昨晩のたね蒔きジャーナル 9/22

9/22(木)

 永岡です、毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」、今日は千葉猛さんの司会、毎日新聞専門編集委員の藤田悟さんの案内でした。私がこの番組を聞きはじめて以来初めて、木曜日で小出先生のお話はお休みで、今回の台風12号土砂ダムについて、京都大学防災研究所の千木良(ちぎら)雅弘さんのお話がありました。


 原発関係のニュース、関電の節電要請、95%を超えた日はなかった、藤田さん、原発なしで乗り切れたというコメントがあり、また藤田さん、夏の現実を見たら原発なしで乗り切れた、冬が厳しくなると関電が言うのに説得力なし、原発がないと、というのは脅しとの見解があり、十分なデータを出してもらわないと、ということでした。


 また、藤田さん、日本経済の状況を見たら、今の円高はおかしいとの指摘がありました。ユーロの下落があまりに激しいとのことです。


 千木良さんのお話、土砂ダムに関して、一気に崩れることへの質問で、徐々に崩れるのは問題ないが、流れが少しずつ削ってくれたらいいものの、奈良の赤谷、水が土砂ダムを削り、安定した排水路が出来ている、熊野はそこまで行っていないのです。


土砂ダムの崩壊の例、明治22年に奈良の十津川で50を超える土砂ダムがせき止められ、上流が壊れて下流に被害が出ています。


 巨大なダムが5つもできた理由、引き金は雨で、それだけでなく、大雨で崩れやすい地形もあり、だんだん山が隆起して削られ、変形すると崩れるということで、そういう下準備があったものだと考えられると言うことです。奈良、和歌山だけでなく、四国山地九州山地、中部、南アルプスにも共通します。ここでも、大量の雨だと、同じことが起こるのです。日本各地に危険性があるのです。


 山は木に覆われており、崩れにくいと思われるのですが、根が斜面を押さえつけるものの、今回のように深い崩壊(30m)だと、根の効果は期待できないのです。斜面の地質構造に原因があり、深いところに崩れやすい条件があると、こうなるのです。岩石の風化、水あめは塊に作れるが、それが変形して自重でつぶれる、これと同じことが山で起こるのです。山でひしゃげるのです。ここに水が入り、緩くなり、崩れるのです。大雨で突然起こったのではなく、何年、十年、百年と下準備があったのです。


 崩れる時の前兆は、山の内部から水が出る、濁ることがある、長い期間だと、山が変形し、中腹に溝ができることもあります。それが見つかると危ないわけで、これに対する防災は、決め手がなく、崩れやすい不安定なところはかなりの場所になり、なぜ今回のところだけ崩れたか、明快な答えはなく、どこが崩れるか、不明なのです。


 土砂ダムの形成、住んでいる人の対策は、迅速な避難しかないのです。いつかは、水がダムを乗り越えて、出てくるのです。緩やかな変化なら惨事にはならないが、一気に潰れると惨事になるのです。


 中の水が抜ければ、下流にも安心して住めるのです。人口のダム、下流に安全に流せる、古い天然ダムで残っているのもあるのです。水が抜けたら、土砂が残っていても大丈夫な場合もあるのです。


 過去の災害で、下流に安全に住んでいる例あり〜明治22年での残っているダムもある(決壊したものもある)、当時の詳しいことは分からないが、当時大変な災害があり、しかし、今残っている土砂ダムもあるのです。100年以上たち、問題もなかったのですが、下流から浸食され、池の水が出てきており、注意の必要があります。

 
 土砂ダムへの工事の対策は、ダムを超える水をコントロール、排水することなのです。これは簡単には出来ない、熊野で決壊が懸念され、排水には時間がかかるのです。人工的に水路を作り、水を抜くことは可能です。中国の四川大地震土砂ダムが出来て、人民解放軍が排水路を作り、大規模な決壊は起こらなかったのです。


 決壊せず、越流して、V字型の谷が出来て、ダムを安定的に排水する形になりつつあると言うのです。多分、大きな決壊はないのです。


 奈良県知事、小高い土地に移転させると言うのですが、元のところに戻れないかは、場所による、避難を繰り返すより、避難の不要なところに移転した方が安心なのです。これは、状況を精査してからです。土砂ダムが5つのうち大きいのが赤谷で、ここは浸食され、うまい方向に進んでいるということでした。大きな決壊なしに乗り越える希望もあるのです。


 土砂ダム形成を抑える対策は難しい、どこが大きく崩れるか分からない、ある程度危ないところはあるが、その中で絞り込むのは研究途上なのです。


 今回は水害対策のお話でした。これを、お伝えいたしました。