昨晩のたね蒔きジャーナル 10/5

10/5(水)

 永岡です、毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」、今日も水野晶子さんの司会、毎日新聞専門編集委員近藤勝重さんの案内で放送されました。


 原発関係のニュース、被曝線量基準を検討している委員会が、年間1ミリシーベルト達成は当面困難と判断していることが分かったのです。基準を緩和して、年間1〜20ミリの中間を認めることを決めました。つまり、結果が2ミリか、19ミリかはわからないのです。日本では緊急時の対策がなく、しかし国民の健康を無視しているのです。近藤さん、数字の出し方でがん患者の数が変わると批判していました。


 南相馬市の緊急時区域が解除され、学校が再開されますが、子供は16人しか戻っていません。放射能の不安や、仮設の位置などの問題で帰っていない(学校は12校、5校は本来の校舎なのですが、2200人のうち、1000人以上避難であり、戻るのは16人しかいないのです。)


 そして、小出裕章先生の原発事故解説、先の住民の被曝線量基準緩和(放射線審議会基本部会)について、年間1ミリシーベルトを変えることについて、小出先生、ため息をついて「あきれた」、福島は1ミリを守るなら膨大な土地を放棄しないといけない、現実の中で国が国民に被曝を強制しているのです。広大な土地を捨てないといけないと小出先生事故から言っておられ、しかし年間1ミリを守らないのは法治国家でないと言ってきたのに、法律を守れないので、法律を変えてしまう、それが法治国家のやることか、身勝手な国だと言う所感です。


もし、20ミリを限度にしたら、被曝時のリスクについて、アメリカのゴフマンさんの評価をいいと思い、1ミリだと、1万人被曝で4人ががんで死ぬ、20ミリなら、80人がんで死ぬ、0歳の子供は大人より4倍危険であり、0歳児なら320人死ぬのです。小出先生、子供には事故の責任はない、何としても子供を守りたい、こんながんでの死を容認できないのです。


近藤さん、科学ではなく政治の世界であり、科学者の云々ではないレベルの話とのことです。しかし、政治は国民を守るのが責務であり、おかしいのです。水野さん、経済的な問題と疑っておられて、除染をする際に、当初5ミリ以上を除染するとして、福島も反発し、細野大臣が1ミリから除染すると言うものの、これが吹き飛ぶのではないかであり、小出先生、除染はいらないと言い出す可能性があるとの判断で、1ミリまで除染すると多額の金がかかる、福島ではどんなに除染しても1ミリを守れないところがあるのです。


近藤さん、原発では政治と経済が一体化し、国策である、原発をどう守るかに政治がなっているとの指摘がありました。しかし、将来の子供たちのリスクが大きくなるのです。


プルトニウム検出で、核実験のものと政府が言っていて、これも、近藤さんひどい理屈であり、核実験のものでリスクがなくなるのではないのです。


水野さん、1ミリ見直しがショックで、小出先生、これだけのリスクしか与えないと決めたのに、事故を起こして責任のある国家が法律を変えることに、国民がこんなことを許していいのか、原子力を許していいのか、なのです。


民主党、前原氏が政調会長でこの人がウンと言わないと進まない、エネルギー政策見直しの座長が大畑氏、経産省、日立出身で原発推進の人であり、これについて小出先生、前原氏は原発推進で、前原氏の意向で推進する、松下政経塾出身、幸之助氏が泣いていると小出先生コメントされました。


 本日のお話は以上です、これを、お伝えいたしました。


 たね蒔きジャーナル、続いて、福島県のJA福島委員長の農家の遠藤さんにより、緊急時避難準備区域の解除に関するお話がありました。


 9月30日で緊急時避難準備区域を解除し、子供、妊婦も戻っていいと政府はしたのですが、遠藤さん、原発から25kmのところにお住まいで、避難している割合は、爆発して1週間はいなかったが、1か月したら戻ってきたのです。父親と祖母、奥様と子供3人の家族構成なのです。子供たちの学校、小学校はとなりにバスで移動し(10km以上離れている)、そこでも子供たちは外で遊べないのです。


 9月30日の解除でも、全く変わっていないのです。除染して解除したのではなく、戻ってきた人は増えていない、現状維持なのです。避難準備区域解除は除染によるものではなく、個人の家も除染していないのです。


 除染は公共施設で多少しているものの、家庭、通学経路は自分たち、PTAでやるしかない、自治体がやるのを待っていられないのです。効果は未知で、放射能は空気中に出ている模様です。


 森は多いところで、飯館村に近いところは森が多く、そこでの作業は生半可な気分では出来ない(線量計も持って活動する)のです。森林の除染は難しく、住宅付近で葉っぱを取ると言うものの、簡単にできる面積ではない、除染すべき森林は2.1万ヘクタールもあり、大変なのです。除染は小学校がメイン、通学路は困難です。


児童の避難、線量の低いところは学校再開であり,山側は再開が来年になるのです。


子供たちを安心して学校に通わせられるか、除染して再開してほしいのです。子供たちの心は傷ついているのです。こっちの学校は開いている、あっちは開いていないというのは、子供たちに大変なのです。子供を学校に行かせるのは安全が第一であり、除染して、早く帰ってほしいのです。月に1,2度除染しているのです。


除染した土も、グランドに埋めるしかなく、遠藤さんのお子さんの学校もそうしています。それで大丈夫なのか、地下水は大丈夫か、心配です。


農業再開に向けて、農地の数値は高くはないが、ゼロではない、2次、3次被害があり得る、不安感があるのです。内部被曝に気を付けて、作業時間も限られるのです。今はマスクで抑えられる線量なのです。


福島の知事、被害者なのに、なぜこっちが除染しないといけないかと怒っており、しかし、どこまで除染したらいいか、専門家でないので、分からないのです。


医師も減っており、病院で診てもらえない、風邪などは大丈夫だが、大きな病気だと、となりの市に行かないといけないのです。子供たちに無理をさせているのです。冬、インフルエンザの際が気がかりです。南相馬の病院、経営が困難であり、介護の必要な人がいられない状態で、医師でも、原発事故で退職した人がいる、すべての医師が戻ってくれるのではないのです。医療崩壊の危惧があるのです。


医療を安心できるようにしてから、戻るならともかく、こういう話は棚上げであり、市民には伝わっていないものの、役所の上層部の人間もいないのが現状なのです。


南相馬市桜井市長は頑張っているのですが、遠藤さんも、見えないところを知りたい、学校の状態はメディアを通して初めて知るもので、直接知らせてほしい、信用がなくなるのです。情報伝達に問題があり、大元の国と東電に、除染を市民に丸投げされても無理、放射能を出した会社と政府が除染してくれない限り解決しないのです。具体的にどれだけの安全か、現場では見えない、それで避難解除は、原発は安全とのパフォーマンスで終わる、原発を止めてから解除して欲しいのです。線量が低いから大丈夫と言うのはおかしいのです。


遠藤さんに、これからも話を聞くことになりました。以上、福島の現地の声をお伝えいたしました。