昨晩のたね蒔きジャーナル 5/4

永岡さんからのまとめが、前半、後半と二部に分かれて届きました。長いですが原文ママです。
(三上)

◆前半
5/4(水)

 永岡です、毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」、今日も水野晶子さんと、毎日新聞専門編集委員近藤勝重さんの案内で放送されました。


 まず原発事故のニュース、賠償金をめぐり、電気料金を値上げできる制度を政府が決めています。賠償額が数兆円であり、全国の電力各社も上乗せできる制度を検討中です。枝野氏は東電の責任に上限はないと言うものの、この始末で、リストラと毎年の利益から捻出するというものの、税金から出る可能性もあるのです。将来、東電がどう存続するかもあるのに、料金を上げるのかと、水野さんお怒りです。


 福島第1の作業、進んでいるのは1号機、作業員が入れるように、中の放射能を減らす換気装置を設置中で、原子炉への注水、格納容器の水棺、この水をどう冷やすかで作業が進んでおり、汚染水を熱交換で冷やす予定なのです(水を空冷)、水を循環させて、原子炉を100℃以下に冷やしたいものの、うまくいくかは不明です。


 菅総理、工程表どおりに行けば、避難民は年明けにも帰れるとの見解を示しています。原子炉の安定化を、6〜9ヶ月としているのですが、工程表どおりに行くかは不明です。


 それで小出先生のお話で、多くのリスナーから質問が来ており、福島第1の3号機の爆発、動画サイトで話題を呼んでおり、3/14に爆発、水素爆発と言われているが、核爆発ではないかと海外から指摘されています(アメリカの原子力の専門家)、1号機の水素爆発ではなく、黒い煙があるのですが、これについて、核爆発(核暴走)が使用済み燃料プールで起こるとは思っていなかった、爆発したが、水素爆発と思っているし、水素爆発は核爆発だが、核暴走のことはたぶんないと思われるのです。


が、いろいろなデータを見て、包括的核実験禁止条約の国際的な監視機関の測定器(日本は高崎)が微量の放射能を監視しているのですが、ここのデータより、3/15〜16にかけて、空気中の放射能が、ヨウ素135が大量にあった、これは半減期6.7時間の比較的短いもので、3日で1/1000になるのですが、原子炉が3/11に停止したならば、ヨウ素135はこの時にないのに、4日たって(何千分の一になっているのに)、高崎で出ていると膨大な量があり、この測定値が正しければ、3/15〜16に出ている、つまり、3号機の爆発でできたと考慮しないといけない、水素爆発だけならヨウ素135はこんなに出ない、再びウランの核分裂が進んだと仮想されます。


水素爆発を引き金に、核分裂が使用済み燃料から出た可能性があるのです。が、放射能測定で東電も間違えたデータを何度も出しており、データの間違いの可能性もあるものの、データが正しければ、核暴走の可能性あり、しかし、それとレベル7との関連なし(環境に出た放射能は大量で、それが融けた原子炉から出たか、核暴走かは不明)、出た放射能の量は動かないのです。


 が、もし最初から核暴走と言われていたら、レベル7のショックは少なかったと近藤さん語りました。核暴走が日本の原子炉で、それも使用済み燃料プールで起きるとは思われなかったが、ものすごい意外なことのおきた可能性もあるのです。が、核暴走は瞬間であり、もう終わっている、しかし核分裂でできる放射性物質は同じで、短い時間に放射性物質は、閉じ込めておけたらなくなるのに、むき出しの使用済み燃料から大量の放射性物質が出た可能性もあります。


核暴走でも、それは一瞬なので、今後やることに変わりはないのです。これにより、我々があわてる、不安がることはないのです。ただ、情報が正確か分からないので、その点に留意はいります。


この後ラジオに出る、大阪大学の住田健二名誉教授、小出先生とまったく違う、推進側ではあるものの、率直で、自分で責任を取る人であり、1999年のJCO事故では現場で指揮を取り事故収束に働いた(やったことに小出先生として文句はあるが)、今の原子力安全委員会に比べたら大変にマシとのコメントがありました。


懸念の3号機の核暴走(核爆発)について、詳細に聞けてよかったです。またお知らせいたします。

◆後半
 永岡です、毎日放送たね蒔きジャーナル、かつて原発推進側であった、大阪大学名誉教授の住田健二さんのお話がありました。住田さん、かつては原発推進側の重鎮であり、しかし今では朝日放送のおはようコールでも出演がありました。


 住田さん今80歳であり、原子力安全委員会の委員長代理、日本原子力学会の会長であり、原子力の重鎮なのですが、たね蒔きジャーナルで、小出先生、住田さんのことを率直な方と言われていたのですが、今回の福島事故を語るに、先週国会の衆院決算委で、原子力村の一員として言われたというのですが、自分は村の一員でも村の外れである、原子力村のリーダーではないと言うことです。電力会社、産業界、国が他の考えのひとを排除してきたのでは、という指摘に、原子力村の一員だが、村長ではない、交番の巡査みたいなものだったというコメントでした。


 原子力に首を入れたのは20歳くらい、そのころ日本では原子力は平和利用でもタブーであったが、最初はまともな技術者もいた、原子力の平和利用でも、研究はだめという考えもあり、推進派が少数の時代もあったのです。


 元巨人ファンというリスナーからの質問で(住田さん阪神ファン)、日本に原発はいると思っていたのになぜこんなにでたらめなのかという見解に、自分も残念である、福島(F1)は日本の原子力のごく初期からやっていたF1であり、F1は管理はきっちりしており、想定ができていたと(10年前は)思っていたのに、津波地震でやられしまった、非常電源、去年問題になったのに、対策が取れていない、技術者のしっかりしていた東電では考えられない、東電が非常電源なし(10時間猶予があったのに)とは何をしていたのか、という見解でした。


 津波の想定、非常対策を取って何かできたのに何も出来なかったのは、昔の東電だと、考えられない、適切な措置をとっていたという見解でした。

 保安院、委員会はダブルチェックであるのに、村はずれとは、保安院そのものの働きが今の東電を作ったのではとの近藤さんの指摘に、その通り、原子力村の村長は総理。一番古いことでは、安全審査を科学技術庁がやっていたのに、経産省がやるようになり、体質が変わったということなのです。


 近藤さん、政治災害と指摘し、福島で2007年に事故も起こっている、二重三重に甘い体制ではなかったかと質問し、そこまでひどいとは思わなかった、村はずれのものから言うと、言いたい、聞きたいことがいっぱいある、現場の技術者の、技術への使命感があるのに、それが発揮されなかったことに情けないとのコメントがありました。


 それ以前に絶対安全との世論を形成してきたが、自分はそんなことを言っていない、「安全神話」をムード的に作ってきたのに、心ある技術者は言っていなかった、無制限に安全とは誰も言っていないということで、それは科学的な安全ではない、マスコミにも責任がある、○○なら安全といっていたのに、その○○を取った、あるいは威勢のいい「絶対安全」との声にかき消されたとの指摘がありました。


 住田さん、事故へのメッセージを16人で謝罪し、その通り、原子力を支えてきたのに、その支え方が足りなかったとのことで、誰に迷惑をかけたかということなのです。


 「原発は安全」とのことに、「怖いものは正しく怖がる」ということをJCO事故に書いたのに、自分は推進派であるが、非常に正確にやらないといけない、地震国で存在できるかについては、存在させないといけないと言うことで、新幹線、飛行機を走らせている国であり、出来る。しかし、出来ないことをやってはいけないが、原子力を安全に使えると考えている、足りなかったことがあると言い、足りなかったことを足せるかとの水野さんの指摘に、原子力は失敗したらたくさんに迷惑がかかる、エネルギーのために原子力が要るとの見解でした。


 この結論を聞いて、小出先生との違い(小出先生は、本質的に原子力は危険と言われている)を見ました。これを、お知らせいたしました。