り、簡易型の測定器では正しい測定は出来ないからです。


 岩手の一関の人から、某有名教授が70ミリシーベルトに達する可能性、風向きが悪く、福島の放射能が北の風下になり、ホットスポットになっている、地域の汚染はあるが、年70ミリもの汚染にはならないとのことです。専門家に測ってもらわないといけない、市内でも高いところ、低いところがあるのです。


 所沢の人より、狭山茶の産地であり、全銘柄の検査があり、お茶にセシウム137が400ベクレル、大丈夫かについて、放射能に大丈夫と言う言葉を使わないで欲しい、被曝は微量でも危険、どこまで我慢するか一人一人が判断するもので、お茶は汚れている、神奈川も、静岡も汚れている、100〜200ベクレルは「あきらめないといけない」、お茶は日本人に必須,断てないので、我慢するしかないのです。


 牛乳も、大丈夫ではないが、子供には汚染の少ないものを選び、大人はあきらめるしかないのです。が、買う牛乳にどれだけあるか分からない、東電が全部測定して知らせるべきで、しかし政府、東電も野放しであり、消費者に正確な情報がない、注意は、産地を見て、子供には東北、関東のものは与えない方がいいのです。


 海外、チェルノブイリでは、表示もあり、「日本は困った国だ」、政府、東電もそうする責任があるのに、やっていないのです。それは、結果が悪いと、原子力行政に悪影響と意推測されるのです。


 愛知の人から、冬になり、雪が降る、土壌の放射能を遮断すると言われたことについて、原理的には本当で、積雪が何mもなら遮蔽されるが、普通の生活では何mも積もらない、10cmくらいでは効果はないのです。また、雪は子供が食べて大丈夫か、空気中に放射能が漂う時(3月)は食べてはダメ、今はなく、今の雪は大丈夫、地面に積もったら、雪に汚れが移り、触らない方がいい、雪解け水に放射能が入るのです。


 東京・品川の人から、ガンダーセンという人の話で、セシウムの再揮発が東京であると言うのですが、これについて、また、再揮発でホットスポットの出来る可能性について、再揮発は使ったことはない、再浮遊を使っている、地面に積もったものが風で舞い上がる、降ったセシウムが土にあり、風で舞い上がり、別の場所に入ることはあるが、揮発はないとのことでした。


 今日はリスナーの質問への回答の特集でした。


 続いて、カダフィの死、アラブの春について、静岡県立大学の宮田律さんのお話がありました。今年2月からのデモで、8カ月たちカダフィが死んだ、これについてです。


 カダフィの死について、反政府武装勢力の力が大きくなり、いつかは殺害されると思っていたのです。NATO軍が支援して、武器、資金もNATOカタールなどが支援したのです。


 殺害したことと、ハーグの国際裁判所に身柄を移すのとは異なり、これが尾を引く(フセイン死後のイラクと同じ、フセイン勢力が破壊活動を行っている)、カダフィの生地シルトで爆破事件で100人が死んだ、暴力の連鎖が続くのです。国民的和解にブレーキをかけるのです。国民評議会も一枚岩ではなく、政権作りは容易ではない、リビアは広く、そういう国をまとめるのは大変なのです。閣僚のポストなど、システムを作るところから争いが起こる、部族ごとの覇権争いがあり得るのです。


 リスナーより、フセインの処刑と似ていて、アメリカの意思があるかについて、アメリカの意思より、カダフィの反感の上で殺されて、今回はアメリカよりヨーロッパが反カダフィに肩入れして、しかしヨーロッパは殺そうとは思わなかった、ヨーロッパは裁判を望んでおり、国際法違反であるのです。オバマ氏が革命と言っているのですが、アメリカは司法手続きについて触れていない、アメリカは無人偵察機で各地で殺害を行っており、アメリカが意見を言える立場にないのです。


 ヨーロッパにとり、リビアは石油、天然ガスがあり、それを確保したい意図がある、エネルギーをロシアに頼っていたモノを、リビアで代替したいのです。しかし、独裁体制で安定していた方がヨーロッパにとって楽だった、今後のリビアは混乱で、カダフィの方が良かったかも知れないのです。しかし、ヨーロッパはカダフィに肩入れできなかったのです。カダフィは2003年にイラク崩壊より現実対応,核開発他を志向し、ヨーロッパはカダフィとうまく行くようになっていた、それに、アラブの春カダフィの死により勢いづくかについて、アラブはヨーロッパにはなびかない、イスラム過激派もいて、親欧米ではないのです。アラブの春により、必ずしも民主化しているのではないのです。バーレーン、ヨルダン、シリアでも民主化要求があり、イスラム諸国での民主化要求が起きたことは目新しいが、政治の実態は変わっていないのです。


 建前では、欧米はカダフィの独裁を許さないものの、本音は違う、湾岸の中東諸国は民主化とは違う、自由な言論はない、アメリカは民主化と言わず、ダブルスタンダードなのです。


 リビア、すごい数の民族の集まりで、まとまるのか、民主的な選挙は出来るのかは、部族が50以上あり、まとめられる人はなかなかいない。カダフィは軍事力により独裁してきた、その権威を失い、国を束ねるのは困難であり、リビアの混乱は続く、選挙も容易ではない、国際社会は貢献を求められるが、治安状態が悪いと復興、民主化支援はやりにくい、これが好転する兆しはなく、NATOも引き上げたい、欧米諸国は経済的に苦しく、他国に軍事介入する余裕なし、アメリカはイラク、アフガンで失敗し、リビアには入れない、アラブ諸国による平和維持が考えられるが、アラブにその経験がないのです。


 ロシアは、政治拡大に反対していた、リビアの混乱が続いた方が、ロシアには都合がいい、ヨーロッパの経済的機会が拡大するからです。


 今もカダフィを支援する勢力もいて、国民評議会との対立もある、カダフィ派が新しい政権に入れないと、また問題になるのです。


 以上、カダフィ後のリビアのお話をお伝えいたしました。