昨晩のたね蒔きジャーナル 9/1

今日も永岡さんがまとめてくださいました。

9/1(木)

 永岡です、毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」、今日は千葉猛さんの司会、毎日新聞本社論説委員の落合博さんの案内で放送されました。


 原発関係のニュース、半径20km以内の警戒区域で、3kmの一時帰宅が半年振りに実現しました。2kmにいた68歳の女性、主人の遺骨を持ち帰りたいということでした。安定的に冷却されていると、3kmも帰宅です。


 川内原発停止となり、玄海原発も定期検査で、九州の原発がすべて止まります。12月に再開を目指すものの、見通しは立っていません。


 千葉県、米を生産している52地区の検査をして問題なしでした。2地点で40ベクレル程度でした。


 そして、小出先生のお話、1週間ぶりです。この間、総理が脱原発の菅氏から、再開したい野田氏に変わるのですが、小出先生政治が大嫌いで、「残念です」とのことです。


 昨日、1〜4号機の廃炉で、作業工程案を出し、ロボットで建屋を除染し、中を水で満たすというのですが、これは出来ない、ロボットでの除染は、完璧には出来ないが、人間が入れるまで、ロボットにしてもらうしかないのです。それだけでは人間が入れず、大変なのです。


 格納容器の水漏れを直すのは無理であり、難しいのは融けた炉心が、圧力容器の中にあったはずであり、この中に炉心があれば作業は容易ですが、これを融かして外へ出ている、格納容器を水没させるのは無理で、取り落ちたものはペレスタル(圧力容器の下)にあり、東電はここに炉心が残っていると期待しているのですが、ペレスタルから出ていると思われ、これの回収は今の東電の工程表では無理であり、困難なのです。


 アメリカのスリーマイルの話があり、こちらでは東電の対応で出来たものですが、3つもメルトダウンしており、1号機はメルトダウンを国も認めている、圧力容器の底が抜けて、スリーマイルのようなことは出来ない、2,3号機は炉心がどこにあるか分からない、絵に描いた餅なのです。


 どう処理していいかは「分からない」、人類が始めて遭遇する事態であり、今どうなっているかも不明で、その後の未知の領域に踏み込まないとだめで、東電は楽観的、未知の領域に入っていないのです。


 汚染された瓦礫、8000〜10万ベクレルを一般廃棄物としての処理を国は決めたのですが、放射能に安全性は使っていけない、危険を我慢するかであり、原発を解体、廃炉にすると60万立方メートルのごみが出て、あるレベル以下のゴミを放射能として扱わなくていいという法律(1kg100ベクレル以下)を作り、しかし、そんなことを言っていられない、8000ベクレルも容認し、「途方もないことを言い出した」、「この程度の危険なら受け入れるしかない」のです。原子炉1つで60万立方メートル、福島はそれも比較にならない膨大なもので、下水の汚泥もある、それを、どうやって始末するか、法律で対処不可能であり、「ある程度のことは我慢するしかない」のです。


 菅総理、福島に中間処理施設を作ると言い、しかし、最終処分になるのですが、「これは悩ましい」、瓦礫、避難地域の大地も汚されており、放射性物質、本来は原子炉の中にあるもので、東電の所有物が事故で噴出し世界に汚染している、これを「東電に返す」、理想は原子炉内に返すのですが、福島第1の敷地内に戻すしかない、小出先生の夢は「東電の本社に持っていく」物なのですが、原発敷地内に持っていくしかないが、それでは足りない、原発の周囲で、二度と人の住めないところに核のゴミを置く、これは言いにくいことだが、しかしだからと言ってそこを日本中の核のゴミの墓場にしてはいけない、今回の事故に限りこの処置をすべきなのです。


 やはり、小出先生の誠実なお話の書き起こしは、厳しい話でもやりがいがあります。これを、お知らせいたしました。



永岡です、続いて、たね蒔きジャーナル野田総理財務省の関係について、東京新聞論説副主幹の長谷川幸洋さんのお話がありました。


 野田氏、勝利の背景は、意外であり、下馬評では前原、海江田氏が有力、しかし前原氏は問題があり、2、3位連合の成功+小沢・鳩山連合の票が少なかった、党内に小沢氏への反発・警戒は想像以上に強かったのです。


 野田氏、為替介入失敗もあり、しかし財務省の後ろ盾があり成功したもので、財務官僚のペーパー丸読みであり、増税路線で、財務省は内心大喜びで、自分たちの思う通りの総理になったわけです。2年間で脱官僚がうまくいかず、野田氏、脱官僚も言わない、10、15年前の自民党政権に似てきた、ノーサイドは、代表戦最中は闘っても、その後は仲良くというのですが、国民から見たら困る、増税に困る人もいる、政治家は政策を立てて競っていかないといけないのに、自民党時代は官僚が政策を立てて自民党はみんな仲良くであり、それと同じなのです。


 また、野田氏、経団連まわりをやり、自民党と同じであり、困っているのは自民党なのです。自分たちと同じであり、まったく同じことを野田氏がやり、増税する責任政党は野田政権と言い、谷垣氏、困っているのです。


 2年内の総選挙、選びようがないのです。増税するのかしないのか、民主と自民が同じで、谷垣氏、実態として連立政権と同じであるのです。ノーサイド民主党議員400人に対してだけでなく、自民・公明にも向けられる、政策の違いはどこあるのか、官僚、財務省が政策を作り、政治家はけんかせずに賛成して予算を通せばいいになりかねないのです。


 リスナーの質問、勝栄二郎財務次官、優秀な人であり、復興増税のシナリオを書くのが勝氏であり、野田政権の最大のブレーンが勝氏なのです。幹事長に輿石氏、政権運営はどうなるかは、小沢氏、完全に代表戦に負けたのに、野田氏が輿石氏を幹事長にして、小沢氏からしたら、何とやさしい手を差し伸べてくれたのかとなったのです。輿石氏も、最初遠慮して、しかし小沢氏よりぜひ入れとなり、小沢氏には望みようのない人事で、これは野田氏の甘いところなのです。小沢氏、これを足がかりに、党に影響を及ぼすのです。


 政策審議会、前原氏が了承しないと動かない、と、政治の中心は政策調査会で、党内論議がガチンコ勝負になる、小沢氏は幹事長を得て、党内で巻き返せるのです。みんな仲良くは日本人大好き、和が日本に喜ばれるが、政治は権力闘争であり、小沢氏、輿石氏も入り、敵が譲ってくれて、野田氏、大変になるのです。


 増税原発マニフェストは、まずマニフェストは見直しになる、原発の再稼動、ストレステストをやり動かす方向になる(経産相資源エネルギー庁は動かしたい、野田氏は官僚とやっていく方向)、増税、ここに動くが、前提として景気が良くなることがあり、しかし景気はアメリカ、ヨーロッパが悪くなるので景気が悪くなり、増税できない、野田氏は増税したいのに、民主党の3/4が増税反対、増税賛成は100人くらい、賛成に過半数はない、景気が悪くなり、目先の増税は出来なくなると言うのです。


 来年9月の代表選での小沢氏、輿石氏が入ったものの、海江田氏の敗北は決定的で、勝つには200表要る、小沢氏に30票いる、その見通しがないのです。小沢氏、これで3連敗、相当厳しくなったのです。野田氏、みんな仲良くになると、来年9月も野田氏が続ける可能性があるのです。


 増税をめぐり路線対立は残っていて、4人目の政権も無理で、「和」の政治が、15年前の自民党と同じなのです。


 結構、面白いお話でした。以上お伝えいたしました


 なお、明日のたね蒔きジャーナルは特別編成のためのお休みです。また、来週お伝えいたします。