昨晩のたね蒔きジャーナル 8/16

8/16(火)

 永岡です、毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」、今日も水野晶子さんの司会、毎日新聞ほっと兵庫編集長の平野幸夫さんの案内で放送されました。


 原発関係のニュース、北海道泊原発再稼動、高橋知事がOKを出す模様です。調整運転(実態は営業運転と同じ、法的に違う)から営業運転を認め、海江田大臣がOKを出す、ストレステストなしに営業運転になるのです。


 福島原発、高濃度汚染水処理施設でトラブル続きで、新しい施設が導入され、毎日400トンの汚染水+台風で2000トンも増え、トラブルで汚染水は減っておらず、1時間50トンのはずが37トンしか処理できていません。1日10時間以上動かさないと新しい汚染水に追いつかないのです。東芝の装置(ポンプを減らした)でやり、開発担当者は、特に言うべき短所はないと言っています。明日の夜の試運転まで、処理施設は止まりますが、トレンチの余裕はあと数cmです。今まで2万トンほど処理しますが、予定に間に合わないのです。


この話、あと何cmという話から久々なのですが、海洋汚染のデータが問題で、海産物の産地が問題になる(風評被害ではない)ので、国が海洋汚染のデータを出しておらず、しかし、アメリカ西海岸で放射性硫黄が出ており(海水+中性子)、カリフォルニア大で出ており、政府はデータを取らないといけないのに、していないのです。水産庁、数種の魚のデータしか開示してやらず、陸上では米が問題なのに、海に関して政府がやっていないのです。


 そして、小出先生のお話、日本原子力学会の動きについて、研究者、電力会社、メーカーの社員もいる組織なのです。「原子力村の人とかぶっている」、原子力村は政治家、産官学、アカデミズムの人も入っています。この学会、小出先生入られて(70年〜80年)、しかし、辞めた(永岡注:小出先生、関西電力の社長が会長になったときに辞めたと著書で書かれていました)、この学会が声明を出して、福島事故の原因調査をする委員会に、「事故の調査で、個人の責任追及をするな」と言っているのです。この意味は、これまでも、「原子力の世界は個人としての責任を取っていない」、これからも取らないための声明でしかないのです(それ以外の意味は見つからない)。


 連絡調整した人にも責任を取らない=情報隠しも問わない、原子炉の設計、建設、審査に関しても責任追及をしないと言っています。これまでも、原子力の世界はこうやって、事故を起こした、個人の責任を逃れる人たちなのです。犯人探しになったら真実を語る人がいないと言い訳しているものの、そもそも、事故調査委員会は個人の責任追及をしないと言っており、推進派の免罪をすることが決まっているので、「この調査委員会はだめ」なのです。畑村委員長を任命したのは菅総理であり、小出先生、声明に驚き、呆れ、この人たちは変わらないと思われたのです。


 しかし、16名の学者が責任を認め謝罪しているのです。本人が責任を認めているのに、原子力学会は原子力を守ろうとしているのです。


 原子力学会会長、原子力が人類のエネルギー解決に不可欠と言っており、小出先生、「話にならない」と言われて、しかし、専門家が日本、地球のために考えてほしいのですが、専門家が変わらなかったら変わらない、専門家も一人ひとりの人間であり、人生は一度であり、どう生きてどう責任を取るか考えてほしい、このような悲惨なことを見て、責任を取らないとは、自分の命をどう思っているのか、と小出先生言われました。


 16名の中には、原子力安全委員会の住田さんもいられて、現職安全委員長も謝罪しているのに、原子力学会を変えていないのです。小出先生、「16名の謝罪眉につばをつけている」、この人たちも、振ってきた旗を降ろしていないのです。


 専門家の姿勢が問われているのです。「小出先生の言うとおりに事態はなったと、謝罪した人は一人もいない」のです。


 政府の人選の問題でもあり、平野さん、刑事事件になってもおかしくないと言われ、政府が責任逃れのためにやったと言われ、小出先生、同意されました。


 私は、サラリーマン時代に、日本の社会組織の封建制、官僚制をいやというほど見せ付けられましたが、今回の事故は、日本の官僚、封建体制の必然と、今日の小出先生のお話を聞いて確信しました。なお、本日の後半は学生さんのお話で、これの書き起こしはパスさせていただきます。小出先生のお話、明日もお伝えする予定です。

#追加です
 永岡です、昨日8/16の毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」で、後半の特集は書き起こしをしませんでしたが、福島県いわき市出身の東京大学の大学院生開沼博さん(27歳)のお話しを聞き、要点のみ流します。


 開沼さんの家は原発から42kmであり、福島には月の1/3は行っているそうです。


 そして、一番驚いたのが、原発の現地であり、原発は地元に大きな金を落とし、雇用もあり、原発事故で、今後自然エネルギーと言われても、こういう原発の建てられた過疎地には、すぐに原発に替わる経済基盤はないのです。それが、この春以降、地方の選挙で原発推進派が勝っている理由なのです。原発の雇用は万単位であり、自然エネルギーにはそれまでの効果はないというものなのです。これにより、原発立地の首長が意見を変えた例もある(逆に、逮捕された佐藤栄佐久氏のように、原発反対になった人もいる)ということでした。


 つまり、原発は過疎地の経済を人質にして、推進されてきたわけです。事故が起こっても、これだけ原発の経済に依存している過疎地には、原発の代替の経済基盤はないのです。


 これは、ショックでした。都会の人間が反原発といっても、原発に経済を押さえられている過疎地には、別の論理があるのです(もちろん、それゆえに原発を肯定するわけではない)。


 原発に全ての経済を依存している地元の過疎地の悲劇を、再認識しました。


泊原発のことで マエキタミヤコさんから。

https://twitter.com/#!/maekitam/status/103494900259102720

今日の東京新聞高橋はるみ北海道知事と電力金脈の黒い関係がおっきく載っているそうです。昨日の北海道議会にも出ていた小國智宏記者の力作。

そして追伸

昨日の泊原発道議会
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山口たか(元・札幌市議)
https://twitter.com/#!/takataka_ch/statuses/103300120673648641
道議会エネルギー委員会傍聴者定員オーバーしそうです


山口たか(元・札幌市議)
https://twitter.com/#!/takataka_ch/status/103436020061716480
道議会エネルギー特別委員会が4時に休憩してから5時間。間もなく再開、と委員会室に誘導されてから30分。全然開会しない。議員も来ない。知事も来ない。市民はなめられてる?


山口たか(元・札幌市議)
https://twitter.com/#!/takataka_ch/status/103481693394059264
さっき道議会エネ特委員会が終わった。知事はまともに答弁しない。紙読むだけ。議員も突っ込まないでそこそこ要望して終わり。シナリオ通り。一番ましな質問は公明党だった。


山口たか(元・札幌市議)
https://twitter.com/#!/takataka_ch/status/103500037849485313
泊3号機営業運転へ。学芸会以下道議会のヤラセ質疑、棒読み答弁、こんなレベルで私たちの命に関わる問題が決まるなんて。恐ろしいし悔しい。福島の人たちにあわせる顔がない。